日本の文学賞

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小説すばる新人賞 しょうせつすばるしんじんしょう

第38回(2025年)

小説新人賞エンターテインメント小説

受賞者

1名
平石さなぎ ひらいし さなぎ 受賞

第38回小説すばる新人賞受賞作。小学四年生の吉沢癒知は、宗教団体「荻堂創流会」の近畿支部で「降り子(=創父の生まれ変わり)」として信徒から崇拝されていた。幹部の母からは、神聖な身体を持つ者として食事や他者との触れ合いを厳しく制限されていたが、自分に寄せられる信徒の信仰心や日々の「儀式」に抵抗をおぼえはじめていた。そんな癒知の前に現れたのは、家庭の事情で何度も転校を繰り返している渡来クミ。ある日、学校のトイレで遭遇したことをきっかけに、ふたりは距離を縮めていく。母親同士も親交を深めるようになり、やがて二人を取り巻く状況は思わぬ方向へと展開していく。新興宗教の閉鎖的な世界で育った少女と、転校を繰り返し居場所を探し続ける少女が紡ぐ、シスターフッドの物語。

「しあわせ」がずっと同じ形で続くことはないし、逆に「しあわせ」がなくなったとしても、完全に消えてしまうものではなく、きっと形を変えてその人の心のどこかに残るものなんじゃないか。

256ページ
宗教二世シスターフッド少女の友情新興宗教ヤングケアラー子どもの自由関西弁
1997年、京都府生まれ / 京都府

大阪府在住。『ギアをあげて、風を鳴らして』(応募時題名「ギアをあげた日」)で第38回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。