作品情報
監視カメラと暗証番号に囲まれた密室が、現代の本格ミステリを開きます。
KADOKAWA 公式と版元ドットコムで単行本 ISBN・ページ数を確認しました。
レビュー要約
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密室トリックと防犯知識が噛み合う構成を評価する声が多い。理詰めの解決に快感がある一方、専門的な説明の密度を重く感じる読者もいる。
書籍情報
- 出版社
- 角川書店
- 発売日
- 2004-04-21
- ページ数
- 493ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 19.2 x 13.2 x 3.4 cm
- ISBN-13
- 9784048735292
- ISBN-10
- 4048735292
- 価格
- 13 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
著者初、密室を舞台にした、本格ミステリー小説! エレベータに暗証番号、廊下に監視カメラ、隣室に役員。厳戒なセキュリティ網を破り、社長は撲殺された。凶器は。殺害方法は。弁護士純子は、逮捕された専務の無実を信じ、防犯コンサルタント榎本の元を訪れるが-- 見えない殺人者の、底知れぬ悪意。異能の防犯探偵が挑む、究極の密室トリック!「青の炎」から4年半、著者初の本格ミステリ! 日曜の昼下がり、株式上場を目前に、出社を余儀なくされた介護会社の役員たち。エレベーターには暗証番号。廊下には監視カメラ、有人のフロア。厳重なセキュリティ網を破り、自室で社長は撲殺された。凶器は。殺害方法は。すべてが不明のまま、逮捕されたのは、続き扉の向こうで仮眠をとっていた専務・久永だった。青砥純子は、弁護を担当することになった久永の無実を信じ、密室の謎を解くべく、防犯コンサルタント榎本径の許を訪れるが―。
レビュー
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前半と後半で作品の雰囲気が大きく異なる
胡散臭い防犯コンサルタントと若き美人弁護士のコンビが、仮説と検証を繰り返しながら密室トリックに挑んでいく前半と、犯人の生い立ちから犯行に至るまでの半生が倒叙形式で描かれる後半という、大きく2つに分けられた構成の作品です。 前半は防犯コンサルタント(とその本業)の専門知識を活かした論理的な検証が繰り返され、そのあまりの緻密さに感嘆しつつも、それが何度も繰り返されるのでしつこさを感じてしまい、だんだんうんざりしてきました。 しかし後半は犯行に至るまでの犯人の感情や葛藤が仔細に描かれ、どんどん追い詰められていく様子が大変リアリティにあふれていて、ページをめくる手が止まりませんでした。 ちょっとライトな前半とかなり重めな後半とで、それぞれ雰囲気が大きく異なるところがこの作品の特徴であり面白いところだと思います。 まるで2つの作品を読んだかのような、かなり読み応えのある作品でした。
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巧妙なトリックと緊張感が織りなす密室ミステリー
本書は巧妙なトリックと独特の緊張感が読者を引き込む作品。 密室殺人というクラシカルなテーマを現代的な視点で描いている一冊。 物語は、ある日とあるビルの会議室で発生した殺人事件から始まる。 この会議室は、外部から完全に遮断された密室であり、まるで犯人が蒸発したかのような状況。 本書の魅力は、まず何といってもそのトリック。 密室殺人というありふれた設定でありながら、貴志祐介は読者の予想を上回る複雑かつ斬新な仕掛けを用意している。 犯行の手口は、物理的な制約や現代の技術を巧みに取り入れており、その発想力には驚かされる。 読者は次々に提示される手がかりに目を奪われ、結末まで目が離せない。 また、キャラクターの描写も秀逸。 主人公をはじめ、事件に関わる人物たちは皆、個性的でありながらリアリティがある。 さらに、物語全体に漂う緊張感が、読書体験を一層深いものにしている。 密室という閉鎖的な空間が持つ圧迫感や、犯人の正体が徐々に明らかになる過程で高まるサスペンスは、まさに一級品。 読み手は主人公と共に手がかりを追い、真相に迫るスリルを味わうことができる。 反面物語の伏線が多く、複雑に感じられる点もある。 トリックの巧妙さゆえに、すべてを理解するためには注意深い読解が必要である。 適当に流し読みをしてると、物語の展開に不明な点が出てきて分からなくなる。 何度前に戻って読み直したことか。 そこのあなたもご注意あれ。 特に推理小説に不慣れな読者にとっては難易度が高いと感じる。 それを差し引いても、この作品が持つ魅力と完成度は非常に高く、挑戦しがいのあるミステリーであることは間違い無い。 本書は、貴志祐介の才能が存分に発揮された名作ミステリーであり、推理小説ファンのみならず、スリリングな物語を求めるすべての読者におすすめ。 密室トリックの真髄を体験したい方にとって、必読の一冊と言える。
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説明が長い
説明が長い、くどい。
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いいねぇ。the貴志祐介。
仕掛ける側と解明側の目線で物語は進む。 ラストに近くにつれて、まさか...と思わざる得ない。 もう一度読んでみようと思う。
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【ややネタばれあり】犯罪トリックもさることながら
緻密な犯罪トリックもさることながら、終盤になって不思議な錯覚におちいります。 これはいったいどういうことや?えっ、ええ!?? 何回も序盤にもどって確認作業をしました。 貴志祐介さんさすがです...
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いいとこどり
これぞ貴志祐介といったような作品です。1日で一気に読んでしまいました。 とにかく必死に生きようとする若い人間の描写が素敵です。 青の炎もそうでしたが、罪を重ねながらも社会の隙をどうにかついてやろうというあの表現がたまりません。 それと、貴志祐介作品全般に言えますが、身近なのに詳しくは知らない世界を垣間見せてくれるので知識欲もみたされます。 ただし2冊目以降の防犯探偵シリーズは、30分推理ドラマのように小さな事件が1冊に3作入っているような軽い形式になってしまっていて本作のような骨太感はありません。
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トリックは秀逸
かなりの長編ですが一気に読めるほど引き込まれました。ただチョットトリックが複雑なところがあり文章では表現しきれてない部分があるように思いました。
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本格ミステリと青春クライムノベルが融合した傑作
前半と後半で全く物語の趣が異なる二部構成となっているが、それぞれに単独の作品として成立するほどクオリティが高く、著者のミステリ作家としての力量を示す、大変な力作である。 前半は防犯探偵と女性弁護士が密室の謎に挑む本格ミステリ。いくつもの犯人説とトリックが提示される多重解決ものとなっているが、トリックそれぞれが短編などで成立しそうなくらい秀逸。 後半に入ると犯人視点による、痛切な青春クライムノベルへと様相を変える。金の亡者たちによって人生を大きく狂わせられた青年が、人生を反転させようと殺人にまで手を染めてしまう心の動きが描かれる。決して悪人ではないだけに、どうしても感情移入してしまい、強い読後感を残す。 著者といえば「黒い家」や「天使の囀り」などホラーのイメージが強かったが、大きく印象が変わった。本作のようなミステリ作品を今後も続けて読んでいきたい。
関連する文学賞
- 日本推理作家協会賞 第58回(2005年) ・受賞