日本の文学賞

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神の守り人<来訪編>

小学館児童出版文化賞

神の守り人<来訪編>

上橋菜穂子

守り人シリーズの一作で、ロタ王国を舞台に、人に災いをもたらすと恐れられる少女アスラと、彼女を守ろうとするバルサたちの旅を描く。来訪編と帰還編を通じて、信仰、政治、民族の記憶が交錯する。

ファンタジー守り人シリーズ信仰異文化

作品情報

神の子か災いの子か。少女を守る旅が、国の古い約束を揺り動かす。

『神の守り人』は、来訪編・帰還編の二冊で構成される長編ファンタジー。受賞作は二冊一体の作品だが、bookIdentifiers には開始巻である来訪編の紙書籍 ISBN を記載し、帰還編の ISBN は referenceUrls で補足した。

レビュー要約

  • 世界設定の厚みと、土地ごとの文化・信仰の描き分けが強く支持される。冒険譚でありながら、政治と民の記憶まで含む奥行きがある。

書籍情報

出版社
偕成社
発売日
2003-01-22
ページ数
290ページ
言語
日本語
サイズ
2.4 x 16 x 22 cm
ISBN-13
9784035402800
ISBN-10
403540280X
価格
1650 JPY
カテゴリ
本/絵本・児童書/読み物/SF・ファンタジー

女用心棒バルサはタンダと訪れた薬草市で、人買いに連れられたタルの兄妹に出会う。妹のアスラを助け、バルサの逃亡が始まった。

上橋菜穂子 立教大学博士課程単位取得(文学博士)。専攻は文化人類学。 オーストラリアの先住民であるアボリジニを研究。女子栄養大学助手を経て、現在川村学園女子大学特任教授。『精霊の守り人』(野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞、アメリカ図書館協会バチェルダー賞)『闇の守り人』(日本児童文学者協会賞)『夢の守り人』(前2作とあわせ路傍の石文学賞)『神の守り人<来訪編><帰還編>』(小学館児童出版文化賞)など12巻からなる代表作「守り人」シリーズは、内外から高い評価を得ている。そのほかの著書に『精霊の木』『月の森に、カミよ眠れ』(日本児童文学者協会新人賞)『狐笛のかなた』(野間児童文芸賞)『獣の奏者』『鹿の王』(本屋大賞、日本医療小説大賞)などがある。2002年に巌谷小波文芸賞、2014年に国際アンデルセン賞作家賞を受賞。 二木真希子 愛知教育大学美術課程を卒業。 スタジオジブリでアニメーション原画を担当したのち、フリーとなる。著書に『世界の真ん中の木』、絵本に『はじめてのたび』『はじめてのともだち』など、挿絵に『精霊の守り人』『闇の守り人』『夢の守り人』『神の守り人』『天と地の守り人』『流れ行く者』などがある。

レビュー

  • ありがとうございました

    大きいですが、ハードカバーで揃えたかったので購入できて良かったです。

  • 西洋の一神教思想と、東洋の陰陽思想。

    「精霊の守り人」から読み始め、 どっぷりと「守り人」の世界にひたっています。 久しぶりに大きな物語を読めて、とても幸せです。 この「神の守り人」の巻まで読み終えて感じたのは 「指輪物語」との相違。 どちらも、児童文学として、ぜひ10代の子どもたちに読んでほしい本ですが 「指輪物語」の「サウロン」が圧倒的な「悪」として最後まで描かれているのに対して 「守り人」シリーズは「ナユグ(あるいはノユーク。ナユーグル)」という名の この世とつかずはなれずある「もうひとつの世」の存在。 そして、悪は悪としてだけ存在するのではないという 東洋の陰陽思想が、読んでいてとっても心地よく感じました。 「怒りに身をまかすのは、たまらなく心地よかった」 「富を持つ者により多くの権力を与えることに、どんな平等があろうか」 「人に槍を向けた時、おまえは、自分の魂にも槍をむけているのだ」 「他人をあっさりみすてるやつは、自分も他人からあっさりみすてられるからね」 「よい人をすくってくれて、悪人を罰してくれる神には、まだ一度もであったことがない」 「おのれの心の底にある、醜い闇を知るのはおぞましい」 バルサには平穏な生活を送ってほしいけれども どうも、、、そういった道は選ばずに困難な道ばかりを選んでいます。 しかし、それもまた、彼女の魅力でもあります。

  • 人物の描き方が素敵。

    神(悪神)を宿すことができるがゆえに、ひっそりと暮らす人々。その中で、宿すようになる少女と、それを守っていく用心棒。 いつものことながら、バルサの性格が魅力的。自分的にはタンダの包み込む暖かさが好き。筆者が本当に楽しんで書いているのがわかる。 このシリーズが日本発であることを誇りに思う本。

  • この世の不安と生きるための力を考えさせる作品

    守人シリーズ初の2冊長編大作だと思います。 国の建国史には必ず作られた部分があります。また、全ての人がハッピーエンドでいられるわけではなく、文化が生まれれば貧富や上下という構造は生まれていくものです。そしてそれは宗教で彩られ、説得力をもち、継続されていきます。 作者は根源的なこのテーマをベースに、守人の世界で大きなドラマを作り上げました。 歴史の中で自分たちが悪であった過去を認め、それを再発させないように見守り続けることを運命として生まれた一族。この発想自体が歴史として次の不安を生んでしまうことは当たり前のようにも思えます。 この一種不健康な発想をベースに次の力を得ていく世代、そしてそれを利用していこうと考える周囲の人々の動きは、バルサとタンダの関与をきっかけに、変化していきます。 バルサの正義、タンダの愛情、人としてどう生きるべきかを幼いときから突き詰められる兄弟、あまりにもテーマは大きく、痛みさえ感じるものでした。 バルサという素晴らしいキャラクターを通して、この現代という不安定な時代を思わせるストーリーを描ききった作者に賞賛をおくりたいと思います。

  • 神か悪魔か

    古の神“タルハマヤ”が宿った少女アスラ。 アスラが望めば、一瞬のうちにまわりの人々を風のように切り裂き殺す力を持つタルハマヤ。 処刑場での見物人たちの大量虐殺からこの物語は始まります。 あまりにも危険な力を持つアスラは、国の平安を保つために狩人スファルたちに追われます。 そんなアスラの前に女用心棒バルサが現れ、行動を共にするようになります。 母の言葉をひたすら信じ、タルハマヤが神だと信じるアスラ。 アスラの力を見て、タルハマヤが神だとは思えないバルサ。 悪魔に囚われし少女をバルサは救えるのか。 2巻組ですがあっという間に読めます。 とてもおもしろかったです。

  • 真の正義とは?

    中年の女用心棒バルサが、活躍するのがうれしいです。 女であり、しかも中年なのに強くてカッコイイのです。 今回は、おそろしき神を宿した少女を守っています。 もちろん、バルサの味方になって読みすすめていますが、追っ手であるスファルやシハナの考えにも一理ありという感じで、考えさせられます。 帰還編はこれから読むのですが、わくわくします。

  • 面白い

    大人でも読める面白い本だと思いました。でも、賛否両論みたいです。私は好きでした。

  • 帰還編にも期待

    神の守り人のアスラは世にも恐ろしい”神を招く者”。用心棒のバルサが出くわした最も守るのが困難な相手のようです。バルサの人間性がより深く描かれ、物語はロタ王国の創世まで広がり、新しい登場人物も魅力的なキャラクターでますます面白くなってきたと思います。

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