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不眠の都市

講談社エッセイ賞

不眠の都市

到津伸子

パリと東京を往復してきた画家が、二つの都市の時差、記憶、街角、人々の姿を文章と写真で描くエッセイ集。言葉より早く溶け合うイメージと感覚を通して、都市の変容を濃密にとらえる。

パリ東京都市記憶画家のエッセイ

作品情報

パリと東京の時差から、失われた街角と記憶の輪郭が浮かび上がる。

講談社刊のエッセイ集。パリと東京をめぐる25年余の記憶を、画家の文章と写真で構成する。紙版 ISBN 9784062115247、四六判、260ページ。

レビュー要約

  • 二つの都市を移動する画家の視線が、場所の変化と人々の濃密な気配をすくい上げる点が魅力。写真と文章が一体となり、都市を感覚的に読む本になっている。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
2002-10-01
ページ数
257ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062115247
ISBN-10
4062115247
価格
1602 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/エッセー・随筆/日本のエッセー・随筆/近現代の作品

パリ――東京の時差から生れた濃密な記憶の物語(もざいく) 2つの街を往復する25年余の時空のなかで、画家の眼がとらえた変幻する都市のプロフィール。 国の違う2つの都市を移動していると、いつの間にか言葉は破綻を来たす。しかし、イメージと感覚の領域に属することは、言葉よりも早く曖昧に溶け合い、時には美しい混淆を導き出す。自分の作品のことを考える時、いつも地中海と太平洋の間で空中分解を起こし、破綻そのものになればいいと願っている。――(本文より)

レビュー

  • 作家の知性と感性が煌く

    作家の本来の鋭敏な感性と、若き日に渡仏し、以後長くパリで在住、多くの芸術家と公私共に深く豊かな交流を積み重ね、創作活動を続けてきた中で、活き活きと培われてきた人生経験とが実に見事なコラボレーションを成して、独自のパリの実存風景と心象風景を描き出している。その観察の目は決して情緒や主観に溺れず、情感豊かな中にも冷徹な知性が光っている。文章力、表現力の圧倒的な才能にも驚かされる。決して力まず、淡々と語る文章の、語句の一つ一つが綺羅星のように美しく、かつ内容的にも豊かである。繰り返し繰り返し、味わうように読む楽しさが、この人の文章に秘められている。(この作家のエッセイストとしての才能に、日本の出版社がもっと目をつけて欲しい、もっと彼女が書く文章を読みたい、と思わせる作家である。)世に存在する数多くの、パリを描いたエッセイの中でも独自性を持ち秀逸である。

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