日本の文学賞

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句集 龍宮

現代俳句協会賞

句集 龍宮

照井翠

東日本大震災の体験と鎮魂の思いを背景にした照井翠の句集。災厄の現場性を俳句の短い形式へ凝縮し、強い余韻を残す作品集として紹介されている。

俳句震災鎮魂

作品情報

震災の記憶を短い言葉に刻む句集。

角川書店から刊行された句集。CiNii と書店情報で ISBN とページ数を確認できる。

レビュー要約

  • 作品の構成と題材の切り取り方が評価され、受賞歴や書誌情報からも同時代の表現として注目されたことが確認できる。

書籍情報

出版社
角川学芸出版
発売日
2012-11-23
ページ数
249ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784046525888
ISBN-10
4046525886
価格
2934 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

著者は岩手県釜石市に在住の高校教師。2011年3月11日、勤務先の高校で東日本大震災に遭う。今回の句集は、この体験をもとに、鎮魂の思いをこめた一集となった。

昭和37年、岩手県花巻市生まれ。平成2年、「寒雷」入会。加藤楸邨に師事。現在「寒雷」「草笛」同人。

レビュー

  • 歌は永遠なるものに触れた唇から

    大津波が押し寄せ、岸をはるかに乗り越え、すべてを倒し、すべてをさらい、海に戻って行った。歌人はそこに立っている。 「春の海髪一本も見つからぬ」 「三・一一神はゐないかとても小さい」 「人類の代受苦の枯向日葵」 「栗の花即身仏の濡るる唇」 絶望、不条理、慟哭、無情。どの単語も届かない。歌でなければならない。神はいない。いや、とても小さい。小さくてもいてもらわなければ困る。問いかけなければならないからだ。「髪一本見つからぬ」が、虚無ではない。虚無の向う側が垣間見られる。 「亡き娘らの真夜来て遊ぶ雛まつり」 「春光の揺らぎにも君風にも君」 「外の輪は脚の無き群盆踊」 悲しい。けれども、批評家・若松英輔さんの言葉を借りれば、その人がそこにいるのが感じられるのに触れることができないから悲しい。悲しみは、死者がそこにいることのしるしなのだ。 「しら梅の泥を破りて咲きにけり」 「月虹の弧を黄泉(くわうせん)へ継ぎにけり」 「朝顔の遥かなものへ捲かんとす」 歌は限りあるものを永遠なるものへと案内する。歌は永遠なるものに触れた唇から奏でられる。 ぼくがつづり続けてきた誤読ノートの311にこの書が当たったのは、偶然ではない。

  • 手元に置き、時々開いて読みたいと思います。

    手元に置き、時々開いて読みたいと思います。一気にすべてを読めません。悲しすぎて、怖すぎて。本当にあったことなのですが。

  • 鎮魂句集

    縁在って岩手県の釜石市に7月から住んでいます。 平成25年の夏の被災地は、広大な野原となっていました。 この句集は震災当時を詠み止めた貴重な本だと思います。

  • 涙無くしては・・・。

    3.11震災の実体験を俳句にした本ですが、 さすがに空想ではない切なさやむごさ、声にならない声を感じました。 詠み手の言の葉にあたたかさが溢れています。

  • 素晴らしい

    感動しました。静かに深い感情が伝わって来ます。壮絶な状況で詠まれた俳句の数々。読んでは言葉もなく、繰り返し読みました。強さとは、優しさとは、悲しみとは?と底辺から考えさせられる素晴らしい句集です。日本国民全員に読んで欲しいと感じました。

  • 作者の慟哭

    全部鑑賞し終わったあと,私は「作者の深い後悔」を感じた。 何に対して? 生き残ってしまったことに対して。 どの句が?ではない。 あちこちに散らばる句からそう感じるのである。 慟哭。 あまりの惨状に。 いつまでたっても癒されぬ人々に。 何もできない自分に。 なのに自分が生き残ってしまったことへ。 中には何を表現しているのかわからない句もあるかと思う。 私自身,あのとき避難所で過ごした。 だからこそ,この句の意味がわかる,というものもあった。 2011,3,11以降,「被災地」と呼ばれる場所の現実を知りたい方へ。

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