日本の文学賞

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市塵

芸術選奨文部科学大臣賞

市塵

藤沢周平

徳川六代将軍家宣の側近として幕政改革に関わった新井白石の生涯を描く長編歴史小説。清貧と病を抱えながらも、学問を現実政治へ生かそうとする白石の志と挫折を、藤沢周平らしい静かな筆致で追う。

新井白石江戸政治学問と改革理想と挫折

作品情報

市井から幕政の中枢へ進んだ学者の、理想と孤独を描く歴史長編。

『市塵』は、生類憐みの令の廃止、通貨改革、外交・貿易政策の見直しなどに関わった新井白石を主人公に、学者が政治の現場で何を実現し、何に敗れていくのかを描いた作品です。歴史上の改革者の歩みを、権力の華やかさよりも生活の重みと信念の持続に寄せて描いています。

レビュー要約

  • 新井白石を偉人伝として平板に扱わず、病身や家庭の悲しみも抱えた人間として描く点が読みどころ。幕政改革の理念と現実の抵抗が、人物の内面に沿って伝わる。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
1989-05-01
ページ数
409ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062044363
ISBN-10
4062044366
価格
104 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

Amazon.co.jp: 市塵 : 藤沢 周平: 本

レビュー

  • なんか物悲しい

    新井白石の伝記小説である。甲府宰相綱豊に仕え、綱豊が六代将軍家宣となったため、側用人の間部詮房とともに五代将軍綱吉の悪政を改め、勘定奉行荻原重秀の貨幣改鋳の悪を追及し、宣教師シドッチを尋問し、といった活躍ののち、家宣、家継の相次ぐ死によって幕政から遠ざけられていくらかさびしい余生を送る。 儒者であるから地味な生活ぶりで、ただ弟子だった男の人妻との駆け落ちは描かれるが、白石本人にはちっとも色気がないので、全体に物悲しさが漂う。まあ、徳川時代の学者というのは、こんなものだろう。

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