日本の文学賞

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夜市

日本ホラー小説大賞

夜市

恒川光太郎

少年時代に異界の夜市へ迷い込んだ裕司が、弟と引き換えに野球の才能を得た記憶へ向き合う表題作を中心とする幻想ホラー。日常のすぐ隣にある不思議な場所が、罪悪感と喪失を静かに浮かび上がらせる。

幻想ホラー異界罪悪感喪失才能の代償

作品情報

夜市で買った才能の代償が、少年時代の罪悪感を呼び戻す。

CDJapan、国内商品ページ、古書店情報で単行本 ISBN とページ数を確認した。第12回日本ホラー小説大賞受賞作で、のちに角川ホラー文庫版も流通している。

レビュー要約

  • 派手な恐怖よりも、静かな異界感と読後に残る罪悪感が強く印象づけられる。短い分量の中で情景が鮮明に立ち上がる点が支持されている。

書籍情報

出版社
角川書店
発売日
2005-10-26
ページ数
179ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784048736510
ISBN-10
4048736515
価格
478 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

選考委員激賞の、第12回日本ホラー小説大賞受賞作 何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。野球部のエースとして成長した祐司だったが、常に罪悪感にさいなまれていた——。

レビュー

  • 物語に引き込まれた

    本をおすすめされていたので読みました。 とても話に引き込まれあっという間に読み終えてしまいしました。

  • ノスタルジックな気分に

    "今宵は夜市が開かれる。夕闇の空にそう告げたのは、学校蝙蝠だった。学校蝙蝠は小学校や中学校の屋根や壁の隙間に住んでいる生き物で、夜になると虫を食べに空を飛びまわるのだ"2005年発刊の本書は日本ホラー小説大賞受賞作の表題作を含む幻想的な異界小説。⁣ ⁣ 個人的には同じ著者の『滅びの園』が面白かったので、本書も手にとりました。⁣ ⁣ さて、そんな本書は幻想的で精妙な作風を得意とする事で知られる著者のデビュー作で、第12回(2005年度)日本ホラー小説大賞の大賞受賞作品、小学生の時に妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場『夜市』に迷い込み“野球の才能"を買ったかわりに弟を売った裕司が、罪悪感と共に再び夜市を訪れる表題作。そして書き下ろし作品として、人里と隣接して存在しながら普通の人には見えず、カミやモノノケの類が往還する不可視の街道に迷い込む『風の古道』の二作品が収録されているわけですが。⁣ ⁣ 既読の『滅びの園』と同じく、気軽な日常の描写がそのまま異界へと繋がって、連れていかれる感じがとても心地よい。⁣ ⁣ また、異界を描いく作品に多い過剰に難解な語彙や表現をまったくつかわない文体も潔いというべきか、知的さを感じさせます。⁣ ⁣ 夏に読みたいホラー小説を探す方、ノスタルジックな作品を読みたい方にオススメ。

  • 言葉が、物語が、喚起する世界

    言葉が、物語が、世界を喚起します。引き込まれました。 メタファーや飾りや凝った言葉はなく、淡々としたありふれた言葉が並んでいるだけですが、喚起するものがありました。 それは、「夜市」や「古道」に日本人が、古い古い、古の昔から囚われていたからかもしれません。

  • おもしろかったが

    おもしろかったですが、内容は薄く感じました。 短編で初心者には読みやすい。

  • 風の古道!

    恒川さんの作品を初めて読みましたが、とても情景描写が上手な作家さんと感じました。 難解な語彙は使わず、簡単な言葉だけで書いているにも関わらず、 ありありとシチュエーションが浮かんでくる文章でとても楽しめました。 本書は、2作品収録されており、共通して異界との接触が物語の中心です。 異界特有の不気味さや緊張感がありつつも、 どこかノスタルジックで神秘的な雰囲気を感じました。 個人的には、スケールの大きい異界での旅路を書いた風の古道がハマりました!

  • まずは美しい表紙デザイン

    まずは目を引く美しい表紙。 去年から読みたかったけど、もしかして怖い? と躊躇していました。 皆さんのレビューを読み、安心して購入。 夏読書におすすめ。 この作家さんは他にも読みたいと思いました。

  • 風の古道

    昔、図書館で何気なく手にとって読んだことがあるのですが、最近いろんなホラー小説を読むようになって思い出しました。 短編2編の小説ですが、私は「風の古道」が好きでした。読んでいるうちに生ぬるい風を感じるような、切ないホラーが昔も今も心に残ります。

  • 子供も大人も楽しめる

    短いお話が2種類書かれています。それぞれの話に関係性はありません。 この作者の凄いところは、奇抜な言い回しや独特の表現方法などは無いのに、物語の情景や、主人公たちが感じる衝撃を強く感じさせてくれるところだと思います。どちらの物語も、この先が気になるような読了後の余韻がまた素晴らしいです。 裏切りと死、罪悪感と虚無、これらを日常の傍らにある異世界、不思議で理不尽な世界を描いた物語です。 この作品をきっかけにこの作者の作品を多数読みましたが、子供も読める作品となると、この「夜市」と「滅びの園」といったところでしょうか。

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