作品情報
言葉にならない感情を、日常の手触りのなかから静かに呼び起こす。
講談社から2022年11月に刊行された単行本で、第168回芥川龍之介賞受賞作。表題作を含む3編を収めた小説集として紹介されている。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2022-11-10
- ページ数
- 144ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.7 x 1.5 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784065296837
- ISBN-10
- 4065296838
- 価格
- 700 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
第168回芥川賞受賞! 思い出すことは、世界に出会い直すこと。 静かな感動を呼ぶ傑作小説集。 娘たちが幼い頃、よく一緒に過ごした近所のショッピングセンター。その喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼びさましていく芥川賞受賞作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。 ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。 最初の小説集『ここはとても速い川』が、キノベス!2022年10位、野間文芸新人賞受賞。注目の新鋭がはなつ、待望の第二小説集。 二人の目にはきっと、あなたの知らない景色が広がっている。あなたは頷いた。こうして分からなかった言葉があっても、聞き返さないようになっていく。(表題作「この世の喜びよ」より)
1987年生まれ。関西学院大学社会学部卒業。 2018年、第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。 2019年、同詩集にて第24回中原中也賞を受賞。 2021年、小説集『ここはとても速い川』で第43回野間文芸新人賞受賞。 著書に『する、されるユートピア』(青土社)、『ここはとても速い川』(講談社)、詩集『遠景』(思潮社)がある。
レビュー
-
感動
いい内容でした
-
悪くはないんだけど意味が入ってこない
何でもない平凡な人生にも、喜びや心配がパンパンに詰まっているということを丁寧に描いていると思う。だが、どういうわけか文章を一度読んでも意味がスンナリ頭に入ってこない。いかん、と思って再読すると、そんなに難しいことが書いてあるわけではない。ホッとして読み進むと、油断した途端にまた意味が入ってこなくなる。 ごめんなさい。私には合わない文体なんだと思う。仕方ない、こういうこともあるさ。
-
良かった
良かった
-
ひどい低レベルな作
「この世の喜びよ」という仰々しいタイトルですが、お節介な喪服売場のおばさん店員が、ショッピングセンターで屯していた中学生と親しくなり(この中学生と親しくなる過程も作り過ぎで小説的リアリティーがありません)、いろいろやり取りする中で肌の手入れで余計なことを言って嫌われ、又たまたま再会して、どうしても声を掛けたくて、嫌われても「あなたに何かを伝えられる 喜び よ、・・」という低レベルなオチだそうです。オチのためにわざとらしく作られた展開に見えて、あまりに馬鹿馬鹿しくて残念です。(馬鹿馬鹿しいことを描くのが小説だという一つの見方もありますが、読む者に迫ってくる、強弱ありますがリアリティーがあってこそかと思います) ショピングセンターでの日常がだらだらと描かれ、男性店員やゲーセンおじいさんたちとのリアリティーのない出会いがあり、リアリティーのない娘の家出とも言えない家出があり、ただそれだけです。 「あなた」という二人称が使われていますが、違和感だけがあり、あまりに内容のない中味なので人称を変えて「神の視点」でも目指したのかと疑りたくなります。 ただ、女性特有な感覚、「女の体は 痛みと 出 ていく水 が 多 過ぎる よね、・・」という表現は多少参考になりました。こういう感覚をもっと生かせばいいかと感じました。ラストは「・・あなた の 胸 を 体 いっぱいの水が 圧する。」でした。 それに比べ、ショッピングセンター内で意図的にか観察的なコメントがいろいろ出てきますが、陳腐さしか感じませんでした。 ほぼ毎回ですが、権威好きで文壇という群れが好きな芥川賞選考委員の高邁な先生方のご意見はよくわかりません。芥川賞なぞ貰わない方が、村上春樹や吉本ばななのように優れた作品を書いていけるように思います。この作者の次作以降も読みたい、インスパイアーされたいという気にはなりませんでした。 余計なお世話ですが、音楽シーンやコミック、映像、ネット世界に、小説という言語表現はどんどん置いていかれているようです。 以上、あくまで素人の見解です。
-
文体が私には向いていませんでした
すでに何人かの方たちがおっしゃっているように、私にも合わなかったです。きっとこの文体はこの作者の独特のもので、それを美しいと感じ、心に響く方もいらっしゃるのでしょう。 ですが残念ながら私にはすんなりお話が頭に入って来なくて読んでる間ちょっと苦痛にさえ感じてしまいました... もしこの本のシナリオが別なスタイルで書かれていた場合、何気ない日常を送る様々な人たちとのさりげない関わりを素敵な視点で語られたお話であったと思えたのかもしれません。
-
満足しています。
大変きれいでした。ありがとうございます。
-
あんまり覗きたくないような、心に刺さってくるような複雑な感じ
一見は”平凡”といえば平凡かもしれない主婦の日常ですが、主人公の主婦の洞察がすごくて、読んでる自分は哀愁を感じました。あんまり覗きたくないような、心に刺さってくるような感じがして、こういった類の小説は個人的には苦手・・・。 複雑な感情を喚起してくるというところで小説としてはすごいのかも。僕は男で子供もいないからなのか、理由はよくわかっていません。
-
静かな、そして穏やかな時が流れる
読後、じんわりと温かさが訪れた。 少女が戻ってきた。 「娘も甘えすぎだよ」と少女に言われて いいじゃない、とあなたは大声で言い返した。 それから少女とは疎遠になっていた。 なおざりにしていたことに、蹴りがつく。 「これで最後だ」とあなたは伝えるのか。 そうすれば、あなたは旅立てるのか。 会えたこと、次の1歩を踏みだすこと。 静かな、そして穏やかな時が流れる。