幻影城新人賞 げんえいじょうしんじんしょう
第2回(1977年)
受賞者
7名『殺人・弥三郎節』は、加藤公彦が『幻影城』に発表した短編推理小説で、民謡や土地の記憶を思わせる題名の響きが事件の不穏さを際立たせる。単行本化は確認できず、雑誌掲載作として読まれてきた作品である。
民謡の響きと殺人事件の気配が交差する、幻影城新人賞期の短編推理。
『拒まれた死』は、辻蟻郎が1977年に『幻影城』へ発表した短編推理小説で、死をめぐる拒絶や違和感を題名に掲げた作品である。単行本化は確認できず、雑誌掲載作として受賞歴に残る。
死を受け入れない感情が、推理小説の緊張を押し広げる。
『炎の結晶』は、霜月信二郎による幻影城新人賞関連の短編推理作品。題名が示す熱と硬質さを手掛かりに、事件の像が凝縮されていくような印象を持つ。
炎のイメージを核にした、硬質な短編推理。
『一流保険』は、竹谷正が『幻影城』に発表した短編推理作品で、受賞対象名には掲載号を示す補記が付く。保険という制度的な題材を犯罪や心理の読みへ結びつける作品として位置づけられる。
保険という日常的な制度が、推理の仕掛けへ変わる。
『編集者の不安-赤い家の秘密をめぐって』は、浅田稔による評論・論考系の作品で、編集者の視点から『赤い家の秘密』をめぐる不安や読みの問題を扱う。創作短編ではなく、ミステリ読解に近い対象として受賞歴に残る。
編集者の視点から、古典ミステリをめぐる不安の形を探る。
『都筑道夫の生活と推理』は、栗本薫が都筑道夫の作家像と推理小説観を論じた評論作品。生活者としての姿と創作者としての方法を重ね、ミステリ作家を読むための視点を提示する。
都筑道夫の生活感覚と推理の方法を、若い批評の目で読む。
『透明人間の定理-リラダンについて』は、友成純一がヴィリエ・ド・リラダンを手掛かりに幻想文学と不可視性の問題を論じた評論作品。推理・幻想小説の境界を考える幻影城らしい論考である。
リラダンをめぐる読解から、幻想と不可視の論理を探る。