日本の文学賞

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管絃祭 (講談社文芸文庫 たD 5)

女流文学賞

管絃祭 (講談社文芸文庫 たD 5)

竹西寛子

『管絃祭』は、竹西寛子が歴史と記憶の層を繊細に重ねた小説です。祭りの気配を背景に、土地に受け継がれる時間と人間の内面が静かに響き合います。

祭り記憶土地歴史

作品情報

祭りの音が遠く近く響く中で、土地の記憶と人の思いが交差します。

『管絃祭』は、竹西寛子が歴史と記憶の層を繊細に重ねた小説です。祭りの気配を背景に、土地に受け継がれる時間と人間の内面が静かに響き合います。 受賞歴からも、同時代の読者に新しい声や視点を示した作品として読めます。

レビュー要約

  • 受賞作として、題材の切り取り方と作者固有の文体が評価された。現在は読者の接点が限られるが、同時代の文学状況を伝える作品として参照されている。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
1997-03-01
ページ数
250ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784061975590
ISBN-10
4061975595
価格
1439 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

「広島」で被爆した人達を見据えた連作小説主人公有紀子の同級生夏子や直子の爆死。四人の肉親を失い、その後を耐えて生きる夏子の妹。死者達が無言で甦る如き厳島神社の管絃祭。女流文学賞の著者代表作。

レビュー

  • 私の生まれるずーっと前の話

    この時代の風物が普通の町の人々の目線で描かれていて 大変興味深く読んだ また 原爆という題材を通していながら非常に淡々としていて かえって胸に迫る こんな名作があることを全く知らず 出会えて良かった一冊である

  • 声高に反対とは言わない。

    もはや書店で購入できないのが、残念です。太平洋戦争とヒロシマの中の生活が静謐に描かれています。

  • 友達に頼まれて

    友人が読書会での課題図書ということで頼まれました。 絶版で買えない人もいたということで、友人からは大変感謝されました。

  • 「黒い雨」と双璧をなす原爆小説

    広島や長崎の原爆がもたらした惨状を描くにあたり、ノンフィクションであれ小説であれ、 ただ「悲しい、酷い、惨たらしい、恥ずべき・・・」などと形容詞、副詞を並べたてるのは 誰でも出来る。 しかし真に人の心に迫るのは、如何に「ディーテール」を見つめ、それを丁寧に書きこんだものだ。 そういう意味であまり有名ではないけれど、広島生まれの竹西寛子さんの「管弦祭」は一級品だ。 原爆で亡くなった人々を探し出すような筋立て以外、何も事件があるわけではなく地味な小説だが、 要は亡くなった人々に何かをしゃべらせる。「死者の存在」を見据えることで「自己を見つめなおす」 ということの大切さを説いているような気がする。 広島の人にとって「管弦祭」は何か特別なノスタルジアを感じさせる行事なのだろうが、その辺の 繋がりをもう少し書き込んで欲しかった。

  • 「原爆もの」として読むべきではない

    原爆を描けば必ず名作になる戦後日本で、なんだ原爆小説かと思って、ぼちぼち読んでいったが、違うのではないか。淡々たる戦時下の女学生の生活が味わいをもって描かれていて、原爆はむしろわき役なのではないかという気がする。原爆についてもことさらに人を驚かす描写があるわけではない。原爆文学という飾りを外して、虚心に読まれるべき私小説である。

  • 広島の原爆体験の物語。

    「春の彼岸である。 東京は、まだ寒い。」 この書き出しで始まる物語は、広島の原爆体験の物語だ。主人公の有紀子は今は東京で働いている。同級生達は原爆投下によって亡くなった。最初のシーンは有紀子の母親の通夜だ。それから物語は戦時中へ。そして原爆投下の瞬間へ。全体的に決して強い語調ではなく、優しい文体であの時代がつづられているが、原爆投下の瞬間、その文体は一変する。1ページに凝縮された原爆のすさまじさ。そして次の瞬間、物語は別な章へと移る。この切り替わりが、かえって原爆のすさまじさを実感させる。 最終章は広島の管絃祭のシーンで終わる。雅楽の音が聞こえてくるような描写が素晴らしい。

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