日本の文学賞

← 受賞作品一覧に戻る
仔羊たちの聖夜 (角川文庫 に 9-2)

鮎川哲也賞

仔羊たちの聖夜 (角川文庫 に 9-2)

西澤保彦

キャンパスで出会った三人組が、イブの夜に起きた転落死の謎を追う探偵ミステリー。

探偵ミステリーキャンパス三人組転落死

作品情報

抱腹絶倒の推理の裏で、三人の関係が少しずつ形を取っていく。

西澤保彦の代表的なシリーズ初期作で、軽妙さと切実さが同居する学園探偵ミステリー。

書籍情報

出版社
KADOKAWA
発売日
2001-08-24
ページ数
375ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784043540020
ISBN-10
4043540027
価格
1 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

タック、タカチ、ボアン先輩、キャンパス3人組の酩酊推理! 匠千暁、ボアン先輩、タカチ――キャンパス3人組が初めて顔を合わせた一年前、彼らの目の前にマンションの最上階から女性が飛び降りてきたことから、その事件は始まった。抱腹絶倒の探偵ミステリー!

レビュー

  • “イヤミス”の名に恥じない読後感

    さまざまなレビューサイトで“イヤミス”として名が挙がっており、興味を惹かれて読みましたが、素晴らしかったです。 「クリスマスイヴの自殺」という不気味で、期待感高まる設定を見事に描いており、時間を忘れて一気に読破しました。 探偵モノの連作とのことですが、シリーズを知らずとも楽しめるミステリでした。

  • 暗い

    軽いタッチとテーマの重さのギャップがこのシリーズの特徴なのだろうか?正直人間ドラマで勝負するにはこのシリーズのデフォルメされた(失礼)キャラクターたちは不釣り合いな気がする。 ミステリーとしても『彼女が死んだ夜』ほどのインパクトや説得力はなく、後味の悪さだけがより強く残ってしまった。

  • 3年連続イヴに人が飛び降りた。3つの事件の関連性とは。

    七回死んだ男という作品で著者にハマり、別の作品も読んでみたくて先日「匠千暁シリーズ」の第一弾彼女が死んだ夜を読みました。 シリーズ第一作は自分にとっては消化不良だったので次作を読むか迷ったのですが、結局第二弾を飛ばして第三弾である本作品に手を伸ばしました。結論から言うと、2作目の麦酒の家の冒険は飛ばしても問題なかったように思います。本作中でちらっと触れるのですが、ネタバレもなく物語の進行には支障ありません。匠千暁シリーズと銘打っているだけあって、主人公の匠千暁と周りの人々の精神面や人柄を作品ごとに掘り下げているのでしょう。そういう点で言えば時系列順に読んだほうがより一層楽しめるのかもしれません。 今作品でも前々作同様、「この直感は正しかったことを後に知ることとなる」とう直接的な表現が繰り返し出てきて、ちょっとくどいなぁ~といった印象があります。匠千暁の勘の良さ、観察眼の凄さを読者に印象づけたいのでしょうが、あまりにも多用されるので食傷気味。好みの問題なのでしょうけど。ストーリー自体は引き込まれるし面白かったです。第三の事件は早々にオチが分かってしまいましたが、第一の事件と第二の事件は意外性に富んでいて良かったです。

  • まぁまぁ

    悪くはないけど印象薄い内容

  • シリーズの転換点

    『彼女が死んだ夜』『麦酒の家の冒険』につぐ本格ミステリーシリーズの第三弾。前作まではこの作品からより深く描かれる『本題』のための準備段階ともとれるのではないか。そういう意味ではこの作品が、シリーズの転換点といえるだろう。探偵役もそれまでのタックからタカチに変更。キャラ(特にタカチ)の抱えている問題がしだいに明らかになっていく。仲良し4人組の人間関係にも微妙な変化が見て取れるこの作品。読むためにはやはり前2作を読んでからの方がよいだろう。そしてこの後の長編『スコッチゲーム』『依存』へと読み進めれば、このシリーズで作者が語りたいことが見えてくるはずである。 それから、この作品でも作者のミステリに対するスピリットを感じることができる点も忘れてはならない

  • 女優

    本の表紙につい目を奪われ 序盤の展開にぐいぐいっと引き込まれ 描く人間模様に心を動かされ ミステリーとしては少し肩をすかされた 感じでした 余談も余談ですが この手のタカチさんのようなキャラクターは全て栗山千明さんを頭の中で描いてしまう脳になってしまうともう難しいです

  • 「精神分析の実例集」ではなく「ミステリ」を書いて欲しい

    「タック」シリーズ中の一作。執筆順と異なり、メンバが初めて出会った頃の事件を対象にしている。 ある年のクリスマスから物語は始まるだが、ここから一年前の回想(メンバの出会いを含む)が入り、女性飛び降り事件が紹介される。メンバは偶然に落下地点にいたのだ。自殺者の持ち物と思われるプレゼントを、これも偶然手にしたボアン先輩の依頼でタックとタカチが贈り主を捜しているうちに、その5年前に同じマンションから高校生が飛び降り自殺した事が分かる。2つの相似的事件の関係は ? そして自殺の動機は ? あるいは自殺ではなく殺人なのか ? タカチが異様な執念で追求する。 ここまで来るのに200頁以上費やしている。幾ら何でも冗長過ぎる。内輪話が多いせいもあるが、タカチを人間離れした凄惨なまでの美人に描き過ぎているのである。作中の男達がタカチを見る目を淫蕩に描くが、傍若無人な捜査の免罪符をタカチに与える目的だろう。ミステリを書く事より、(今回は)タカチの心の闇を描く事に執心しているのである。そして、その闇から導き出される推理は、タカチの境遇を峻烈に反映した更なる深い闇。作者は人間心理のダーク面を強調する傾向があるが、本作は精神分析の実例集を読んでいるようで頂けない。 第三の事件は完全な付け足し。事件の背景もクリスティの作品からの頂きと言うお粗末。青春感傷小説を書くも良し、人間心理を強調した作品を書くも良しだが、肝心のミステリ作家としての本分を忘れてしまってはファンとして困る。論理のアクロバットでカタストロフィが味わえる作品を期待したい。

  • テーマは親と子供についてか

    タックシリーズ三作目。古い作品ですが、前二作よりは文章もこなれて癖が薄くなっていたので読みやすかったです。 本作はタカチメイン。同じ場所、同じ日付で飛び降り自殺が三度続き、死体の横にはクリスマスプレゼント。しかも飛び降りた人は全員端から見れば幸せの絶頂期にある人ばかり、自殺の動機になりそうなことはなく、いったいなぜ?といった不可解な連続投身自殺を巡るストーリー。 全体的に証拠に乏しく、想像のゴリ押しで突き進む推理は推理というより妄想ですが、それはいつものことなのでまあいいとして、なるほど!となる推理と無理やりすぎる推理のギャップが激しいのが気になりました。 トリックの荒さは目につくものの話運びはやはり上手いです。前二作を読んでもいまいち馴染めなかった主要メンバーに本作を読んでようやく愛着が持ててきました。☆3。次作も楽しみです。

関連する文学賞