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淀どの日記 新装版 (角川文庫 い 5-7)

野間文芸賞

淀どの日記 新装版 (角川文庫 い 5-7)

井上靖

井上靖の『淀どの日記』は、浅井三姉妹の長女として生まれ、豊臣秀吉の側室となった茶々の生涯を描く歴史小説である。悪女像に収まりきらない一人の女性として、戦国の運命に翻弄される姿を追う。

歴史小説茶々豊臣家戦国時代女性の生涯

作品情報

戦国の権力のただ中で、茶々の孤独な声が日記のように響く。

戦国の運命に翻弄された女性の姿を描く井上靖の歴史小説。角川文庫新装版と電子版が確認できる。

レビュー要約

  • 茶々を単純な悪女ではなく、家と時代に追い詰められる人物として読む視点が支持される。

書籍情報

出版社
角川書店
発売日
2007-11-01
ページ数
494ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784041216378
ISBN-10
4041216370
価格
93 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

第14回(1961年) 野間文芸賞受賞

レビュー

  • 決して他人事ではない栄枯盛衰・愛別離苦の哀感に胸が迫る

    茶々を中心に、お初、江姫、の姉妹、秀吉、秀頼、蒲生氏郷、京極高次といった人物が生き生きと描かれ、一気に読了した。悲劇の結末を知っているだけに茶々の感じる滅びの予感、醍醐の花見での長続きしない幸福の予感、秀頼の幸福を何としても願う秀吉や茶々の苦しいまでの想いは、読んでいて切実に胸に迫る。

  • 秀吉が思慕したお市の方

    天下一の美女と言われた織田信長の妹、お市の方。浅井長政との間に産んだ3人の姫、特に長女のちゃちゃ(淀どの)を中心に描かれた、波乱に満ちた戦国絵巻。中島敦風のきびきびとしたテンポの良い文体が戦国時代を身近に感じさせ、戦闘場面・落城場面に緊張感をもたらしている。戦国末期を生き残る為に「身内すら殺す」秩序無き殺伐とした時代、父浅井長政を殺した仇敵豊臣秀吉の愛妾になり、嫡子秀頼を授かるまでのちゃちゃの秀吉に対する女としての感情(愛憎)の微妙な変化が行きつ戻りつしながら、秀吉の秀頼に対する愛情に引き連られ最後には秀吉への確信的な愛情へと変わる過程が胸を打つ。時代の転換期を、まじかに眺めてさせてくれる小説です。

  • 孤独

    うーん、孤立無援で気の毒ではあるのだけれど、お市の方や北政所の方が、やはり人間のスケールが大きかったのではないのかなと思いました。

  • 太閤記を詳しく見直す

    吉川英治の太閤記と比較しながら熟読しました。少し違った切り口での淀殿の心境が分かり歴史の一面を知ることができました。満足しています。

  • スラスラ読めました。

    真田丸を見てから淀君の生涯に興味を持って、読んでみました。誇り高く、凛々しい女性だと思いました。しかしその生涯は悲劇的としか言いようがありません。

  • 淀どの日記

    大変面白かった。浅井家の長女として生まれ、悲運を遂げた母の姿を見て成長し、家族を不幸に導いた張本人・秀吉の側室となった茶々=「淀どの」の壮絶な生涯。戦国の運命に翻弄された女性の姿を描きだす、井上靖の傑作歴史小説。 一般文学通算317作品目の読書完。通算452冊目の作品。1990/10/22

  • 自らの感性を信じて逞しく生き抜いた女性

    大きな歴史の荒波に翻弄されながらも、自らの感性を信じて逞しく生き抜いた女性の生き方に、当時の時代を考えると驚きます。どうしても、この時代の女性というと、政治や権力の道具としてしか生きられず、個人の意思を持てなかったのではと思ってしまいます。 茶々自身、浅井長政の長女に生まれながら小谷城の落城、母親お市の柴田勝家との結婚により北国に移ると北ノ庄の落城と、再三の不幸に会いながらも、その誇りを忘れず背筋を伸ばした生き方に感動します。 仇である秀吉の側室となりながら、息子を生むことで自分の生きる道を見つけ、その息子秀頼とともに大阪城に死んで行く、余りに見事すぎる人生です。 井上靖の文章は、茶々を美しく生き生きと描いて行きます。特に、秀吉に嫁いでからの心の持ち方の変化の表現は見事で、茶々の行動をしっかりと説明しきっています。 作者の他の歴史小説とは、やや趣を異にしますが、これはこれでなかなか素晴らしい小説でした。

  • 面白い

    面白い本ですが、言葉使いがやや難しい面もあって相当気合を入れて読まないと 続かないです。

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