いびつな「書の美」──日本の書がたどった二つの近代化
林淳(著)
近現代日本の書道史を、前衛書を軸とする「革新派」と、従来は十分に論じられてこなかった「伝統派」の二つの潮流から読み直す研究書。両者の制作理念と美学を対比しながら、近代に形づくられた「書の美」の評価の偏りを問い、新たな歴史像を示す。
作品情報
革新と伝統の両面から、近現代日本における書の美の歩みを読み解く。
近代書の「革新派」と「伝統派」をともに視野に収め、片方に偏ってきた近現代書道史の理解を組み替える。両派の制作理念を比較し、見過ごされてきた伝統派の実像をたどることで、書の美を考えるための新しい地盤を探る。第75回芸術選奨文部科学大臣新人賞の評論部門で評価された。
書籍情報
- 出版社
- 森話社
- 発売日
- 2023-12-20
- ページ数
- 392ページ
- サイズ
- 3 x 15.5 x 21.5 cm
- ISBN-13
- 9784864051828
- ISBN-10
- 4864051828
- 価格
- 5390 JPY
- カテゴリ
- 本/アート・建築・デザイン/芸術一般/芸術理論・美学
近代書の二大潮流である「革新派」と「伝統派」。 注目を浴び手厚い研究がされる「革新派」の一方で、等閑視されつづける「伝統派」。 このいびつな構造の背景には、近代以降の日本で評価されてきた「書の美」の偏りがある──。 本書では、伝統と革新という、書の持つ両端の芸術性を同時に描き出し、近現代の日本書道史をより広い視野から俯瞰するとともに、見過ごされてきた「伝統派」の実像に迫り、「書の美」の新しい地盤を開拓する。 【目次】 序 論 [第一章]「革新派」による書の制作理念 第一節 「革新派」登場に至るまで 第二節 「革新派」の発言にみるそれぞれの制作思想 第三節 井島勉の書道観とその問題点 第四節 久松真一の禅芸術思想 [第二章]「伝統派」による書の制作理念 第一節 「伝統派」の思想の整理 第二節 書道史上における「伝統派」の位置づけ 第三節 「伝統派」の背景にある思想 第四節 西脇呉石の芸術書観 [第三章]書の評価 第一節 書の評価と分類 第二節 書を評価する語としての「韻」と「個性」 第三節 実際の作品評価 結 論
林 淳(はやし じゅん) 1979年 岐阜県瑞浪市生まれ 2003年 京都大学文学部西南アジア史学専修卒業 2022年 広島大学大学院総合科学研究科博士課程後期修了 博士(学術)。専門は近代を中心とする書の芸術学。 国立民族学博物館及び京都国立博物館事務官、続いて勝山城博物館及びあわら市郷土歴史資料館学芸員を経て、2023年より公益財団法人京都文化財団に奉職。 著書に『近世近代の著名書家による石碑集成』『天爵大神福井をゆく』(以上、勝山城博物館)など。京都芸術大学非常勤講師
レビュー
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本当にすごい本
参照した資料がものすごく幅広いです。でもその関係が丁寧に説明されていて、難しいけど読みやすいです。芸術賞も受賞されたすごい本と紹介されましたがその通り。この分野では近年最高の成果なのではと思いました。
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貴重な参考文献
参考文献として活用させていただいております。 エビデンスに基づいた内容で大変重用しております。
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あつい
深い
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初めて読んだ専門書
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素晴らしい。
ご研究の深い所までは分からないですけれど、日々の制作に新しい自信を持たせてくれました。先生には素晴らしい本をありがとうとお伝えしたいです。あとがきを読んだ時確かに私も大学書道科にいた昔、このような授業はなかったと思います。当時聞いても分からなかったでしょうけれど、もし聞けていたならもう少し早く制作に自信が持てたかもしれませんね。書をなさる全ての方へお勧めいたします。もっともっと広まりますように。