あしたも、さんかく 毎日が落語日和 (講談社・文学の扉)
落語好きの少年を中心に、友だちとのすれ違いや家族との関係をあたたかく描く児童文学。笑いのリズムを通じて、人と関わる難しさと、自分の言葉を見つける過程を描いている。
作品情報
落語の笑いが、少年の毎日を少しずつ変えていく。
受賞時タイトル「あしたも、さんかく」は、刊行時に『あしたも、さんかく 毎日が落語日和』として講談社から出版された。空気を読むことが苦手な少年が、落語との出会いを通じて周囲との関係を見つめ直す物語で、学校生活の痛みと笑いを児童文学として扱う。
レビュー要約
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学校で浮いてしまう少年の戸惑いと、落語を通じた立ち直りが共感を集めている。重くなりすぎない語り口で、友人関係のぎこちなさを描く点が読みやすい。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2014-05-30
- ページ数
- 226ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 15.8 x 2.1 x 21.8 cm
- ISBN-13
- 9784062832281
- ISBN-10
- 4062832283
- 価格
- 1230 JPY
- カテゴリ
- 本/絵本・児童書/読み物
令丈ヒロ子氏、絶賛! 小5の3学期、クラスを仕切りたがる圭介は、幼なじみの春香に「おせっかい」とツッコまれ、「空気の読めない奴」と浮いてしまった。そこに失踪したじいちゃんが現れた。50歳で仕事を辞めて落語家に弟子入りし、酒でしくじり破門されたじいちゃんは、昔、取り上げた圭介の貯金を、アマチュア落語コンクールの賞金で返すと言い出した。半信半疑の圭介は、じいちゃんの話芸に、どんどん引き込まれ……。 『若おかみは小学生!』の令丈ヒロ子氏が絶賛。 「ダメダメな人にも、そうでない人にも、はてしなくあたたかいお話です。出てくる人みんなの体温があつい! 笑えます!」 小学5年生の3学期、クラスのイベントごとをいちいち仕切りたがる圭介に、幼なじみの春香が「低学年みたいに、やれ応援や、それ特訓やってがんばれるかいな。おせっかいはもう、やめとって」とツッコんだのをきっかけに、圭介は「空気の読めない奴」として、クラスで浮いた存在になってしまった。 そんな圭介の前に、5年前に失踪したはずのじいちゃんが、突然、姿を現した。じいちゃんは、家族のことを顧みずに50歳で仕事を辞めて落語家に弟子入りし、酒でしくじり破門され、あきらめきれずに独演会を開いたはいいが、その費用を孫の圭介の貯金から失敬したという過去の持ち主。 じいちゃんは、アマチュア落語コンクールで優勝して、賞金でお金を返すと大見得を切る。疑いの眼を向ける圭介を、じいちゃんは公園に連れていくと、古新聞を座布団代わりに、さくらんぼの木が頭から生えた男の落語をはなしはじめた。何とも奇妙なストーリーを表情豊かに語るじいちゃんの世界に、圭介はどんどん引き込まれていった--。
兵庫県西宮市生まれ。大阪教育大学卒業。本作『あしたも、さんかく』で第54回講談社児童文学新人賞に佳作入選。 第5回上方落語台本募集で入賞した創作落語が、天満天神繁昌亭にて口演される。日本児童文学者協会会員。「季節風」「こてまり」同人。
レビュー
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落語じいちゃんの破天荒ぶり・語り手の関西弁が生きています
落語家になろうとして、挫折したじいちゃんがかえってきた! 熱血しすぎて、クラスでの立ち位置に悩んでいる孫の圭介五年生が主人公。 ぜんたいを通して、この圭介の語りで話が進行していきますが、これが全編、関西弁です。 紆余曲折こまかくいろいろあって、じいちゃんが落語コンクールに出ようとしたり、圭介がクラスメートたちともめたり、家族の関係ががらりとかわったり、全然、先が見通せないストーリーの巧さですが、それを圭介ののどかな関西弁がつづってゆき、全体が落語のようです。 もしかして標準語の語りだったら、深刻になったかもしれないエピソードも、あたたかく楽しく読ませます。 「さくらんぼ」(江戸では「あたま山」)というノンセンス落語が中心になっていますが、これもじいちゃんの人生を象徴していて、また作者なりに工夫されたオチが素敵です。 作者もよほど落語が好きなんだなと思わせます。 偏屈ながら何とも魅力的な、このじいちゃん。 児童文学としてだけでなく、大人が読む「そのまま落語」としても味わえる、滋味あふれる作品です。
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さんかくでええ
題名そのままの、さんかくストーリーです。 「ちょっと空気読んだらええんちゃう」とクラスメートに言われる 小5の仕切りたがり屋、川瀬圭介が主人公。 関西弁での軽快な独白で物語は進みます。 突如圭介の前に現れた、失跡中のおじいちゃん。 落語家を目指して失敗し、事もあろうに、孫の圭介の貯金まで 手を付けてしまったおじいちゃん。 そんな「さんかく」なおじいちゃんに巻き込まれていく圭介。 落語の噺と絡ませながら、一筋縄ではいかない、 まさしく「さんかく」ストーリー。 でも、さんかくでええ、って思えてしまうんですね。 落語に造詣の深い作者ならではの、落語へのリスペクトを感じます。 落語って、奥深いです。 悩み多き、老若男女に読んでほしいです。
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どかんと上がる打ち上げ花火☆
講談社児童文学新人賞第一席に輝いた安田夏菜さんの作品。 いつもYA作品が多いという印象の賞ですが 今回は王道の児童文学作品!という感じで とても安心して最後まで読むことができました。 ユーモアがあって、ほろりとさせられて。 優等生ではない主人公とおじいちゃんのダメダメっぷりも 味があってとてもよかったです!
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快調なテンポで話は進んでいきます。
仕切り好きでみんなの反感を買ってしまう圭介。落ち込んでいる所へ、落ち込んでいる所に、疾走していたおじいちゃんが帰ってきた。落語に人生を見いだし、弟子入りしたのはいいけれど、酔っ払って師匠を殴り破門され、独演会を開いたと思ったらその費用は孫の圭介の貯金だったという、とんでもない人なのですが、今度あるコンクールで優勝し、そのお金を返すとはりきる、なんだか今もふわふわ人生。でも圭介はじいちゃんを応援します。 落語の登場人物のようなじいちゃんが、どう生きようとするか、クラスで浮いてしまった圭介は、どうするか? 快調なテンポで話は進んでいきます。 いいタイトルです。
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元気のない子におすすめ!
落ちこんで、自分のことがいやになって、そんなちょっと元気のない子に、「ほら、これ読んでみて!」とすすめたい本。 できるなら、読み聞かせてあげると、さらに効果的かも。 でも、落語調で読み上げるのは、なかなかむずかしいなあ。 孫とおじいちゃん。定番だけど、そこがいい!