日本の文学賞

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桜病院周辺

高見順賞

桜病院周辺

岬多可子

病院の周辺という場所から、身体、記憶、痛み、風景が結びつく詩集です。三角みづ紀の切実で感覚的な言葉が、日常と生死の境目にある気配をすくい上げます。

現代詩身体感覚生と死

作品情報

病院の周辺にある風景から、生きる身体の痛みと光が立ち上がります。

思潮社から刊行された詩集です。病院をめぐる空間と身体の感覚を重ね、現代詩としての緊張と親密さをあわせ持ちます。

レビュー要約

  • 感覚の鋭さと、痛みを含む言葉の強度が評価されています。抽象的な詩句の中にも、身体に触れるような実感が残る作品です。

書籍情報

出版社
書肆山田
発売日
2006-10-01
ページ数
103ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784879956798
ISBN-10
4879956791
価格
2750 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

Amazon.co.jp: 桜病院周辺 : 岬 多可子: 本

レビュー

  • 桜の季節に桜色(?)のこの本を、小さな声で

    日本語の現代詩の世界はほとんど知らないのですが、本年度の「高見順賞」作品だそうです。読んでみました。ていねいに書かれた、いい詩集だと思いました。ごくふつうの生活の中の、あやうい情感の浮き沈みが、小さく、いくえにもおりたたまれた声で、つぶやかれてゆきます。「ちいさいひと」と呼ばれる子供(娘さんでしょうか?)との関係が(というより関係の中で見いだされる自分への距離を置いた視線が)とりわけ胸に残ります。1編だけ引用させてください。「未明 突然起きあがって/こどもが「おみず!」と叫ぶ。/巣のような暗がりのなか/コップを持たせてやると/だいじにだいじに飲む。闇のなかに信頼のてのひらはある――。/こどもはいつも「わたしたち」と歌う。/遠く 砂丘のほうで/小さな水のひかりは燃えている。」短いけれど、まぎれもない傑作です。こうして十年単位で少しずつ詩集を制作してゆくって、なんだかいいなあ。それは絵を描く人も、植木や花を作る人も、みんなやってることなのかもしれませんけれども。

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