日本の文学賞

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チョコレートゲーム (講談社文庫 お 35-7)

日本推理作家協会賞

チョコレートゲーム (講談社文庫 お 35-7)

岡嶋二人

名門中学で起きる連続殺人を、息子を失った父親の視点から追う学園サスペンス。子どもたちの遊びに見える「チョコレートゲーム」の背後に、金銭と暴力の暗い構造が浮かび上がる。

学園サスペンス連続殺人親子少年犯罪

作品情報

学校という閉じた世界で、子どもの遊びが死のゲームへ変わる。

岡嶋二人の代表的なサスペンス。少年たちの世界と大人の無力さを重ね、事件の謎解きだけでなく、学校社会の不穏さを描き出す。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
1988-07-01
ページ数
279ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784061842410
ISBN-10
4061842412
価格
1 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

学校荒野をゆく中学生群像.心理サスペンス名門学園中3生徒が次々に惨殺された.原因に百万単位の金がからむチョコレ-トゲ-ムが浮かびあがる.息子を失った父親の苦闘をたどる日本推理作家協会賞受賞作

徳山諄一(とくやま・じゅんいち 昭和18年生まれ)と井上泉(いのうえ・いずみ 昭和25年生まれ)の共作筆名。ともに東京都出身。昭和57年、『焦茶色のパステル』で第28回江戸川乱歩賞を受賞。昭和61年『チョコレートゲーム』で第39回日本推理作家協会賞を受賞。平成元年、『99%の誘拐』で第10回吉川英治文学新人賞を受賞。現在はコンビを解消し、それぞれ井上夢人、田奈純一の筆名で創作活動をしている。

レビュー

  • すばらしいスピード感

    岡島二人の日本推理作家協会賞受賞作。とにかくスピード感がある作品。岡島二人といえば誘拐モノといった感が強いが、こういうのもいい。内容についてはネタバレになってしまうので書けないが、次から次へとスピーディに展開が進み、中だるみなくスラスラ読めてしまう。かなり古い作品ながら、全く古さを感じさせない傑作だと思う。

  • 陰湿さ、重苦しさを感じさせない

    この作家は出だしの掴みがウマい。ストーリー展開に齟齬がない。 本作は中学生の非行がテーマになっているが、陰湿さ、重苦しさ を感じさせないのは、その文体によるのだろうと思う。

  • 親が思っているほど子供は子供ではない

    様子の変ってしまった息子に対して父親が動いた時にはもう遅かった。子供だと思っていたら大人にバレないように物事をやってしまう子供は大人よりたちが悪い。それでも息子を信じ真相にたどり着いた父親が切ない。

  • ゲームの名前

    主人公は作家の近内、息子は不登校、体にアザだらけ、いじめられていた訳でもない。話し合おうとしたが、息子は出て行き、同級生がその最中殺される。被害者は「ジャックのせいだ」と呟いていた。 それらの謎が少しずつ浮いてはとけて行きます(チョコレートゲームだけに)。 ネット検索すると結構、タイトルのネタバレを踏まえたうえで感想をかかれていたりします。 予備知識なしに読むと最高に驚けると思います。ただ一番の驚きはこの本が1988年刊行だということです。全然古さを感じませんでした。

  • 爽やかさが引き立てるラストの切なさ

    85年の講談社ノベルス に始まり, 88年 , 00年 を経て,新装版として三度目の文庫化になります. ミステリの要素はあるものの,思春期の子供と親たちを取り巻く社会派サスペンス色合いが強く, 同時に,息子の無念を晴らすために奔走する,父親の執念と愛情を描いた物語のようにも感じます. 30年近く前の作品だけに,アイテムや風速描写に現代とのギャップがあるのは否めませんが, それらが面白さを損ねることはなく,読みやすい表現などは時代を問わずに楽しめるものです. また,序盤の何気ない部分から繋がりが生まれ,いささか早めの全容解明かと思わせておきつつ, そこから一筋縄には行かない話運びは,重ための内容でありながら,飽きさせることはありません. 結果だけを見れば,父の思いは叶うのですが,解り合えないままとなってしまった息子のこと, それを誰よりも痛感する父,爽やかささえ漂うラストは,切なさで胸が締め付けられる思いです. ただ,タイトルが指すものというのか,そのタイトル自身,もう少し捻ってもよかったのでは…?

  • 謎解きは薄い

    殺人事件のトリックも動機なども非常に薄く、推理小説としての評価はかなり低いと思う。 王様ゲームとかアナザーとか、学園モノの連続殺人というか怪奇現象を期待してたおれには、あまり読みごたえはありませんでした。 今はまだ独身だけど、父親にでもなればまた違った評価ができるのかな?主人公(中学生の子を持つ父親)の行動の描写がかなり含まれてるので、そこで共感できる要素があったら見方は変わってくるかも。 あと、元は1988年に文庫になったやつなので、今読むと多少のジェネレーションギャップを感じます。今26歳のおれで当時をうまくイメージできないので、学生さんあたりは余計に難しいと思います。

  • 終盤の追い上げ凄し。

    テーマは重いが、エンタメの要素はぎっしり。 テンポがよく、ストーリー展開もよくて、 サクサク読めてグゥ。 特に終盤の追い上げは凄い。 ハッとした後、ヒヤリと冷や汗を垂らし、 ドキリとした後、アッと驚く、そんな感じ(終盤) ページ数は少ないが、内容は濃い。 これは傑作だ。

  • 面白いんだけど ・・・

    週刊文春1985年 国内5位 作家の近内は、妻から中学生の息子 省吾の問題行動を聞かされる。学校を休みがちになり、身体のあちこちに青あざをつくっているという。反抗する省吾に対して、なすすべがない近内。その最中、省吾の友人が次々に殺害されて、省吾自身も投身自殺してしまう。友人達の殺人犯と断定された省吾の無実を晴らすべく、近内は捜査を開始する。キーワードは、「ジャック」、そして「チョコレートゲーム」 ・・・ 中学校が舞台の殺人事件なので、現役の親の側から見ると、内容はかなり重い。近内が息子の無実を信じ、捜査を重ねる過程で、周囲から疎まれていく姿は、痛々しい。事件の真相も、救いがないし。 が、どっぷりとブルーな気にさせるとこはなく、謎ときを楽しむことはできる。面白いんだが、現実感が希薄っていうところもあるのかなぁ。親子関係でいえば、今でも、変わらない問題でもあるのだが、もっと複雑で、シビアになっているような気がする。 発表時にタイムリーに読んでいれば、別な感想をもったかもしれない。

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