日本の文学賞

← 受賞作品一覧に戻る
淫府再興 (講談社文庫 さ 108-1)

団鬼六賞

淫府再興 (講談社文庫 さ 108-1)

沢里裕二

京都の老舗香舗と、古くから伝わる淫道宗家という二重の顔をもつ家を舞台にした官能小説。若女将を中心に、香、伝統、秘められた欲望が絡み合い、古都の空間で奔放な物語が展開する。

官能文学京都家制度秘伝

作品情報

古都の香舗に隠された家の秘密が、欲望の宴を呼び起こす。

講談社文庫刊。講談社公式と NDL で ISBN、発売日、ページ数、シリーズ情報を確認した。第二回団鬼六賞優秀作として紹介されている。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
2013-02-15
ページ数
341ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062774734
ISBN-10
4062774739
価格
989 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

京都の老舗香舗「松香堂」は、催淫香の開発によって莫大な「裏の利益」を上げていた。若女将の松田光恵は、桃園淫道司家の宗主・桃園貴美子に平安時代から伝わる「淫の道」の真髄を教え込まれており、その性技は絶妙のものがある。淫道を究めんとする欲望は果てしなく、催淫香を焚かせ、日夜男を漁っているのだ。そんな彼女に吸い寄せられるように、色事の魔力に憑かれた男女が京都に集う。古都を舞台とした狂乱の「淫の宴」が、幕を開ける! 審査員の作家・石田衣良、作家・高橋源一郎もあまりの破天荒さに仰天した、第二回「団鬼六賞」優秀作。

沢里 裕二 会社勤務のかたわら、官能小説を執筆。2011年、第二回団鬼六賞に表題作を応募。それまでの作風を変えて「純粋な官能小説を目指した初めての作品」という同作は、選考委員の石田衣良氏と高橋源一郎氏の高い評価を得て、大賞に次ぐ優秀作に選出された。

レビュー

  • 良かった

    読んで、楽しめました。 この作家の作品を購入したいと思います。

  • 淫婦、最高!

    たった、一日で着いたのも、うれしかったが。作品も凄い。三津田信三さんは、漢字で恐怖を演出するが。この作者は、漢字で色情を表す。カバーも一見したところ、まるでお経の本のように何の変哲もないようだが。さにあらず。開巻から女性器の漢語的表現が目白押し。おまけに、その俗語の由来が「御真中口」であるなど。言葉遊びも多彩。 京都を舞台の和風官能物と高をくくっていたら、大間違い。女陰だけでなく、肛門の方も相当なもので。冒頭から肛門自慰が出てくる。陰茎大の指を持つ相撲取りの挿入。指二本の挿入と指をより合わせての抽送など。かなりの強烈な描写が随所に見られる。 ただ、残念なのは、後門単独攻めは、巻頭の自慰の場面だけで、後は指ないし本番とのいわゆる両門攻めばかりなのが残念。 また、肛門を「乾き門」と表現しているが。女性の肛門の内部は粘液が愛液ほどではなくても存在するので、それは残念だ。 後半は、即物的な描写が多くなってきて、ちょっと興醒めだが。今、巷に溢れている、安直ポルノに比べれば、出色の出来。 また、主人公が最後まで肛交を抑えたのも、この作品の美学といえるかもしれない。女性の肛門は、括約筋が随意筋で女陰の 動きを制御しているのだから、本来は性感がこちらの方が高いのは、当然の理。次回は、肛門単独攻めと肛門性液、内部の描写を是非 期待したい。本番思考の読者、是非購入をお勧めする。 技巧派の読者も、自分のやり方と比較して読むのも、勉強になると思う。 また、排便などの描写はないので、女性の方にもお勧めと言える。 是非、そろえておきたい、性の花伝書。

  • 一風変わった設定に女性主体の官能小説。

    「淫道」なるものが嘗て存在しており、性的なものが否定され歴史の表舞台から消えた今も社会の陰に存在し続けていると云う設定で書かれた女性主体の官能小説。 男性読者を想定してか章に依っては男性視点の部分があるが、主役は「淫道」を継ぐ一人の女性と、彼女の異母妹で天性の淫乱である女性。女性視点で欲情し感じる女性が描かれており、そのせいか濃厚ではあるものの優しく瑞々しい雰囲気が全体を覆っている。 メインの舞台が京都と鎌倉である事も風情を感じさせて良い。

  • 御真中口、御真中・・・

    表紙の彼岸花、淫府再興、これだけで純和風なストーリーを思い描くがその通り! 団鬼六賞の優秀作品だというが、まあ、なるほど。文学的なお話にSMが辛うじて乗っかった感じの官能小説。プレイもソフトで、SMらしい道具は縄、手錠、バイブ位な物。 女性が読むには優しく愛に満ちているが、登場する女性が全員淫乱なのはどう捉えられるかです。もっともこの作品は風情と情緒のストーリーを堪能するものであって、官能を求めてはいけない作品だと思う。国語の教科書がこんなだったら、みんな成績上がるよね?w ワンコ区分は・・・ SM度-1(レズプレイ)、愛情度+6(夫婦だし)、ストーリー度+9(広い世界)、フェチ度+1(着物)となります。 この区分の詳細を知りたい方は左上のワンコの丸写真をポチっとして下され^^

  • 面白いけど若干散漫な印象も・・・

    『処女刑事』が良かったので、手に入れてみました。 やはりこの作者の特徴である凝った設定と展開、登場人物の多さ、 登場する女性キャラクターの淫乱嗜好は共通している。 『淫道家』という特殊な設定や催淫香という小道具が登場し、 京都と鎌倉を舞台にした凝った展開をして楽しませる。 今日び、読み捨てにされがちな官能小説をこれだけ趣向を凝らして面白く書ける人も珍しいと思う。 読んでみて十分に面白いし、興奮もしたのだが、 女子大生を連れてくるあたりがピークで後半のバタバタした落ち着かないどんでん返しや ヒロインの魅力的な濡れ場が冒頭のシーンのみで終わってしまうことなどが少々気になった。 実力が有り余ってるかんじがする作者なので、勢い余ってしまうかんじかな。 官能小説としてはもう少しシンプルな方が読みやすいのでは?

  • 完成度の低さは推敲が足りないのか?

    全体を通して、陰部の表現方法がばらついている。 いや、各章またはその途中で思いつきで表記したのではないかとさえ勘ぐってしまうほど、統一性も方向性の一致もない。 だが登場する女性の性格と表現には個性がなく単一であり、皆が元来の淫乱性、又はその延長でしかない。 Gスポットを責めて潮吹きさせてと昨今のAVのような絶頂が、古来からの手法だったのかと、設定にも疑問がある。 どうにも気になった点・・・ 5円玉から10円玉への穴の広がり・・・おそらく5円玉の穴の大きさと言いたかったのだろう、さもなければ直径は1ミリしか変わらない。 銀塩フィルムにこだわる写真家が、ポジを出し惜しみするのか?ネガじゃないのか? 宗家が、時期後継者かもしれない女を、初めて赴くSMバーに預けたりするものかね? この作品を推薦した作家二名の名がカバーに記されていたが、名前は挙げないが どちら様もこういう小説には無縁の方のようだ。

関連する文学賞