作品情報
父が最後に食べたかったものから、家族の記憶が静かにほどけていく。
小学館の単行本。食べ物と記憶を結びつけながら、父との距離や土地の時間を見つめ直す。
書籍情報
- 出版社
- 小学館
- 発売日
- 2021-10-26
- ページ数
- 336ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.7 x 2 x 19.4 cm
- ISBN-13
- 9784093888417
- ISBN-10
- 4093888418
- 価格
- 1870 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/ロシア・東欧文学
三世代の記憶を紡ぐ初の自伝的エッセイ集 『本の窓』人気連載を元に、昭和、平成、令和 にまたがる三世代の記憶を紡いだ、著者初めての自伝的エッセイ集。 -目次より- 「父のどんぐり 」「母の金平糖 」「風呂とみかん」「ばらばらのすし」「やっぱり牡蠣めし」「悲しくてやりきれない」「饅頭の夢」 「おじいさんのコッペパン」「眠狂四郎とコロッケ」「インスタント時代」「ショーケン一九七一」「『旅館くらしき』のこと」「流れない川」 「民芸ととんかつ」「祖父の水筒」「場所」「父のビスコ」ほか。 「金平糖が海を渡り、四人きょうだいが赤い金平糖の取り合いっこをする日が来ていなければ、いまの自分は存在していない。もし、祖父が帰還できなかったら。もし、岡山大空襲の朝、祖母ときょうだいたちがはぐれたままだったら。もし、父の目前に落ちた射撃弾の位置がずれていたら。『もし』の連打が、私という一個の人間の存在を激しく揺さぶってくる」(「母の金平糖」より)。 『旅館くらしき』創業者による名随筆を同時収録。
レビュー
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倉敷をゆっくり訪れたくなります。
倉敷での家族の記憶、倉敷の歴史が丁寧に、日本語の美しさや深さを伝える言葉で綴られています。
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平松さん一族の歴史的エッセイです!
本書は、雑誌「本の窓」の人気連載に加えて、昭和、平成、令和 にまたがる 「三世代の記憶」を紡いだ、著者初めての自伝的エッセイ集です。今はなき平松さんの ご実家は、倉敷の「美観地区」にある「大原美術館」や喫茶店「エル・グレコ」の すぐ傍にあったといいます。また、彼女は絵描きを目指していた父に連れられて、 「倉敷民藝館」で開催された民芸運動家の外村吉之介さんの講演会に参加したことも あるそうです。 天台宗の僧侶だった祖父を始め、穏やかで家族思いの父と外食を嫌い「ハレの日」には 家族のために手の込んだ「ちらし寿司」を作ってくれた母の手によって、大切に育てられた 平松さんの描く壮大なファミリー・ストーリーには、えも言われぬ深い味わいがありました。 久しぶりに、平松さんの食エッセイを読んでみようと思います。 ちなみに、この印象的な装幀画は、作家の堀江敏行さんのお嬢さんの堀江栞さんの作品だそうです。
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とにかく素晴らしい
記憶に拘泥することもなく、身内についての語りに偏ることもなく、市井の人々のそばを記憶の中で歩きながら見つめたような本。 祖父母が詠んだ俳句や、『旅館くらしき』創業者による名随筆も収録されており、「自伝」とくくるよりも、日本のある場所に生きたあるひとびとの営みに向き合って書かれた一冊だとおもう。
関連する文学賞
- 読売文学賞 第73回(2021年) ・受賞