日本の文学賞

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ベイビーシャワー

小学館文庫小説賞

ベイビーシャワー

山田あかね

仕事を持つ女性が、母になる時間の限界を意識しながら出産を選び取ろうとする長編。恋愛、友情、家族観の揺れを通して、自分の人生を自分で決めることの切実さを描く。

出産女性の自立友情家族

作品情報

母になることをめぐる決断が、友情と恋愛の輪郭を変えていく。

『ベイビーシャワー』は、自立して働く女性が子どもを持つことをめぐって動き出す物語。受賞時の表記「ベイビー・シャワー」から、刊行時には中黒なしの題名で出版された。

レビュー要約

  • 女性の身体と人生設計を正面から扱う題材に読み応えがある。軽やかな題名に対して、選択の責任をめぐる現実的な重さが残る。

書籍情報

出版社
小学館
発売日
2004-08-30
ページ数
239ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784093861434
ISBN-10
4093861439
価格
455 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

テレビカメラマンの今日子と料理番組アシスタントの美園はともに39歳。それなりに やりがいのある仕事と自由な恋愛を楽しんできたが、40歳を前にして、突然、不安に 襲われる。 「コドモ」なしの人生で、本当にいいのだろうか。このままいけばすぐに生物学的に 子供を持つことは難しくなる。それはもしかすると、とてつもない幸運や幸福を取り 逃がすことにならないだろうか。 かくして、美園は、「母親」になることを決意し、今日子とともに、「父親」探しを 始めるのだった。

テレビディレクター20年の経験を経て、小説デビュー。ドキュメンタリー、ドラマ、脚本作品、多数。 テレビはマスメディアである限り、真実を描くには限界があると知り、小説へ。これまで書かれていない女性像を書きたい。 東京生まれ/女性/独身/早大露文卒/犬好き

レビュー

  • 40歳手前の女性達の様々な心象風景

    40手前の女性達の、子供を持つ事への葛藤を、産まれた息子の視点で描いています。 それに関わる男性達も様々。 どの女性も、自分の中のどこかに似ていて共感してしまう。。 自分の在りかたをふと考えてしまう作品です。

  • 期待が大きすぎて惜しくも星4つです

    40歳を目前とした独身女性二人の物語。 いろんな葛藤やトピックはあるのですが、一貫したテーマは出産です。 親友である2人の考えがそれぞれ違うのもうなずけるし、同年代の 女性ならば登場人物2人に共感できる部分が多いことでしょう。 どういったいきさつで誰が誰の子を産むのか?結果的にはいろんな どんでん返しの末に出産にいたる訳ですが、私個人としては物語の 最初と最後、生まれてきた子供の視点で語る部分はなくてもよかったかな?と思います。 2人の女性のそれぞれの視点で書かれているものの方がより、読みやすく、 伝わってくるものがありました。 ただ、こんな形の家族、あったらいいなと心から思いましたし、 結婚や出産に関しては日本という国はつくづく遅れているなとも 感じました。未来の日本の家族のあり方のほんの始まりを作者はさらりと 書いてくれているような気がします。

  • とても新鮮&驚き

    実はあまり期待せずにこの本を開いたのですが、まず冒頭の子供のモノローグからこの作家の感性に驚かされました。文章が新人?とは思えない程とても上手く、そこに小気味いいユーモアも加味されており、数行で読者のこころを掴まされます。そして、そのまま一気にラストまで・・。 タイトルから内容が男にはキツイかなと心配していましたが、読み終わったときには主人公の女性二人に感動とエールを送りたい気持ちになりました。本当に楽しく&せつない、素晴らしいエンターテイメント作品に仕上がっていて、久々に、次作を心待ちにさせる作家が出現したっていう感じです。

  • 新しい家族のかたち

    40歳を目前にした独身の女性が子どもを持つまでを清冽な文章で綴った作品です。物語の始まりから、主人公と言える二人の女性と取り巻く人々のさまざまな係わり合いが丁寧に描かれ、それぞれが新しいかたちの人と人との関係を表現しています。それは最初、出口のない関係のように感じられます。しかし作者の未来への信頼の反映だと思いますが、物語の後半では新しい家族のかたちとして昇華されていきます。女性が中心の物語だけに男性は手に取る前から敬遠してしまう作品かもしれませんが、読み進むとともに、既婚者であれば自分と家族の関係を見直すきっかけになる、若い独身男性であれば、それこそ自分の生き方を変えてしまうだけの力がある作品だと思います。 また作者がテレビの世界で活躍している方のためか、描写がとても映像的です。特に冒頭の「僕」の独白の部分、それに続く主人公のビデオカメラマン「キョウコ」の仕事中の描写は映画フィルムの一部分を見るようで心地よいリズムがあります。全体を通して視点が意図的に微妙に移動するところなども映像的で、そこにも作品の新しさを感じます。

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