日本の文学賞

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チェーホフの山

毎日出版文化賞

チェーホフの山

工藤正広

「チェーホフの山」は、サハリンを舞台に、チェーホフの足跡と土地に残る記憶をたどりながら、人が歴史の中で生きる姿を静かに描き出す作品。ロシア文学への深い眼差しと、旅の感覚をあわせ持つ物語として読める。

サハリンチェーホフロシア文学記憶歴史

作品情報

チェーホフが見たサハリンの風景を、現代の語りで新たに照らし直す。

未知谷から2020年11月に刊行された単行本。サハリンとチェーホフを結びながら、流刑地としての記憶と、その土地で生きる人々の姿を重ねていく。ロシア文学研究者としての視線と、詩人としての感受性が重なった一冊。

書籍情報

出版社
未知谷
発売日
2020-11-27
ページ数
288ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784896426267
ISBN-10
4896426266
価格
2750 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

人はなぜか生き急ぐ だが死はいつも 生の中で成長することを 思い起こすべきだろう 生きることを大切に それぞれの魂の時間の中で 人間らしく生きること 極東の最果てサハリン島は 太平洋への要衝地でもある ロシアは一八五九年以来 徒刑囚を送り植民を続けた 流刑者の労働と死によって 育まれる植民地サハリンを 一八九〇年チェーホフが訪れた 作家は八千余の囚人に面談調査 人間として生きる囚人たちを知った 一九九X年ユジノ・サハリンスク チェーホフ山を主峰とする南端の丘 アニワ湾を望むサナトリウムを ガスパジン・セッソンが訪れる―― 先住民、囚人、移住農民、孤児 それぞれの末裔たちを介し 人がその魂で生きる姿を描く物語

くどう まさひろ 1943年青森県黒石生まれ。北海道大学露文科卒。東京外国語大学大学院スラブ系言語修士課程修了。現在北海道大学名誉教授。ロシア文学者・詩人。 著書に『パステルナークの詩の庭で』『パステルナーク 詩人の夏』『ドクトル・ジバゴ論攷』『ロシア/詩的言語の未来を読む』『新サハリン紀行』『TSUGARU』『ロシアの恋』『片歌紀行』『永遠と軛 ボリース・パステルナーク評伝詩集』『アリョーシャ年代記 春の夕べ』『いのちの谷間 アリョーシャ年代記2』『雲のかたみに アリョーシャ年代記3』『郷愁 みちのくの西行』『西行抄 恣撰評釈72首』等、訳書にパステルナーク抒情詩集全7冊、7冊40年にわたる訳業を1冊にまとめた『パステルナーク全抒情詩集』、『ユリウシュ・スウォヴァツキ詩抄』、フレーブニコフ『シャーマンとヴィーナス』、アフマートワ『夕べ』(短歌訳)、チェーホフ『中二階のある家』、ピリニャーク『機械と狼』(川端香男里との共訳)、ロープシン『蒼ざめた馬 漆黒の馬』、パステルナーク『リュヴェルスの少女時代』『物語』『ドクトル・ジヴァゴ』など多数。

レビュー

  • 驚異の書

    日本の近代文体と19~20世紀の世界史と21世紀のロシア連邦が、チェーホフを軸に集結、濃縮されて再び拡散していく。世界は美しい。

  • ドクトル・ジバゴ翻訳の筆者の、先人の生き様の追体験を通し、私達はどう生きるべきか

    主人公セソンは筆者自身か。ロシア、モスクワ郊外の駅〜チェーホフが渡ったというサハリンの風景とその荒涼たる世界の中の光。先人たちの苦悩の歴史とそれを追体験するサナトリウムでの語り部たち 人はどこから来て、何処へ向かうか。そんな中で私達は何に気づくか。

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