書籍情報
- 出版社
- 集英社
- 発売日
- 1999-01-05
- ページ数
- 216ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784087743821
- ISBN-10
- 4087743829
- 価格
- 699 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
カリブ海に浮かぶトリニダッド・ドバゴへ向かう機内で、マヤは回想する。なぜこれほどパン(スティールドラム)の音に魅かれるのか…。熱帯の風光と狂気を活写。第11回小説すばる新人賞受賞作。
レビュー
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映像が浮かぶ一冊
ともそさんの本はどれも、頭の中で映像が流れる。この本は情熱的でありながら、静かに流れる映像。 地下鉄ホームで聴くスティールパンの音は人々を魅了せずにいられない音。ニューヨーク観光の前後で読めば、作中に登場するW4th や Bleeker Stの駅、地上に出てイーストリバーを渡るシーン、全てそのまま今も存在する。映像を見るように、ニューヨークそしてカリブのトリニダード・トバゴでのシーンが描かれる。その土地と登場人物の息遣いを感じられる一冊。
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ラテンの熱い風が、爽やかに吹き抜ける‥。
心象風景と実際の風景描写とが絡まりあい、見事なハーモニーを奏で、読者を魅了する。 過去をひきずる一人の女の恋の履歴を語り、今に生き、一夜限りの恋を求める男の生活を語る。 それがNYだから、トリニダードトバゴだから成り立つ訳でもなかろうが、東京でも大阪でも、 京都でも、こうはなるまい。 二月のNYの地下鉄と陽光まばゆいトリニダードとの対比は、モノクロとカラーとの対比であり、 抑圧と開放との対比でもあるだろう。 マヤとグレッグの、セピア色の過去と、息をし、生々しい現実を生きる若い肉体との対比でもあろう。 息づまるような欲望の高まりと、カーニバルの喧騒。 南の熱い太陽は、読者の胸をも焦がして止まない。
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幸せな村山由佳
本屋で表紙がきれいだったので、いわゆるジャケ買いをしました。 今まで野中ともその本は読んだことがなかったのですが読みやすかったです。 なんだか、村山由佳のハッピーエンド版という気がしました。 村山由佳はバッドエンドの話が多くて、そこが大好きなのですが。 でも、この本は幸せな恋愛を描いた本だと思いました。 アメリカ在住の作家さんなので、アメリカの雰囲気の描写が良かったです。 すごく、感じられる本だったと思います。 読んでよかった。
関連する文学賞
- 小説すばる新人賞 第11回(1998年) ・受賞