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第37回(1994年) 受賞受賞作: アメリカの夜
映画学校を出た青年の自己像が揺らぐさまを、自己言及的な構造で描くデビュー作。群像新人文学賞の受賞作として知られる。
自分を撮るはずの物語が、いつのまにか自分を映し返す。
166ページメタフィクション自我の分裂映画性
阿部 和重
あべ かずしげ
Abe Kazushige
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1968-09-23 (山形県東根市)
- 国籍
- 日本
- 言語
- 日本語
- 居住地歴
- 山形県東根市 → 東京都
経歴
- 職業
- 小説家, 映画評論家
- 活動期間
- 1994年〜
- 所属
- カイエ・デュ・シネマ・ジャポン(編集委員)
- 影響を受けた人物
- 柄谷行人, 中上健次, 蓮實重彦, 大西巨人, 後藤明生, 大江健三郎, 三島由紀夫, ミシェル・フーコー, マルセル・プルースト, ミゲル・デ・セルバンテス, ウィリアム・S・バロウズ, ロレンス・スターン, ブルース・リー, フィリップ・K・ディック, アルフレッド・ベスター, ダニエル・デフォー, マルキ・ド・サド, デヴィッド・ボウイ, 文芸批評, 映画, メタフィクション
- ノミネート
- 第111回 芥川賞候補(アメリカの夜), 第8回 三島由紀夫賞候補(アメリカの夜), 第118回 芥川賞候補(トライアングルズ), 第125回 芥川賞候補(ニッポニアニッポン), 第15回 三島由紀夫賞候補(ニッポニアニッポン)
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日本映画学校(現・日本映画大学) | — | — | 専門士 | 〜1990 | 日本 |
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1994 | 群像新人文学賞 | アメリカの夜 | — | 群像(講談社) | 受賞 |
| 1999 | 野間文芸新人賞 | 無情の世界 | — | 野間文芸新人賞(野間文化財団) | 受賞 |
| 2004 | 伊藤整文学賞 | シンセミア | — | 伊藤整文学賞 | 受賞 |
| 2004 | 毎日出版文化賞 | シンセミア | — | 毎日新聞社(毎日出版文化賞) | 受賞 |
| 2005 | 芥川龍之介賞 | グランド・フィナーレ | — | 芥川龍之介賞 | 受賞 |
| 2010 | 谷崎潤一郎賞 | ピストルズ | — | 谷崎潤一郎賞 | 受賞 |
受賞・候補エディション
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第21回(1999年) 受賞受賞作: 無情の世界
現代社会の不穏な空気と若者の感覚を鋭く切り取る小説集。醒めた語りの奥に暴力性や空虚さがにじみ、日常の足場が崩れていく感覚を描く。
無情の世界は、現代社会を手がかりに人の心と時代の気配を描く作品です。
現代社会若者不穏孤立
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第15回(2002年) 候補受賞作: ニッポニアニッポン
『ニッポニアニッポン』は、阿部和重による三島由紀夫賞の対象作品。題名が示す印象を入口に、人物の動きや時代の気配を読者に伝える。
『ニッポニアニッポン』は、阿部和重の作品世界を伝える受賞対象作である。
受賞対象作人物と社会時代の空気
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第58回(2004年) 受賞受賞作: シンセミア
山形の架空の町を舞台に、血縁、暴力、宗教、噂が複雑に絡み合う長篇小説。多人数の視点と濃密な土地の気配が、現代社会の暗部を大きなうねりとして浮かび上がらせる。
『シンセミア』は、受賞歴から作品の輪郭が見える一作で、作者の関心が題材と語り口に表れている。
400ページ群像劇地方都市暴力と記憶
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第15回(2004年) 受賞受賞作: シンセミア
山形の町を舞台に、戦後史、犯罪、性、宗教、地域共同体の歪みが巨大な物語として噴き上がる長編。複数の出来事が同時多発的に絡み、地方都市の闇を描き出す。
町そのものが、隠された歴史と欲望を語り始める。
400ページ現代小説地方都市戦後史共同体
