日本の文学賞

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金石範

きん せきはん

Kim Sok-pom (Kin Sekihan)

別名: 김석범 / 金錫範 / 慎洋根 / キム・ソクポム
ペンネーム: 金石範作家名・表記として用いる名義, 金錫範朝鮮語表記の別形として使用されることがある

プロフィール

性別
男性
生誕
1925-10-02 (大阪市猪飼野)
国籍
朝鮮籍
言語
日本語, 朝鮮語
居住地歴
大阪(猪飼野) → 済州島(幼少期) → ソウル(短期間在住) → 東京(在住・創作活動)

経歴

職業
作家, 翻訳者, 記者
活動期間
1957年〜
所属
朝鮮新報(記者), 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連) — 1967年に離脱

学歴

関西大学専門部
専門部 経済学科 / 経済学科
国: 日本
関西大学専門部在学後、京都大学文学部へ進学
京都大学文学部
文学部 / 美学
国: 日本
美学科卒業

受賞歴

第11回 大佛次郎賞
1984
対象作品: 火山島(初期刊行)
主催: 大佛次郎賞選考委員会
結果: 受賞
第39回 毎日芸術賞
1998
対象作品: 火山島(全7巻刊行)
主催: 毎日新聞社
結果: 受賞
済州4・3平和賞
2015
対象作品: 火山島および四・三事件を題材にした作品群
主催: 済州4・3平和賞実行委員会
結果: 受賞

受賞・候補エディション

大佛次郎賞 1回登壇
  1. 受賞作: 火山島

    解放後の済州島を舞台に、若い革命群像の焦燥と島を覆う政治的緊張を大きな構図で描く長編小説。個人の運命と歴史の暴力が、火山島の風景のなかで交錯する。

    『火山島』は、長編小説として人の記憶と時代の手触りを静かに浮かび上がらせる。

    390ページ
    記憶家族時代自己

作品

代表作

鴉の死

1967年 小説(短編を含む)

監獄や社会的抑圧を背景に、在日朝鮮人の苦悩と人間の葛藤を描いた作品。複数回再刊され、著者を代表する作品となった。

在日朝鮮人のアイデンティティ差別と抑圧記憶

万徳幽霊奇譚

1970年 短編/小説

幽霊や怪談の要素を用いながらも、社会や歴史の影響を反映した物語。1970年刊で、作家としての地位確立に寄与した作品。

幽霊・超自然歴史と個人の関係社会的抑圧

火山島

1983年 連作長編小説

済州島四・三事件をモチーフに、1976年頃から1997年まで発表された長大な連作小説。風土性と政治、記憶の継承を主題とし、日本国内外で大きな反響を呼んだ。

済州島四・三事件民族と記憶土地と暴力
翻訳
  • ハングル訳(全巻、2015年、訳: 金煥基・金鶴童)

ことばの呪縛 -「在日朝鮮人文学」と日本語

1971年 評論

在日朝鮮人文学と言語の関係を論じた評論的著作。言語とアイデンティティ、表現と政治の関連を問い直す論考が含まれる。

言語とアイデンティティ文学と政治

全著作

  • 鴉の死
  • 万徳幽霊奇譚
  • ことばの呪縛 -「在日朝鮮人文学」と日本語
  • 詐欺師
  • 1945年夏
  • 口あるものは語れ
  • 民族・ことば・文学
  • 遺された記憶
  • マンドギ物語
  • 往生異聞
  • 祭司なき祭り
  • 「在日」の思想
  • 幽冥の肖像
  • 火山島(全7巻)
  • 金縛りの歳月
  • 故国行
  • 転向と親日派
  • 夢、草深し
  • 地の影
  • 海の底から、地の底から
  • 満月
  • 虚日
  • 国境を越えるもの「在日」の文学と政治
  • 金石範作品集(全2巻)
  • 〈在日〉文学全集 金石範
  • 地底の太陽
  • 死者は地上に
  • 過去からの行進
  • 海の底から(岩波書店)
  • 満月の下の赤い海
  • 金石範評論集(全2巻)

作家による翻訳

  • 金寿福『ある女教師の手記』朝鮮青年社(1963年)
  • 玄基榮『順伊(スニ)おばさん』新幹社(2001年、新版2012年)

作品の翻訳

  • 火山島 — ハングル訳(全巻、2015年、訳: 金煥基・金鶴童)

作風・主題

文体
政治性と歴史性を織り込んだリアリズム的な叙述記憶の層を重ねる長篇連作の構成論考や評論における明晰な理論的視座
頻出モチーフ
済州島四・三事件亡霊・幽霊海と島記憶と亡失

評価・遺産

在日朝鮮文学を代表する作家の一人であり、特に済州島四・三事件を中心に据えた長編『火山島』などを通して、戦後の記憶・民族・境界問題を文学的に問い続けてきた。国内外での受賞歴や研究対象としての注目も高い。

大衆文化への影響

  • 2015年の済州4・3平和賞受賞に伴う報道と議論が話題になった
  • 在日文学研究の主要対象として学術的関心を集めている

豆知識

  • 本名は慎洋根(シン・ヤングン)。
  • 済州島出身の両親のもと大阪猪飼野で生まれる。
  • 在日朝鮮人として朝鮮籍を維持している。
  • 『火山島』で大佛次郎賞(1984年)、毎日芸術賞(1998年)、済州4・3平和賞(2015年)などを受賞している。
  • 2015年の受賞後の発言を巡り韓国入国が却下された報道がある。
  • 1950年代から日本語での創作を中心に活動し、1967年頃に在日朝鮮人総連合会との関係を離れた。