川端康成文学賞 かわばたやすなりぶんがくしょう
越後の寺泊を訪れた語り手が、雪の町と人びとの姿を見つめる短篇である。良寛への関心を背景に、旅先で出会う土地の気配と人間の孤独を、水上勉らしい風土感で描く。
雪の寺泊で、旅の目が土地の孤独と人の営みをすくい取る。
老いた落語家を中心に、落語『立切れ』の情趣を下敷きにしながら、男女の関係、老い、死、芸の終わりを乾いた筆致で描く短篇である。情話を現代的な冷たさへ反転させる力がある。
落語の情話を踏まえながら、老いと芸の終わりを冷ややかに描く。