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イタリア・ユダヤ人の風景

読売文学賞

イタリア・ユダヤ人の風景

河島英昭

イタリア社会の深部に流れるユダヤ人の歴史と文化をたどる評論的紀行。都市と記憶、迫害と共生の痕跡を歩きながら、文学者の目でヨーロッパ史の陰影を描き出します。

イタリアユダヤ人歴史紀行

作品情報

イタリア・ユダヤ人の風景は、河島英昭の作品世界を端的に伝える一作です。

イタリア社会の深部に流れるユダヤ人の歴史と文化をたどる評論的紀行。都市と記憶、迫害と共生の痕跡を歩きながら、文学者の目でヨーロッパ史の陰影を描き出します。

書籍情報

出版社
岩波書店
発売日
2004-12-10
ページ数
373ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784000221450
ISBN-10
4000221450
価格
1925 JPY
カテゴリ
本/歴史・地理/世界史/ヨーロッパ史/イタリア史

ユダヤ人の足跡を追うイタリア四都市への旅

レビュー

  • イタリアの歴史におけるユダヤ人の存在

    知らない、でも知らなければならない世界を丁寧に追い求め、それらを詳細に記してありました。イタリアのトリエステに滞在する際にインターネットでこの本の存在を知り、購入したのですが、読んで良かったと本当に思える一冊です

  • 読み応え抜群

    イタリアのユダヤ人といえば、映画「ライフ・イズ・ビューティフル」や「二人のトスカーナ」を思い出すが、筆者もそれについてふれているのが映画ファンの自分にとっては嬉しい(あの「戦場のピアニスト」に対しても言及している)。筆者の碩学振り、それを文中に縦横無尽に駆使する引き出しの豊富さに加えて、筆者の毅然とした品格が文章に漲っている事で生み出される独特の緊張感と迫真性。そして街角の風景を鮮やかに喚起させられる詩操の程も伺える。多くのユダヤ人作家、あるいはレジスタンスの闘士達の肖像からホロコーストの受難まで、歴史紀行と文学紀行を兼ね備えた大部な内容に見合うだけの力作と言っても過言ではないだろう。しかし情けない事に、紹介される著名人が自分のような浅学な人間にとっては初めて知る人達ばかりなので、かなりの敷居の高さを感じてしまうのが悔しい。

  • 日本と隣国の関係を考えながら読んだ

    20世紀前半、イタリアにふきあれたファシズムの嵐、そしてユダヤ人迫害。その歴史をイタリアの都市の地形を克明に追いながらたどった力作。 2001年9月ニューヨークでの同時多発テロの背後に「ユダヤ人国家イスラエルの問題が蟠っていることはあきらかであろう。」と著者があとがきに書くように、民族浄化、民族殲滅の問題は決して現代の日本に生きる私たちにとっても他人事ではない。 都市の街路に、建物の壁に、中世から現代にかけてのイタリアにおけるユダヤ人の歴史を読み解いていく著者の執念ともいうべき力業。それはどこからくるのか。ひとつの民族がもうひとつの民族を殺しつくすという不正義に対する 著者河島氏の激しい怒りからきていると思われてならない。その怒りは真摯な研究態度をくずさない文面には決してあからさまにはされていないが、1943年10月ローマのゲットーから連行され貨車につめこまれ二度とかえらなかったた数百人にのぼる(そしてその後その数は増え続けるのだか)ユダヤ人のなかの、著者と同年齢だった10才のこどもたちについて言及するとき、その不条理に対する思いは紙面からあわだってあふれてくる。 ローマ、ヴェネツィア、トリエステ、フェッラーラ、最近は日本人が訪れることも多くなった各都市にきざまれた怒りと悲しみを、モラービア、ギンズブルグらをはじめとする20世紀のイタリア文学者への博識な言及をふくめて、立体的に描きだした名著。民族の問題を考えるときにぜひ読んでほしい。硬派の旅行ガイド、またイタリア現代文学史の参考書としても秀逸。

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