日本の文学賞

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むこう岸

日本児童文学者協会賞

むこう岸

安田夏菜

『むこう岸』は、進学校で挫折して公立中学へ転校した和真と、生活保護を受けて暮らす樹希が、互いの境遇を理解できないところから出会い直す児童文学作品。貧困と格差を、当事者である中学生の視点から問い、立ち向かう方法を探っていく。

子どもの貧困格差生活保護居場所中学生の連帯

作品情報

向こう岸にいると思っていた相手の痛みを知ることから、二人の世界は少しずつ変わっていく。

講談社刊の『むこう岸』は、小学上級以上を対象にした安田夏菜の長編児童文学である。和真は有名進学校で落ちこぼれ、公立中学へ転校する。樹希は父を亡くし、母と妹と生活保護を受けて暮らしている。二人は「カフェ・居場所」で顔を合わせるが、互いの事情を受け入れられない。やがて、貧しさが学びや将来の機会を奪っていく現実を知り、中学生として何ができるのかを考え始める。日本児童文学者協会賞受賞のほか、社会問題を扱う児童文学としてドラマ化もされた。

レビュー要約

  • 貧困から抜け出す手立てを子どもの視点で具体的に描く点が支持されている。重い題材でありながら、互いを理解しようとする過程に希望を見いだす読みが多い。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
2018-12-06
ページ数
258ページ
言語
日本語
サイズ
13.6 x 2.1 x 19.5 cm
ISBN-13
9784065139080
ISBN-10
4065139082
価格
1540 JPY
カテゴリ
本/絵本・児童書/読み物

【対象:小学上級以上】 第59回日本児童文学者協会賞受賞作品。貧困ジャーナリズム大賞2019特別賞受賞作品。2019年、国際推薦児童図書目録「ホワイト・レイブンズ」に選定。 和真は有名進学校で落ちこぼれ、中三で公立中学に転校した。父を亡くした樹希は、母と妹と三人、生活保護を受けて暮らしている。『カフェ・居場所』で顔を合わせながら、お互いの環境を理解できないものとして疎ましく思う二人だったが、「貧しさゆえに機会を奪われる」ことの不条理に、できることを模索していく。立ちはだかる「貧困」に対し、中学生にも、為す術はある。児童文学作家のひこ・田中氏推薦。 【対象:小学校高学年以上】 第59回日本児童文学者協会賞受賞作品。貧困ジャーナリズム大賞2019特別賞受賞作品。 児童文学作家、ひこ・田中氏がイッキ読み! 「『貧乏なのはそいつの責任』なんて蹴っ飛ばし、権利を守るため、地道に情報を集める二人。うん。痛快だ。」 小さなころから、勉強だけは得意だった山之内和真は、必死の受験勉強の末、有名進学校である「蒼洋中学」に合格するが、トップレベルの生徒たちとの埋めようもない能力の差を見せつけられ、中三になって公立中学への転校を余儀なくされた。 ちっちゃいころからタフな女の子だった佐野樹希は、小五のとき、パパを事故で亡くした。残された母のお腹には新しい命が宿っていた。いまは母と妹と三人、生活保護を受けて暮らしている。 ふとしたきっかけで顔を出すようになった『カフェ・居場所』で互いの生活環境を知る二人。和真は「生活レベルが低い人たちが苦手だ」と樹希に苦手意識を持ち、樹希は「恵まれた家で育ってきたくせに」と、和真が見せる甘さを許せない。 中学生の前に立ちはだかる「貧困」というリアルに、彼ら自身が解決のために動けることはないのだろうか。 講談社児童文学新人賞出身作家が、中三の少年と少女とともに、手探りで探し当てた一筋の光。それは、生易しくはないけれど、たしかな手応えをもっていた――。

兵庫県西宮市生まれ。大阪教育大学卒業。第54回講談社児童文学新人賞に佳作入選した『あしたも、さんかく 毎日が落語日和』でデビュー。第5回上方落語台本募集で入賞した創作落語が、天満天神繁昌亭にて口演される。 ほかの著書に、『ケロニャンヌ』『レイさんといた夏』『おしごとのおはなし お笑い芸人 なんでやねーん!』(以上、講談社)、『あの日とおなじ空』(文研出版)がある。日本児童文学者協会会員。「季節風」「こてまり」同人。

レビュー

  • 読後感がとても良いです!

    何度読み返してもグッときます。少年少女の瑞々しさと、生きる力に励まされます。大好きな一冊です。

  • 中学受験たいさく

    まだ読破してませんが、息子が興味もってます

  • TVも面白かったが、本も面白い

    TVで面白かったので、ビデオで3回見た。今回、本も買って読んでみた。 TVと本で、内容にちょっと違う点があったり、TVで放映されていない場面があったが、 本を読んでみても、面白かった。

  • 子供に読ませたい

    生活保護色々言われてますが、人生何が起こるかわからない。自分も受給者になってもおかしくない現代、制度は知らないと意味が無いとの言葉響きました。

  • 青少年にとっての生活保護

    テレビドラマ化された直後に読んだ。 生活保護とは、その世帯の未成年者にとって何か考えさせられる。生活保護は恥ではない、というメッセージは可いが、子どもの学習権・幸福追求の権利を基に考えたとき、本作品は余りに経済的自立に事柄を寄せすぎだという印象を持った。 想起されるのは、今係争中の「長州事件」である。祖父母と孫の3人世帯で、孫が世帯分離をし同居自活しながら准看護師の資格を取り、正看護師を目指そうとした途端、世帯分離を認めず准看護師として祖父母の扶養をさせた。このことで予定していた進学ができなくなった、という事案である。 生活保護を受ける限り、最低・底辺の自立しか離陸できない、最後まで人を押さえつける制度に、作品はもっと批判の目を向けてほしかった。

  • 一気に読み終えました

    このような本が出版されていることを知らず、わかってからすぐに購入し、一気に読み終えました。内容は辛い話も多いですが、また読み返してみたいと思います。

  • みんなに知ってほしい。

    生活保護のことはあまり一般の人には知られていないと思います。いろんな人に(困っている人も、困っていない人も)知ってほしいことだから、星5にしました。とてもやさしい気持ちになれる物語でした。

  • もう少し

    良い点は素直に読みやすく問題提起になっている。 もう少しだけ踏み込んで厚みが欲しい、

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