日本の文学賞

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背いて故郷

日本推理作家協会賞

背いて故郷

志水辰夫

スパイ船に関わった過去を背負う男が、親友の死をきっかけに秘密を追う冒険小説。雪原を舞台に、友情、裏切り、故郷を失った者の哀しみが交錯する。

冒険小説スパイ船友情故郷喪失

作品情報

雪の荒野を進む追跡行が、男の過去と故郷への思いを掘り起こす。

志水辰夫の冒険小説。硬質な文体で、海と雪原、国境、過去の秘密を結び、男たちの信義と悔恨を描く。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
1985-10-01
ページ数
237ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062024259
ISBN-10
406202425X
価格
1078 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

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レビュー

  • これぞハードボイルド

    あまりハードボイルドを読まないのですが、これは面白かったです。男性がハードボイルドが好きなのが分かる気がしました。

  • ラストは2回あっ!と言わせる

    第39回日本推理作家協会賞 第4回日本冒険小説協会大賞 週刊文春 1986年 国内7位 第六協洋丸の元船長 柏木は、親友 成瀬の殺害事件に責任を感じていた。柏木は、スパイ船の任務に嫌気がさして、成瀬に後任を引き受けてもらっていたのだ。自身のけじめのため、柏木は、成瀬の死の真相を探ろうとするのだった ・・・ なるほど、叙情的な作風で知られる作者だけに、登場人物たちの心情が、とても細やかで巧みに描写されている。凍てつく北国の風景などは、思わず寒気がするほど、臨場感たっぷりだ。 ストーリーは、中盤まで間延びした展開に感じる。柏木と、成瀬の妹 早紀子、成瀬の妻 優子との関係をじっくり描いているからだろう。甘ったるくなる一歩手前ではあるけれど、ハードボイルドや冒険小説としての怒涛の展開を期待していると、多少退屈する。もっとも、ここが、後から効いてくるのだが。 後半、舞台を北海道に移してからは、緊張感が俄然、高くなってくる。そこらのハードボイルドと違って、柏木が、肉体的にも精神的にも、それほど強くないのだ。追いつめられ、いたぶられ、命からがらの脱出行。死を決意した決戦前夜、柏木が早紀子にドロドロとした心の内を吐露する場面は、感情移入のピーク。胸がアツくなる。 くさいセリフ、ストイックな生き方、必然性のない暴力沙汰は皆無。ラストは Finishing strokeに近い。2回、あっ!と言わせてくれる。

  • 雪の庄内

    志水辰夫入魂の一冊でしょう。山形県庄内平野から物語は始まり、雪の庄内平野で終わる。そのラストには衝撃とやさしさが入り混じっている。名作です。久し振りの休日に一気読みしてしまいました。 ハードボイルドの世界観がびっしり詰まった作品です。登場人物がきっちり描かれているので物語の世界に楽に飛び込んでいけますし、エンターテイメントとしても心躍る一級品です。特に主人公の柏木がいい。ただ屈強な精神で事件を解決していくことではなく、時には弱い心が出てしまう彼に近親間を持ってしまう。 本書では様々な人間の様々な故郷が描かれる。そしてその故郷はある人間にとっては耐えられないばしょであり、ある人間には捨てた場所であったりする。そしてその故郷にある人間が訪れることで、なにかが変わる瞬間ができたりもする。自分を形成している故郷をうまく物語の中に埋め込んでいます。 いろんな意味でおもしろい作品ですので興味をもった方はどうぞ。はずしません。

  • 重くのしかかる贖罪の念

    日本推理作家協会賞を受賞していることからも分かる通り,本作には謎解きの要素もある。時々主人公が,確信を持った事実を読者に黙っているのだ。勘の鋭い人は,途中で「あれどうして」と自問することがあるかもしれない。その気持ちを大切にして読むと,推理小説としても面白い。 今回の主人公は,重くのしかかる贖罪の念を背負い,それがためさらなる修羅場を迎えることとなる。 ゆったりと進む前半,相変わらずぶん殴られたりする怒涛の後半。「飢えて狼」「裂けて海峡」「行きずりの街」などを一気読みされた方は,本作でも必ず血湧き肉躍るはず。

  • はーどぼいるど一直線

    日本のハードボイルド界の一匹狼 志水辰夫先生渾身の大作です。ストイックな主人公、陰のあるヒロイン、単純に善悪ではない裏社会、そして反目しあう大国に操られる敵、味方。 かなり前の作品ですので、現在の世界情勢と違いますが、十分納得できるプロットです。 本書で、あの志水節が完成されたと言っても過言では無いでしょう。中盤から一気にラストへたたみかけ、孤高な男が心で叫ぶ・・・・。 とにかく、最後の文まで読んでください。小生はこの後、同先生の「飢えて狼」「裂けて海峡」「散る花もあり」を一気に読んでしまいました。

  • ハードボイルド好きには読み応えある名著

    ハードボイルドな本は数多く読んできたが、その中でも、次はどうなるのか楽しみで、時間を惜しんで読みたくなる、そんな本だった。 密漁を取り締まる船の元船長だった主人公だが、その船が軍事と絡んでいたり、秘められた殺人事件を契機に、主人公が奔走するワクワクするストーリ。主人公はどこか冷めており、そんな心情をうまく描いており、共感するところもあり、面白い。また、話の中で美しい妙齢の女性が2名出てくるが、その描写もとても良かった。 大沢在昌など、ハードボイルド好きは絶対満足できる名著だ。

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