こうして彼は屋上を燃やすことにした (ガガガ文庫)
失恋で生きる希望を失った三浦加奈は、学校の屋上で「ライオン」「ブリキ」「カカシ」と呼び合う少年少女に出会う。『オズの魔法使い』になぞらえた関係の中で、傷ついた若者たちが復讐と救いの境目を揺れながら、居場所を取り戻していく青春小説。
作品情報
屋上に集まった傷だらけの少年少女が、復讐の先に自分の居場所を探す。
『こうして、彼は屋上を燃やすことにした』は、失恋をきっかけに屋上へ向かった加奈が、同じように心に傷を抱えた三人と出会う物語。彼らは本名ではなく『オズの魔法使い』の登場人物名で呼び合い、復讐を口にしながらも、互いの痛みを少しずつ見つめていく。閉ざされた屋上から始まる、切実な青春の再生譚。
レビュー要約
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寓話的な呼び名で距離を保つ少年少女の関係性と、後半で感情がほどけていく構成が評価されている。痛みの強い題材ながら、読後に爽やかさが残るという反応が目立つ。
書籍情報
- 出版社
- 小学館
- 発売日
- 2011-05-18
- ページ数
- 280ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784094512700
- ISBN-10
- 4094512705
- 価格
- 48 JPY
- カテゴリ
- 本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル
「鳥肌モノ」と麻枝准が賞賛した、青春小説 「他に好きな人ができたんだ」 「い、嫌だっ」 彼氏のアメくんにフラれて生きる希望を失った私は、衝動的に学校の屋上へと向かう。身を投げるために。 けれどそこで私は、「ライオン」「ブリキ」「カカシ」と『オズの魔法使い』になぞらえて呼び合う奇妙な3人と出会う。みんな私と同じように死にたいと思っていて、だけど3人は「復讐してから死ぬんだ、あなたもそうしませんか」なんてあっけらかんと言う。拍子抜けして、自殺する気がしぼむ私。そして、アメくんとの思い出に彩られていない唯一の場所である屋上へと、日々、私の足は向くことになる――。 「独特の空気感を纏ったジュブナイル小説(あえてライトノベルとは呼びません)。オズの魔法使いに登場するキャラクター名で記号的に呼び合う仲間たちの物語なので、その空気が後半まで壊れない。そしてそれを壊す時=その隠されていた登場キャラクターの名前が一気に明かされるシーンは、鳥肌モノでした」と 『CLANNAD』『AngelBeats!』の麻枝准氏が賞賛した、第5回小学館ライトノベル大賞・ガガガ大賞受賞作。誰もが経験する恋愛の痛みを、こぼれ落ちそうな思春期の内面を描き切った、青春小説。
レビュー
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懐かしい青春
どのキャラクターも高校生らしさが出ていてよかったです。 その歳にはやや重すぎる悩みを、彼女らなりにもがきながらも行動して解決する姿が昔の学園ラノベっぽくて懐かしかったです。 主役が女の子視点なのも新鮮でした。
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うまいのになぁー。
アイデアとか文章とか上手いのに、 各々の事件の解決方法が思いつかなかったのかテキトー。 それだけ盛り上げたのに、なんでもっとちゃんとした理由を考えなかったのか…。 もったいないの一言。
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読了後に残る余韻が心地良い
全体的に話が非常に綺麗に纏まっている作品。 主人公の視点で四つの物語が進み、最後に一つの話にまとまる構成。 主人公である加奈の青臭くも真っ直ぐな考え方と行動によって問題が解決されていく様は、まるで活劇物を読んでいるかのような爽快感を覚える。 全体を通して読み易いのは、ライトノベルに共通する分かり易い表現や会話が多い構成というだけでなく、恐らく各章における起承転結のバランス感覚が優れているからだろう。 微笑ましいちょっとしたキャラの仕草。 四人の主要キャラが背負う過去。 その過去に対する思い切った主人公の行動と他のキャラとのぶつかり合い。 清々しさを感じさせる結末。 これらの要素が各章隔たり無く鏤められていて、よくありがちな導入部分の物語への入りにくさや物語中盤の停滞感も感じることもない。 気になった点は、全体的に少しご都合主義が目立ち過ぎること。 予め定められた物語の終着点から逆算されたかのように進む物語の進行には、結末に意外性を求めている人にとっては肩透しを食らうかも知れない。 また、物語の主軸となる各登場人物の悩みも(少なくとも本人にとっては)切実なはずなのだが、物語が綺麗に流れ過ぎているせいで共感を十分に得られないまま次の場面へと話が進み、クライマックスへ繋がるダイジェストを読んでいるかのような感じを得る人も恐らくいるだろう。 見方によっては、かなり一方通行的に主人公の願いが反映されているとも言える。 新人賞の投稿作品ということで何とか定められた文量に纏める必要があったのだろうが、何巻かに分けてより深く、細やかに描写されていくと更に面白い作品に仕上がったのではないかと思う。 良くも悪くも実に真っ当な日常を舞台にしたライトノベルと言うべき作品で、個人的には気になった部分よりも読み易さや読了後に残った心地良さの方をより強く感じた。
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すごくきになってました
気になっていたので購入しました。 これから読みます。楽しみです。
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思春期の心の問題と、それらに向き合うカタルシス
小学6年生の時に読んだこのラノベを、大学4年生になって改めて読んだ。 初めて読んだ当時は、ただ、いじめや問題を解決するだけのスッキリ小説のようなものとして認識していたが、今になって読むと思春期特有の他者へ対する期待と不安、その他心の問題などについて一つづつ向き合っている小説で、爽やか過ぎない読了感があった。 幅広い人におすすめできると思う。
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救済も期待できない中で生きる方向を自分で掴んでいく、弱い若者たちへのエール
カミツキレイニー氏の『黒豚姫の神隠し』が素晴らしく面白かったので、作者の出発点といえる本書を読んでみました。 完成に5年の違いのある両書がどちらも『オズの魔法使い』がベースにあって、特にこちらでは登場人物まで、ドロシー、ライオン、カカシ、ブリキのあだ名で、まさにそんなキャラを背負って青春と格闘しています。信じていた彼に振られて自殺を試みるドロシーは飛び降りようと上った高校校舎の屋上でライオンたちと出会います。彼ら彼女らも死んでしまいたい苦しい過去を抱えているようで、過去の清算、復讐に進んでいくのですが、ドロシーにかき回されて、いろいろ余計なことが発生します。さて、4人の結末やいかに。 普通の、弱い若者たちが、悪い奴らに傷つけられ、救済も期待できない中で、どう生きるか、あるいはどう死ぬか、あくまで彼らの目線で綴った今の物語は、普遍的なものを捉えていて、多くが読み捨てられていく小説たちの中でもしっかり残っていく良作だと思います。
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オズの魔法使いの良さがわかる。
余計なものを削ぎ落とした文章。 しっかりと収束していく展開。 『オズの魔法使い』ありきの話であることと、 そんなことくらいで死んだり殺したりしたくなるか?と いう二点が気になった。
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まさに青春小説
とにかく話の構成が上手い。屋上メンバーの個々の話が1つにまとまっていく様は読んでいておおお!と思った。 最初、ドロシー?と思ったけど、主人公は見事にドロシーの役割を果たしてました。銀の靴からこれかぁ!と思わず綻んだ。 カカシとライオンとブリキも凄く魅力的。 本文にタイトルが出た時はなるほど、と感心した。 読後もすっきりします。青春小説としては本当にいい。かなりのオススメ。
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