紫式部文学賞 むらさきしきぶんがくしょう
津村記久子の短編集。表題作では、死後にブラジルへ向かう浮遊霊という奇妙な設定を通して、移動、労働、孤独、日常の距離感がユーモアと寂しさを交えて描かれる。現実の手触りを保ちながら、少しずつずれた世界を見せる作品集。
日常から少しだけ浮いた視点が、働くことと生きることの輪郭を照らす。