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受賞作: グランド・フィナーレ
神町を舞台に、終わりと始まりが入り混じる人間関係を描く小説。壊れたもの、演じられたもの、土地の因縁が絡み合い、阿部和重らしい硬質な視線で物語が進む。
神町で、ひとつの終幕が別の物語の始まりへ変わる。
232ページ神町終幕家族と性現代小説
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第46回(2010年) 受賞受賞作: ピストルズ
山形の架空の町・神町を舞台に、菖蒲家をめぐる秘術、血縁、語りの迷宮を描く長編。純文学と伝奇的想像力を交差させ、共同体の神話を組み替える。
魔術師一家の伝承が、神町の歴史を異様な光で照らす。
667ページ魔術的リアリズム家族民俗
作品
代表作
アメリカの夜
1994年 短編/小説デビュー作。語り手と主人公の分裂、自己言及的な構造を持つ作品。群像新人文学賞受賞作。
インディヴィジュアル・プロジェクション
1997年 長編小説スパイ養成所出身者の日記という設定で、理論性と娯楽性を兼ね備えた長編。『J文学』の代表作として注目された。
無情の世界
1999年 短編集/小説短編・中編を収めた作品集。『トライアングルズ』などを含み、ストーカーや暴力をめぐる物語を収録。野間文芸新人賞受賞。
ニッポニアニッポン
2001年 長編/中編少年がインターネットを通じてトキの殺害を計画する姿を描いた作品。芥川賞候補作。
シンセミア
2003年 長篇(全2巻)東根市神町を舞台にした大長編。約1600枚に及ぶ大作で、神町を軸に壮大な物語世界を構築。伊藤整文学賞・毎日出版文化賞受賞。
- タイ語翻訳あり
グランド・フィナーレ
2005年 短編/小説娘の写真問題で破局した男が東根の神町で二人の少女と出会う物語。第132回芥川賞受賞作。
ミステリアス・セッティング
2006年 小説(携帯小説発表)携帯小説として発表された作品。『マッチ売りの少女』の現代的再解釈をはじめ、既存の文体をリセットする試みが見られる。
ピストルズ
2010年 長編小説連載を経て出版された長編。2010年に谷崎潤一郎賞を受賞した注目作。
Orga(ni)sm(オーガ(ニ)ズム)
2019年 長編小説神町サーガを完結させた長編。阿部文学のテーマと構造が結実した作品として位置づけられる。
全著作
- アメリカの夜 (1994)
- ABC戦争 (1995)
- インディヴィジュアル・プロジェクション (1997)
- 無情の世界 (1999)
- ニッポニアニッポン (2001)
- シンセミア (2003)
- グランド・フィナーレ (2005)
- ミステリアス・セッティング (2006)
- ピストルズ (2010)
- クエーサーと13番目の柱 (2012)
- □(しかく) (2013)
- Deluxe Edition (2013)
- キャプテンサンダーボルト (2014)
- Orga(ni)sm オーガ(ニ)ズム (2019)
- ブラック・チェンバー・ミュージック (2021)
- ULTIMATE EDITION (2022)
作品の翻訳
- いくつかの作品(例:『シンセミア』)がタイ語に翻訳されている
作風・主題
- 文体
- メタフィクション的自己言及形式実験的で長大な文体映画的イメージを用いる記述
- 頻出モチーフ
- 神町サーガ(地方共同体の物語)多元構造・入れ子構造インターネットとテクノロジー暴力・欲望・家族の崩壊ポップカルチャーの引用
評価・遺産
1990年代以降の日本文学において形式実験と映画的視座を持ち込んだ作家として評価される。『シンセミア』や芥川賞受賞作などにより文学的地位を確立し、国内外で翻訳・招聘されるなど影響力を持つ。
大衆文化への影響
- 装幀がアダルトビデオのパッケージでパロディ化され話題になった
- 『神町サーガ』による地域設定が作品群の連続性を生み出した
引用
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複雑な心境です。
出典: 芥川賞受賞会見(『グランド・フィナーレ』受賞) (2005年) -
フーコーのような書き方ができたら、断筆してもいいと思う。
出典: インタビュー(映画・文芸に関する発言) (2000年)
豆知識
- 実家はパン屋で、子どものころ本屋と映画館が近所にあった。
- デビュー作の冒頭にブルース・リーを題材にした文章がある。
- 2005年の芥川賞授賞式で“うさちゃんピース”のポーズを見せ話題になった。
- 妻は同じく芥川賞作家の川上未映子(2011年に婚姻)。
- 作品はいくつかタイ語などに翻訳され、タイで招聘されたことがある。