作品情報
神町で、ひとつの終幕が別の物語の始まりへ変わる。
第132回芥川賞受賞作。講談社文庫版は解説を付し、単行本刊行後も読み継がれている。現代の小説性そのものを問い直す作品として紹介される。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2007-07-14
- ページ数
- 232ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.8 x 0.9 x 14.8 cm
- ISBN-13
- 9784062757751
- ISBN-10
- 4062757753
- 価格
- 430 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
すべてを失ったとき、2人の女児と出会った―― 終わりという名のはじまり。 「2001年のクリスマスを境に、我が家の紐帯(ちゅうたい)は解(ほつ)れ」すべてを失った“わたし”は故郷に還る。そして「バスの走行音がジングルベルみたいに聞こえだした日曜日の夕方」2人の女児と出会った。神町(じんまち)――土地の因縁が紡ぐ物語。ここで何が終わり、はじまったのか。 第132回芥川賞受賞作。〈解説・高橋源一郎〉 これは、「人間」も「人間」の形をしたものにすぎないものも区別できない「小説」らしきものが横行するこの時代に登場した、ほんとうに数少ない「小説」の一つなのである。――<解説より>
レビュー
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芥川賞らしい気持ち悪さ
第132回芥川賞受賞作(2004年下期) これはこれは題材としてはロリコンの男性の視点であるためかなり抵抗があるなあ。でも世の中にはそういう嗜好が存在していることもまた事実であり、見たいものだけ見たい人間にそうはさせてくれないひりひり感がある。 読者は「きもい」と思ったら放り投げることもできる。でもまあ自分はどうなるかを見 届けたいという気持ちで淡々と読み進めた。 主人公の葛藤に共感はできず、そういうこともあるのだなという溝は埋まることがなかった。なんか人間って決定的にここが嫌だわってところがあったらダメなんだな。 人間っていいところも悪いところもある。その善悪の判断も人によって違っていたりする。道徳的なことは表面的なことと実際の人の心の中での判断なんててんでばらばらだともここまで生きてきたらわかる。そういう表裏の落差みたいなのをぐりぐりされるようなものかな。 芥川賞、こういうの多いね。
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主人公の後悔と不安さの迫真性
主に自分の落ち度により家族も仕事も失った主人公が、知り合いの勧めで小学生2人の劇を手伝うことになる。主人公は過去に自分がしたことを繰り返し後悔する一方、その小学生たちが悲劇を演じるのにとどまらず本当に自殺してしまうのではないかと不安になる。この主人公の後悔と不安さに迫真性があってよかった。
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文章がかっこいいってすごい
書籍を読んで、Audibleで聞いて、また読んだ。いい。耳で聞いても、阿部和重氏ならではのかっこよさが伝わってくる。女性の描写、子供もいい。いきいきとしているというよりは、「ちゃんと考えて生きている」のがわかる。それは実際に考えているかどうかではなく、つまり生きるとはそういうことなのだと、あらためて教えられる。やっぱりすごい作家だ。
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ロリコンの内面ってそんな単純なのか???
娘を溺愛するもロリコンの趣味が妻にばれて離婚させられ愛娘に会うこともできず・・・・ そんな主人公を通して物語だが・・・ 確かに読みものとして面白くもありページは進んでいくが・・・ でもロリコン趣味の内面というものにまったく筆者は迫っていない・・・ 人間の癖で最も修正がきかないのが性癖だというが・・・ そういった特異な性癖を持つ人間の物語の割には上辺だけでの描写が目立ったような気がして・・ 文学作品として私個人はできのいい部類のものではないと思う
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漢字の試験
同郷、同年代ということで、読み始めたが、読了はまだ先。 読了しようという願望は既に萎えてます。
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主人公はロリコンなのか
自分の子供の裸体の画像を撮ることができるのか? 二児の娘を持つ親として、ありえない。 小説でもありえない。 まして金儲けのために画像を商売目的で流通させる ことは考えられない。 それなのに、子を思う親を描写していることに違和感を 覚える。 そう思わせること自体、作者にまんまと手のひらに乗せら れているのかもしれない・・・。 エンディングでは未来に向かって、明かりが見えてくるように 描かれているが、 娘を持つ親が読んだら、気分が悪くなる可能性があります。 なので、 楽しめませんでした。スミマセン・・・。
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初めて読みましたが。
伊坂幸太郎との合作を読んだ後に阿部さんの本を読んだことがないのに気付いてこちらを読みました。個人的には設定や登場人物にも共感できるものが少なくまた読みたいという作品ではなかったです。
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伝統的な純文学
グランド・フィナーレの他に、短編が3つ収められていますが、グランド・フィナーレの感想だけ以下に期します。 純文学というジャンルが海外にあるのか浅学の私は知りませんが、日本では純文学(芥川賞系)とエンターテイメント(直木賞系)に分けられるのが、一般的だと思います。ただし、最近の芥川賞は伝統的な純文学ではなく、ちょっと奇抜なものも増えてきていると感じているのは私だけでしょうか? この作品は、伝統的な純文学の形式で書かれており、そう言う意味では安心してスムーズに読み進められます。ラストも、この後の展開を読者に委ねるような感じで、いい意味でよくあるパターンです。自分で勝手にこの続きを想像してしまいます。 一つ残念なのは、解説の高橋源一郎が的外れなことを書いていると思われます。この作品の良さを素直に感じる感性に欠けているのではないでしょうか? この作品は、小説として決してヘンではありません。至極まともな素敵な作品です。多くの文学ファンに読んで欲しい作品に仕上げっていると思います。