書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 1998-02-01
- ページ数
- 472ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784061820067
- ISBN-10
- 4061820060
- 価格
- 84 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
エンターテインメントの未来を照らす快作! 亡き父の書斎に入った安藤直樹は奇妙なコンピューターを発見する。電源を入れた途端、モニター上に自己紹介の文が流れ出した。このパソコンは「何者」なのか? 浦賀和宏と云う若い作家は、作法を創るべく模索している。その仕事は、新しい小説を求める者に、多くの示唆を与えてくれる筈である。紡がれたテキストは、ミステリだとかSFだとかいう既存の枠組みに与(くみ)することを嫌っているかのようである。それでいて、多くのジャンルに新たな可能性を悉(ことごと)く内包してもいる。均等な距離感に基づく世界観を以て築かれた物語は、読む者の偏差を明確に自覚させてくれるだろう。本書は、先行作品に対する敬意ある挑発である。――京極夏彦
レビュー
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あなたはだれ?
推理小説ですが,この1冊で金田一くんのように謎は全部解けたにはなりません。 一番のなぞの 「きみはだれ?」 に納得のいく結論がでるだけです。 小説は主人公の徹底的な心情の吐露の中で進みます。 (息子が無愛想でなにを考えているのかわからないというお母さんはご一読の価値ありです。無口にぼそっとしている間にこんなことを考えているのかもしれません。) そのモノローグたるや,赤頭巾ちゃん気をつけての薫ちゃんに負けていない連射速度です。 青春小説というと 突き進む絶え間ないモノローグ →事件 →成長 が定番の構成ですが,その意味でいうならば 青春小説の王道です。 ただ事件がちょっとあまりにもめちゃくちゃ重たいものだっただけの。 意外なところで急に展開して,たたみかけるかと思えば穏やかに流れて, 捉えどころなく進む物語に本を途中で置くことができませんでした。 寝不足です。
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面白い。
続々と続く続編には正直少しうんざりするが、この最初の作品は代わっていて、コンピューターへのあこがれをくすぐるものもあり、面白く読めた。
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ジュブナイル小説ですね
さくっと読める軽い読み物としてそこそこ楽しめた。 時間つぶしのためには可もなく不可もなくというところ。 作者は当時19才だったとのこと。 YMOとかブレードランナーとか、 この世代には新鮮なのかもしれないが リアルタイムで知っている者からすると いまさらこんな名前を聞くとベタな感じがする。 主人公の心理描写には、ひどく先行きの不透明だった この世代の若者の閉塞感を感じさせられた。 しかしだからといって、 「年よりは一日でも早く死ね」とか 「どこで誰がのたれ死のうと知らない」とか… これは主人公のキャラ設定であって まさか作者の考えそのままではないだろうが いやな気持ちにさせられることが多かった。 影響力の大きい小説というメディアで、悪役でもない主人公に こんな台詞をはかせるのは社会への責任感のない子どものすることだろう。 内容としては、奇抜なアイデアは良かったが、 これはミステリーというよりは ファンタジーの形を借りた自分探し? こういうものを書くのもいいが 人生で最も辛いことのように書けるのは 若い人の特権だろう。 あとがきによれば、シリーズ全部読むと 新たにわかることもあり違った面白さがあるそうだが、 読む気にはなれない。
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神経パルスなど忘れてしまえ!
カミュ『異邦人』を微かに思わせる書き出しで始まる作品。サティ「ジムノペディ」、ジョン・ケージ「四分三十三秒」、ジョージ・ウィンストン「Longing/Love」、YMO「ライディーン」、ブライアン・イーノ、映画『ブレードランナー』のサウンドトラック、スタンリー・キューブリック『2001年宇宙の旅』などのガジェットを散りばめつつ、父の自殺を発端として、「コンピュータは意識を持てるか?」という問題に主人公の出生の秘密が絡んだ物語が展開していく。 何より評価できるのは、「意識」というプロブレマティークをたとえば茂木健一郎(笑)や養老孟司(笑)といった脳科学者たちや、あるいは瀬名秀明(笑)といったSF作家たちのように、単純に一元論へと――すなわち神経パルスの電気信号へと――還元するのではない点だ。神経パルスと自我意識との間に横たわる深淵が、本書では少なくとも意識されているし、だからこそ「独我論」という問題も当然のように取り上げられる。そうした内容は意識に関する哲学の入門編として読むことも可能なほどに明確かつすっきりと整理されている。 その上で明かされる最終的な秘密は、たとえるならば法月綸太郎のとある代表作を裏側から写し取ったものだ、という言い方ができるだろう。実に哲学的な、その意味で野心的な推理作品。ただ、それをわざと書かないからこそ「いったい朝倉に何があったのか?」が気になるのである。
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気が滅入ったぜ・・・!('-,_ω-`)プッ
非常に面白かったです。読後しばらく余韻から離れられませんでした。('-,_ω-`)プッ 荒筋としては自殺した父親の書斎で主人公が一つのPCを見つけるんですけど、そのPCの中にはまるで意思を持ったかのように返答してくる安藤裕子というプログラムが入っているのです。本当に、人間のような返答をしてくる彼女は一体何者なのか?単なるプログラムなのか?それとも人間に限りなく近い何かなのか? 彼女の謎を解明するために仲間を連れて行動するんです。 講談社ノベルズだし、ミステリだと思って読み進めていったんですけど違いました。これはジュブナイル小説ですね。 作者はこれを19歳で書き上げたらしいです。天才ですね・・! その作者の等身大の姿をした青年が主人公です。高校を卒業し、あとは大学入学を待つだけの退屈な日常を淡々と描いています。 文章は良く言えば丁寧なんですけど、悪く言えば地味で退屈に感じることもありました。 だけどその地味で淡々とした文体だからこそ、後半の怒涛の展開が読者の内側に静かに入り込んでくるのではないかと感じました。('-,_ω-`)プッ 物語的にはこんなにページ数多くするほどのものではないと思うんですよ。ただ主人公の心のあり方が延々と綴られているのでこんなにも分厚くなったんです。 とにかく読む者の内へ内へと入り込んでくる文章なので、気が滅入ってしまうかもしれませんが、それでも面白いことは確かです。ぜひお勧めしたいところなんですが、問題はこの本、すでに絶版済みなのです。(^Д^)ギャハ!
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発想がおもしろかった
亡くなった安藤裕子の脳をパソコンの中で生きさせるという発想がおもしろかった。また、真実に近づいていくにつれてまさかと思われる展開もおもしろかった。ただ、直樹の友達の金田と飯島とのやり取りが無駄に長かった。金田や飯島の性格を強調するためとはいえ、しつこすぎて読んでいてうんざりしてしまった。
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暗い天邪鬼
青春小説としてはあまりにも暗く、推理小説としては王道を完全に無視した、天邪鬼な面を覗かせる。当時19歳の作者がタブーを全開に出して描いた小説。 「新しい小説を求める者に、多くの示唆を与えてくれる」京極夏彦が推薦文にそう書いた。 次作以降の作品を読んでも、そういう傾向は消えない。奇才だと思う。
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おもろいよ
SFと推理小説を乗っけた青春小説だと思う。 主人公の成長と現実が悲しく、そして美しい。 終わり方が私的には完璧だった。 同主人公でシリーズ化されているが、 これだけでよいような気がする。 進みたい方向がわからなくなってしまったからだ。 ただこの作品は、(処女作?)相当おもしろい。