日本の文学賞

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祭りの場・ギヤマン ビードロ (講談社文芸文庫 はA 1)

芥川龍之介賞

祭りの場・ギヤマン ビードロ (講談社文芸文庫 はA 1)

林京子

『祭りの場』は、長崎での被爆体験を抑制された筆致で描く林京子の代表作である。叫びではなく、記憶の奥に残る身体感覚と沈黙を通して、原爆の時間を文学に刻み込む。

被爆体験記憶長崎戦争文学

作品情報

長崎の被爆体験を、抑えた言葉で深い衝撃へ変えた芥川賞受賞作。

講談社文芸文庫『祭りの場・ギヤマン ビードロ』に収録され、群像新人賞と芥川賞を受けた「祭りの場」を中心に林京子の原爆文学を読むことができる。版元系情報で ISBN を確認し、ISBN-10 を ASIN として補完した。

レビュー要約

  • 感情を大きく叫ばない抑制が、かえって体験の重さを際立たせる作品として評価されている。原爆文学の中でも、内面の祈りに近い静けさが印象に残る。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
1988-08-04
ページ数
398ページ
言語
日本語
サイズ
10.8 x 1.4 x 14.8 cm
ISBN-13
9784061960237
ISBN-10
4061960237
価格
1540 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

如何なれば膝ありてわれを接(うけ)しや──。長崎での原爆被爆の切実な体験を、叫ばず歌わず、強く抑制された内奥の祈りとして語り、痛切な衝撃と深甚な感銘をもたらす、林京子の代表的作品。群像新人賞・芥川賞受賞の「祭りの場」、「空罐」を冒頭に置く連作「ギヤマン ビードロ」を併録。

レビュー

  • その場にいた人の言葉は重い

    その場にいた人の言葉は重いですね。 中上健次はこの作品につき「原爆ファシスト」という強い言葉を使って「日本軍は満州に行ったり朝鮮に行ったりして侵略して、めちゃくちゃ なことやってるわけじゃないか。それが、『祭りの場』や『ギヤマンビードロ』に涙流す親そのものの手によって、一度も書かれたことないんだよ」「重点を被害に置いた『祭りの場』は被爆の背景となる日本軍の侵略を作品に書き込んでおらず、原爆という事実に対する批評的分析がない」「作品は結局泣き言になった嫌いがある」と非難しているそうです。 しかし、そう言ってしまうと、では日本軍の侵略とは何だったのか、列強の植民地獲得競争は何だったのか、資本主義生産様式とは何なのか、とさかのぼってゆくことになり、ある意味では際限がないことになるような気がします。だから、この作品はこれでいいのだと、どこか知らないところで決められ、進められていることが、その末端にある一人一人の人間に対してこのような悲惨な結果をもたらしているのだということの事実が伝わればいいのだとも思います。なぜこうなったのか、どうすればいいのか、は読者に与えられた問題ではないでしょうか。

  • 悲惨な現実を知ろう

    戦争の現実を若い人に伝え続けていかなくては。 小、中学校の図書室にはあるでしょうね。

  • 核の恐怖と命の尊さ

    ウクライナの核危機の今こそこの本を読むべきです。林京子の作品の中にその理由は網羅されています。

  • 風化させたくない物語

    作者は中学生の時に長崎で被爆し、今年物故した女性作家。この本は12の連作による表題作の他、芥川賞を受賞した「祭りの場」を収録しています。ギヤマンビードロは昭和52年に書かれ、その時点でのリアルタイムな生活と、被爆した時の思い出が交錯するストーリーです。 その2年前に芥川賞を受賞していますが、作者は淡々と一市民の目線・体験であの原爆がもたらした惨禍を、そしてその惨禍を被爆後もずっと引きづらねばならなかった知人達を深い洞察をもって淡々と描き出しています。 本書を手に取ったのは物故がきっかけとなった書評で、それまでは作者名は知っていても、著書に目を通したことはありませんでした。 原爆投下から75年、本書発表から40年という長い時間が流れましたが、この社会で読みつづられて欲しい本だと思います。

  • e=mc自乗

    学習ちゅうです。長崎、広島とは。永井教授にいま、林京子さんが幽鬼のごとく加わりました。

  • この本の存在を知らなかったことが恥ずかしい

    長崎に原爆が投下された直後の悲惨な様子が被災者自身の手で再現された作品。日本人はこの事実をわすれてはならないと思った。 語り継ぐべき、というより、あらためてこれは国際法違反の犯罪行為だと告発すべきと思った。非戦闘員の頭上にこのような爆弾を落としたことが許されるはずはない。

  • ありがとうございます

    以前から読みたいと思っていましたが、なかなか思い切って注文できませんでした。 いい状態で届けてくださり感謝しています。

  • 長崎市の若者や出身者に読んで頂きたいです

    個人的な話で恐縮ですが、長崎出身の私の生活圏の一部に、料亭の富貴楼、旧制高等女学校を引き継いだ高校の校舎、金毘羅山がありました。無邪気に遊んでいた頃に本書で書かれている会話の遣り取りがあったということもあり、とても生々しい思いで読みました。私は30歳代ですが、数年前にこの本を何の気なしに手に取るまで、林さんのことを知らなかったことを非常に残念に思いました。しかも旧制学校を引き継いだ高校の出身なので、林さんはある意味において大先輩にあたるのです。肝心の本の内容を書かずに申し訳ないですが、長崎市のかた、特に若者、長崎東高、長崎西高出身のかた に読んで欲しいです。読み方として間違っているかもしれませんが、私は本書内の大先輩たちの言葉に未だに勇気づけられています。 政治的な思想、戦争に対する考えも人によって色々とあるのでしょうが、それを抜きにして本書に手をとって欲しいですし、本書はそれとは無縁なところにあるようにも思います。 「空罐」、上海のことが書かれている「黄砂」が特におすすめです。 本に注文するとすれば、長崎市以外のかたにも分かりやすいよう、地図が掲載されていると、より理解しやすくなるのではないでしょうか。

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