日本の文学賞

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今昔奇怪録 (角川ホラー文庫 す 3-1)

日本ホラー小説大賞

今昔奇怪録 (角川ホラー文庫 す 3-1)

朱雀門出

町民会館で見つかった怪異の記録をきっかけに、読まれた話と同じ不可思議な出来事が現実に現れる連作怪談。古い土地の噂と現在の不安が重なる。

怪談土地の記憶民俗ホラー

作品情報

『今昔奇怪録』は、朱雀門出の持ち味が表れた受賞作である。

町民会館で見つかった怪異の記録をきっかけに、読まれた話と同じ不可思議な出来事が現実に現れる連作怪談。古い土地の噂と現在の不安が重なる。

書籍情報

出版社
角川書店
発売日
2009-10-24
ページ数
221ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784044094096
ISBN-10
4044094098
価格
760 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

町民会館の書棚で見つけた古い書物。その一編を読むと、地域の怪異の記録のようだ。何かに導かれるようにその怪録を持ち帰ると、帰りに何故か読んだ一編と同じような怪異を体験してしまう。受賞作を含む5編を収録。

1967年大阪府生まれ。北海道大学大学院博士課程修了。2009年、「今昔奇怪録」で第16回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞。現在、大学講師。

レビュー

  • 新時代の名手が誘う「怪」の世界!!

    本書は、大学講師であり 怪談専門誌『幽』を中心に活躍する著者による初の短編集。 町会館の片隅で、ふと目にした『今昔奇怪録』 どうやら、町で起きた不思議な事件を記録した本らしいが 軽い気持ちで読み始めた若夫婦の周りでは、 次第に不思議な出来事が起こりはじめる(表題作『今昔奇怪録』) 圧倒的な取組み成績で人気を博したが 熱狂的なファンによって殺された伝説の力士 彼の死をモチーフにしたアトラクションを舞台にした『釋迦狂い』 愛娘を次々に疱瘡で失った豪商。 彼の悲しみに追い討ちをかけるかのように、娘の墓が荒される。 遺体の頭だけが持ち去られ、巨大な墓石すら動かす凶行を 人々は、死者の屍肉をむさぼる疱瘡婆の仕業と噂するのだが・・(『疱瘡婆』) 実話系、時代物、サイエンス系・・・と まったくタイプは異なるものの、 巧みな構成と繊細な人間観察に裏打ちされた珠玉の5編を収めます。 どの作品も、類書にはない魅力を放ちますが、 個人的にとりわけ印象深いのは 被験者、観察者、干渉者、体験者という 何らかの実験を行っている4人の独白で描かれる『狂覚(ポンドゥス・アニマエ)』 次第に明らかになる実験の目的もさることながら、 じわじわと迫りくる恐怖の正体にとても驚き 読後しばらくの間、冷や汗が引きませんでした。 怪談の定石を踏まえつつも 独創的な設定・展開を惜しげなく披露する本短編集 怖さはあるものの、過剰な暴力や残虐さとは無縁ですので 怪談・ホラーファンに限らず 一人でも多くの方に読んでいただきたい著作です。

  • 感想

    少し残念。デビュー作品かな?脳釘怪談を先に読んだからか?脳釘怪談は面白い。この作家さんの次の作品を楽しみにしてます。

  • なかなか優れた書き手だと思います

    順番が逆ですが、先に2番目に出版された「首ざぶとん」を読み、おもしろかったのでこちらの最初の短編集も手に取ってみました。こちらにはホラー小説大賞短編賞を受賞した「今昔奇怪録」が収められています。 やはりすぐれた印象を受けるのはこの作品が一番です。田園が広がるとある小さな地方の町に住んで3年目の、転勤族らしい若い夫婦が遭遇する怪奇を描いています。町で起った怪しい出来事を江戸だか明治だか定かではないずっと昔から記してきた記録に興味を持ち、たまたま読み始めるのですが、それと同種の怪奇が主人公たちのまわりにも起こり始めます。ただ、記憶があやふやなので、それが実際に起きたことなのか、気のせいなのか本人たちにもよくわからなくなってくる。記録に書かれていた遺物を見せてもらおうとあるお寺を訪問するのですが・・・。 最初は淡々と普段の生活が描かれていきますが、いつの間にとりこまれてしまったのか、その境目がどこだったのかわからない・・・普通の日常が異界へ続いていることの怖さがじわりときます。主人公はこのままとらわれてしまうのか・・? 江戸時代を舞台にした2つめの「疱瘡婆」は、古風でおっとりした関西弁が雰囲気をかもしだす良作で、牡丹灯篭やラフカディオ・ハーンの怪談のような古典の風格があります。 3つめの「釋迦狂い」はそれに比べて現代的で、相撲取りをモチーフにしたアトラクションに囚われてしまうお話。悪夢のようなタッチは、昔読んだフレデリック・ブラウンの短編にどこか似ていると思いました。 「きも」は瀬名秀明の「パラサイト・イブ」風の作品、「狂覚」は緊迫感のある不条理劇のようで、それぞれまた作風が違いますが、どれもよくできていると思います。 古風なもの、現代的なもの、そして2作目の「首ざぶとん」のような探偵っぽいコンビを中心にした連作ホラーと、多様な作品を描ける著者です。早く次の作品が読みたいのですが(笑)早い目の出版を期待しています。

  • 内容の質にばらつきがある

    本作には5つの短編が収録されているが、前2話が古典的ホラーを踏襲したもので、後3話が前衛的ホラーだと勝手に解釈している。そして前2話の方が圧倒的に面白い。 1話、今昔怪異録は遠野物語形式の怪談を読んだ夫婦が実際に怪に遭う。タイトルだけで中身が紹介されない話が気になった。もっと長く読んでみたいと思った。 2話目、疱瘡婆は岡本綺堂辺りが書きそうな江戸時代の怪談だ。オチまでの流れが丁寧に書かれていて好感が持てる。 3、4、5話はいろいろ新しいことをやろうとしているのはわかるが面白くなかった。特に4話でおそらく作者が実際に携わった研究の内容をだらだらと書かれるのは辛かった。専門的な説明よりも分かりやすさを重視してほしい。 今昔怪異録の続編や、疱瘡婆のような古典的ホラーならまた読みたい。

  • 難解な話が多くてあまりよくわからなかった。

    特にラストのお話しはなんだったのだろう。作者はかなり頭脳明晰な方だと思う。実際、どこかの大学で教えているようだ。もしかするとかなり前衛的な話ばかりだった気がする。 これを読み解けるかで現代小説に対する造詣の深さが自分で判断できるのかもしれない。 というわけで、ぼくは理解力が足らないようでした。

  • 良かったです

    良かったです

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