日本の文学賞

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テロリストが夢見た桜

小学館文庫小説賞

テロリストが夢見た桜

大石直紀

受賞時題名「ジャッカーズ」は、刊行時に『テロリストが夢見た桜』へ改題された。新幹線ジャックと国際政治を絡め、過去の戦争体験や家族の記憶を背負う人物たちを描くサスペンスである。

サスペンステロリズム戦争の記憶家族

作品情報

疾走する列車の密室に、戦争の記憶と現代の暴力が交差する。

『テロリストが夢見た桜』は、小学館文庫小説賞を受けた「ジャッカーズ」を改題して刊行した作品。新幹線をめぐる事件を軸に、国際情勢、戦争体験、個人の喪失を結びつける。

レビュー要約

  • 列車ジャックの緊迫感と、過去を抱える人物描写を重ねる構成が読みどころとされる。社会的な題材を娯楽小説として進める勢いがある。

書籍情報

出版社
小学館
発売日
2003-10-01
ページ数
318ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784093874748
ISBN-10
4093874743
価格
53 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

のぞみ16号がイスラム過激派を名乗る何者かに乗っ取られた。姿を見せぬ犯人の要求は、100万ドルの現金、そしてある大物テロリストをパウエル米国国務長官とテレビ討論させること。犯人の真の狙いは一体何なのか――。 JRの新幹線運行本部のデスクに、若い女の声で一本の電話が入った。「博多発東京行きのぞみ16号を乗っ取りました……。」千人を超える乗客を乗せた新幹線をどうやって!? 犯人の要求は、100万ドルの現金、そして東京拘置所に拘留中のイラク人大物テロリストを来日中のパウエル米国務長官とテレビ討論させ、その様子を全世界で放映すること。テロリストたちの真の目的はどこにあるのか? だが警察は、次々と講じてくる犯人の奇策に翻弄されて、いっこうに手が出せない。緊張を強いられる人質と乗員たちの人間模様。そして追いつめられ、テロリストたちが描いていた、意外な「夢」――。 第3回小学館文庫小説賞受賞作品、満を持してついに刊行

レビュー

  • 中途半端

    人物描写や事件発生から解決までの流れすべてが中途半端。 どの登場人物にも感情移入出来ず、犯人側の動機も理解出来ず、 ラストの盛り上がりも無かった。 軽快に読める為、初心者向けです。

  • 新幹線乗っ取りの意外な手段

    博多発のぞみを乗っ取る犯人達の数奇な運命と、事件に巻き込まれた車掌の家族を上手く絡めてます。 新幹線を乗っ取り、強行突入を防ぐ方法に注目です。

  • やがて散ることがわかっている<桜>のような犯人に心動かされる

    「新幹線のぞみ」を乗っ取るという想像を絶する事件の発生から物語がスタートし、話中の新幹線同様、ノンストップで一気に結末まで読ませるサスペンス小説だ。 舞台が我々が日常使っている新幹線というのがポイントで、たとえば途中の駅をどうするんだろう、あれだけ多くの車両を、犯人はどうやって掌握するんだろう、終点の東京駅では止まらないわけにはいかないがどうするんだろう・・・などと読者が極めてリアルに想像できる。 この犯人はその一つひとつをしっかりとクリアしていくので、読者は犯人に少しずつ共感を覚えていくのではないか。 犯罪は卑劣で許すべきではないが、読んでいるうちに、この犯人の思いに共感し、「終点」に着くのが惜しいと思ってしまった。 なお、最初はダメダメだった新幹線の乗務員が、次第に強い意志で犯人に立ち向かうように変わっていくところも見どころです。

  • 新幹線を乗っ取ってどうなるの

    この本を手にして、「新幹線を乗っ取ってどうなるの」との疑問が最初に湧いた。博多からでて、東京に着いたら折り返すのだろうか。犯人はどうやって降りるのだろうか。 それらは本書を読み進むうち、警察(および読者である私)の裏をかく数々の手段に拍手しながら、吹き飛んでいった。新幹線という馴染みのある舞台というのもわかりやすかった。 次はどうなるのかと一気に読み進んだ秀作です。結末も皆、満ち足りたものとなっています。

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