日本の文学賞

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奪取

山本周五郎賞

奪取

真保裕一

真保裕一『奪取』は、山本周五郎賞で取り上げられた作品です。題名が示す印象を軸に、人物の選択や時代の空気を通して、読後に余韻を残す世界を描いています。

人生記憶時代

作品情報

『奪取』は、受賞作として読まれてきた作品の核を静かに伝える一作です。

真保裕一『奪取』は、山本周五郎賞の文脈で評価された作品です。物語、評論、詩歌、記録文学など作品形態は対象ごとに異なりますが、ここでは作品名と著者を軸に、単独作品としての魅力が伝わるよう紹介します。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
1996-08-01
ページ数
524ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062082822
ISBN-10
4062082829
価格
394 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

第10回山本周五郎賞、第50回日本推理作家協会賞長編部門受賞。 偽札造り──それは究極のだましのゲーム。 「そのお札を使ったところで、誰が被害者になるわけでもないんだ。おれの手を放れた紙幣は、また次の誰かの手へと伝わっていく。誰も気づかず、どこにも被害者はいない。札を造り上げた者だけが勝利者となる。 ……おれは決めたぞ、雅人。この先何年かかるか分からない。けど、必ずこのゲームに勝利してやる!」

1961年、東京生まれ。千葉県立国府台高校卒。1991年、『連鎖』(講談社)で第37回江戸川乱歩賞を受賞し、作家デビュー。1996年には『ホワイトアウト』(新潮社)で第17回吉川英治文学新人賞を受賞。他に『取引』『震源』『盗聴』(講談社)『朽ちた樹々の枝の下で』(角川書店)がある。

レビュー

  • ドキドキハラハラ

    偽札作りのリアルが伝わってきます。 テンポも良く、登場人物に共感し引き込まれます。 面白かったです。

  • 面白いのだけど

    印刷技術の講釈は斜め読みしてアクションは手に汗握って楽しめました。ただどうしても入り込めないところがあって。 銀行員が見分けられないくらいの偽札って、それもう真札じゃん。余計なことせずに普通に流通させちゃえばいいじゃん、って思うのは貧乏人の発想でしょうが、「復讐のために」って物語の骨子がどうも共感できなくて。。。

  • 思ったよりなかなか美品で愛読してます。

    美品でスムーズな取引が出来感謝です。久しぶりに面白い推理小説に出会えました。

  • リアルさ、テンポのよさでどんどん読めました

    「馬券偽造師」なる文庫本から本作を知って読み終えました。偽札造りに走る理由がヤクザのベンツの修理代という、しょうもない理由ですが、そこからATMの紙幣判別機の入手に進み、ATM用の偽札造り、換金、とどんどん転げ落ちていきます。一冊を通して頻繁に出てくるヤクザが、逃亡者視点の緊張感を保ち続けます。 読み進めるうちに面白くてはまっていき、雅人との別れ、じじいとの出会い、富士でのじじいと幸緒との3人の秘密生活、5年後の3人の邂逅、そして究極の偽札造りと話はテンポよく進みました。大舞台の後、最後の最後にどうしようもない大ポカで途方に暮れる3人ですが、とりあえずの復讐はできたということで、若い3人の歯がゆさを感じながらもなぜか気分はすっきりする終わり方でした。 取材に基づく詳細な描写が非常にリアルに偽札作りの現場を浮かび上がらせます。プロが見ても気づかないほどの偽札を作れる3人。もはやその腕で普通に飯を食って行けそうですが、これからも続けるのでしょうか?読み終えてなお、若い3人のその後を想像してしまうほど、人物設定と描写も見事です。 本作は新聞連載の時からは内容が変わっているようで、終わり方は連載時とは違うようです。連載時はどうだったのか知りたいですが、図書館などでもう20年以上も前の新聞のマイクロフィルムなどを探す気にはなれないので残念です。エピローグはちょっとした種明かしで思わず「なるほど!」って思ってしまいました。

  • どこを楽しめばいい?

    アマゾン以外のものも含めてそのレビューの高さに期待して購入、購読。 タイトル通りです。 むちゃくちゃな筋書きに、ご都合主義なんてもんじゃないむちゃくちゃな展開。偽札作りへのモチベーションも弱すぎるわ、途中で意味合いを変えるわで全く没頭も感情移入も出来ない。 問題発生→根性でなんとかしました(サラリ)の繰り返しには辟易。主人公チームはマンガレベルの超人的活躍を繰り返すので、ピンチの描写にも全くハラハラ出来ない。それも反則技ばかり。 特に下巻はもうSFの域。 上巻の途中まではスピード感もありその後の展開に期待を持たせただけに落差が酷い。 たぶん、特筆すべきはニセ札づくりの過程における印刷、製紙の知識とかなんだろうけど誰が楽しめるというんだろう??? 全くの駄作。

  • 最高レベルのピカレスク小説

    読んだのはかなり以前だが、いまだにその時の面白さが忘れられない。 偽札を作る人々を描いた長編小説。文章のタッチは軽妙なのだが、技術面でも徹底した取材に 基づいていて陳腐さがない。次々と展開が変わり、早く続きを読みたいと思わせる希有な作品だ。 暴力や殺人シーンなども登場するのだが、少しも血なまぐささがなく、最後までハラハラドキド キを楽しませてくれる。 もともと連載だったらしく、かなり長いし、ところどころにご都合主義的な部分もあるが、そ れらを感じさせることもなく、一気に最後まで読ませてくれる。また、最後まで読んでみると、 ○○○(ネタバレになるので秘密)にまで工夫が凝らされていることがわかり、さらにウーンと 唸らせてくれる。 とにかく、私としてはお勧めの一冊だ。

  • 「エピローグ」が・・・

    97年度版 このミス 2位 96文春ベスト 10位 第50回 日本推理作家協会賞 長編部門 平成9年度 山本周五郎賞 本作品は「偽札づくり」をテーマとしたミステリー。 軽快なテンポで進むクライムノベルである。作者の他の「取引」「震源」などの作品と同様、本作品も綿密な取材に基づいて作られており、本作品を読むと、自分も偽札を作れそうな気になってくるから不思議である。また、ボリュームたっぷりでありながら、一気によませるあたり、さすがである。 一方、あえて難をあげるとすれば、「エピローグ」である。さまざまな妨害に遭いながら「偽札づくり」を成し遂げようとする主人公達にどんどん感情移入し、上下巻で900ページ以上を読むことになるのだが、このたった5ページの「エピローグ」によって、作品による充足感が損なわれたと思うのは私だけだろうか? 面白いミステリーである。しかしこの「落語の落ち」のような「エピローグ」をあえてつけた意味が理解できない。

  • 偽札作りに人生をかけた男たちの物語

    500ページ以上あったが、続きが気になって一気に読んでしまった。偽札作りについて入念な調査をしており、紙質、すかし、色使い、スキャナーの使い方等、詳細まで描かれていた。あまりに細かすぎて分からない部分も多かったが、ストーリーが抜群におもしろくて、やくざとの闘いも見どころが多かった。特に水田のじいさんを取り戻す場面は計画も緻密で読み応えがあった。最後の仕掛けも手が込んでいて、本当に最後まで目が離せなかった。

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