芸術選奨文部科学大臣賞 げいじゅつせんしょう もんぶかがくだいじんしょう
第19回(1969年)
受賞者
13名死者への思いと記憶の回復を主題に、抑制された文章で精神の深みに向かう小説。近代文学の系譜を受け継ぐ静かな緊張がある。
招魂の賦は、中谷孝雄の表現が受賞時の評価と結びついた作品である。
小山祐士の戯曲を集成した全集で、近代日本の演劇が抱えた社会性と人間描写を一望させる。劇作家としての幅と継続的な達成が評価された。
小山祐士戯曲全集は、小山祐士の表現が受賞時の評価と結びついた作品である。
酒をめぐる感興と人生の陰影を俳句的な凝縮で表す句集。石田波郷の晩年に近い感覚が、日常の小さな景に強い余韻を与える。
酒中歌は、石田波郷の表現が受賞時の評価と結びついた作品である。
グリム兄弟の生涯と童話集成立の背景をたどる評伝。ドイツ文学研究者としての知見により、民話、言語、近代文化の接点を読み解く。
グリム兄弟は、高橋健二の表現が受賞時の評価と結びついた作品である。
南島の共同体を舞台に、人間の欲望、神話、近代化の衝突を描く映画。濃密な映像と土俗的な世界観が、今村昌平の作家的な執念を示す。
神々の深き欲望は、今村昌平の表現が受賞時の評価と結びついた作品である。
伊藤京子による「團伊玖磨歌曲演奏会」は、戦後日本歌曲の表現を舞台で深めた声楽公演である。團伊玖磨作品に向き合う歌唱の密度と、オペラ歌手として培った言葉の扱いが評価された。
團伊玖磨の歌曲を、声と言葉の劇として聴かせた受賞対象。
庄司裕の「祭礼」は、群舞と身体の造形によって祝祭の熱気を舞台化したモダンダンス作品である。民俗的なリズムと現代舞踊の構成感を結び、舞踊家としての創作力を示した。
祭りの気配を身体の運動として立ち上げた舞踊作品。
岩宮武二の「宮廷の庭」は、京都・奈良の古典的空間と庭の造形を写真によって捉えた作品である。伝統建築と庭園の静けさを、構図と光の感覚で現代的な写真表現へ移した。
古都の庭を、静謐な写真表現として見せた代表的な仕事。
五代目荻江露友の「喜寿荻江露友の会」は、荻江節の古典性と演奏家としての到達を示す記念公演である。座敷唄の繊細な呼吸を保ちながら、長年の芸の蓄積を舞台に結晶させた。
荻江節の伝統を、節目の舞台で凝縮して示した公演。
明治百年をめぐる歴史意識を映像で問い直したテレビ作品。国家的記念の明るさだけでなく、近代化の矛盾や記憶の重層性を見つめる。
明治百年は、吉田直哉の表現が受賞時の評価と結びついた作品である。
作曲家としての歩みを総括するリサイタルで、戦後歌謡の旋律美と大衆性を舞台上に示した。個々の楽曲を超えて、作曲活動の蓄積が評価対象となった。
作曲生活二十周年リサイタルは、吉田正の表現が受賞時の評価と結びついた作品である。
秋瑾の生涯を扱い、革命、女性の自立、死への覚悟を描く評伝的小説。中国近代史への関心と、武田泰淳の思想的な緊張が結びつく。
秋風秋雨人を愁殺すは、武田泰淳の表現が受賞時の評価と結びついた作品である。