日本の文学賞

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ダブ(エ)ストン街道 (MephistoClub)

メフィスト賞

ダブ(エ)ストン街道 (MephistoClub)

浅暮三文

書籍情報

出版社
講談社
発売日
1998-08-01
ページ数
272ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062092845
ISBN-10
4062092840
カテゴリ
本/文学・評論

キッチュでポップな迷宮譚! その道を通ってどこか遠くへ ぼくたちはいつもどこか遠くへ行きたいと思い、けれどもどうやって行けばいいのかわからない。浅暮三文はそんなぼくたちに、その場所への行き方を教えてくれる。それが『ダブ(エ)ストン街道』だ。その街道ではあらゆることが起こり、なによりその街道の向こうには、ぼくたちが知らない世界が広がっている。そして、その『ダブ(エ)ストン街道』に行くには、ただ1冊の本の頁をめくるだけでいいのである。――高橋源一郎 あの、すみません。ちょっと道をお尋ねしたいんですがダブ(エ)ストンって、どっちですか?実は恋人が迷い込んじゃって……。世界中の図書館で調べても、よく分からないんです。どうも謎の土地らしくて。彼女、ひどい夢遊病だから、早くなんとかしないと。え?この本に書いてある?!あ、申し遅れました、私、ケンといいます。後の詳しい事情は本を読んどいてください。それじゃ、サンキュ、グラッチェ、謝々。「今、行くよ、タニヤ!」

1959年に西宮市で生まれる。広告代理店勤務を経て、このたびデビュー。広告関係の受賞は十数回に及ぶが、さらに特筆すべき個人レコードは秋川支流48?(虹鱒)と第8回メフィスト賞(本作)。

レビュー

  • メフィスト賞の懐の広さを感じる

    行方不明の恋人を探し求め主人公が漂着した伝説の島ダブ(エ)ストン。そこは、奇人変人、奇妙奇天烈な獣が跋扈する迷宮だった... 本作品は、ワンダーランドに迷い込んだ男の、不思議体験談だ。ファンタジーになるのだろうが、めくるめくイマジネーションに翻弄され、とは残念ながらいかない。ただ、西洋童話のパロディのような、独特の雰囲気を持った作品ではある。 つまらなくはないけれど、大きな盛り上がりがないまま淡々とお話しは続き、ラストにちょっとほっこり感を残す。なんでもありありのメフィスト賞。懐の広さを感じた。

  • いざや彷徨

    さまようことのお話です。 メフィスト賞の受賞作なので,一応はミステリと言うことになるのかもしれませんが(たしかに謎解きの要素はありますが),ジャンルを言い表すのがとても難しいです。 ダブ(エ)ストンとはどのような大地なのか,そこから唯一脱出した卿はどのような手段をとったのか,など楽しみどころ満載のストーリーです。 しかし,何よりも好きになったのは文体です。 柔らかく,骨があって,無頼で,ファンタスティック。 とても楽しめました。

  • 端的に言って面白くない

    残念ながら私には合わない小説でした。 主人公がダブエストンという奇妙な場所に流れ着いて、行方不明の恋人を探す冒険をするという話なのですが、あまりにも多くの奇妙な話が脈絡なく続け様に起こるため、興味が持続できませんでした。 物語を読むことを楽しみたい人にはお勧めできません。 文学賞を受賞した作品ではあるので、文学の研究をしたい人向けの本でしょう。

  • 謎の小説

    1998年に出た単行本の文庫化。 第8回メフィスト賞の受賞作にして、著者のデビュー作。 しかし、ファンタジーである。わけのわからない世界で、おかしな登場人物たちが、謎めいた冒険を繰り広げていく。 結末もあってなきようなもので、結局、最後まで「謎」は解き明かされないままで終わる。 しかし、読んでいて楽しくなり、心温まるような小説であった。 これはこれで面白い。

  • アンチメフィスト?

    メフィスト賞作品のなかでは浮きまくりの一品。そもそも日本ファンラジー大賞の最終候補作品の改訂版だから、これはファンタジーである。 僕にはどこをどう楽しんでいいのかわからなかった。

  • おもしろい!

    楽しめた。こういう話は大好きだ。メフィスト賞受賞作なので、ミステリの範疇での期待をして読んでしまう人もいるかもしれないが、本書は純然たるファンタジーである。それもかなり変わったファンタジーなのだ。 ファンタジーの常として本書もクエストの物語なのだが、その舞台となる世界が秀逸である。 誰も行き方を知らない、帰り方もわからない、名前すらも人それぞれ呼び方が違っている不思議な島ダブ(エ)ストン。 この島では、誰もが何かを探している。島全体がいつも霧に覆われ、目標となるものが見通せないから誰もが道に迷っているのだ。 主人公ケンは夢遊病者である恋人タニアを探している。彼が出会う人々も彷徨いながら何かを探している。ポストを探している郵便配達夫。町を探している楽団。何を探してるのかすぐ忘れてしまう全裸の男なんかもいる始末である。主軸とは別に語られるエピソードでも赤い影を探し求める王の隊列や、生まれ 故郷を探し求める海賊の幽霊などの話が出てくる。 みんな探して彷徨っているのだ。それらの登場人物たちが縦や横に交差して、いろんな形で物語に絡んでくるのである。 すっとぼけたユーモアと、寸止めの奇想。だが文章や章題なんかは、おそろしく洗練されている。作者の力量が、まだまだこんなものではないよと告げている。なんとも、楽しみな作家だ。これからも読み続けていこう。

  • ダブ(エ)ストン街道は人生なり

    とても面白かったです。 特に大きな盛り上がりもないのですが、なぜか凄く面白いです。 分類すればファンタジーになるのでしょうか。 この不思議なタイトルからは、内容を想像し難いですが、 読んで楽しく、読後爽やかな不思議な世界を楽しめます。 主人公はとても不安な状況に陥っているはずなのに、登場する キャラクターが皆どこか牧歌的で、いつの間にか安心してこの 世界にはまっていきます。基本的に笑いながら読める本ですが、 ジーンとくる場面もあったり、また文体の軽いのも手伝って、 一気読みが可能です。そして、誰もが、ダブ(エ)ストンを 彷徨ってみたいと思うことでしょう。 類似する作品はちょっと思いつきません。 この不思議な魅力にあふれた傑作を、一人でも多くの方が 読まれることを願います。

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