日本の文学賞

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書籍情報

出版社
集英社
発売日
1997-12-01
ページ数
132ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784087743173
ISBN-10
4087743179
価格
1980 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

第21回(1997年) すばる文学賞受賞

レビュー

  • もっと虚構の世界に浸りたかった。

    興味のある作家が近辺に住んでいることを知り、 少しずつ作家に近づこうとする女学生が主人公。 (目標は近くにあるのに、なかなかたどり着けないという物語は、 カフカの『城』という小説に似た感触を与えます。) まず読む人を選ぶのは、一文の長さ。 言い回しは非常に巧く、文章を書く上で参考になりますが、 この長さは慣れないうちは疲れるかもしれません。 個人的に最も惹かれたのは、本の文字が毛となって滑り落ちる描写。 てっきり、ここから一気に虚構の世界へ導いてくれるのかと思いきや、 あっという間に現実へと引き戻されてしまいました。 この部分が、非常に惜しく、星四つとさせてもらいます。

  • 感染する文学

    今後期待できる清水博子の処女作。この人はじつはかなり文章が巧いし、それに金井美恵子直結の作家だからどうしたって気になる。この人にとって金井美恵子は「どうして私たちはあの作家がこんなに気になるのだろう」という存在のよう。 で、この作品が注目なのは、もしかしてあの作家では? と思わせる女性作家が作品の中に登場するから。生活にだらしがなくて、話をすればひどく俗っぽくて、兄弟と住んでいる、と言えば??? 作者はそのいわくありげな作家について卒論を書こうとする女子学生で、ひょんなことからその作家本人のことを知ってしまい……という展開。しかしそれは文学とは何か?という真摯な問いかけから生まれた設定でもあって、文学とはようするに知らず知らずのうちに感染しちゃうものだ、ってことが書かれているのかもしれない。舞台となっている下北沢の町の描写がじつは一番魅力的だったりする。おすすめ。

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