日本の文学賞

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恋人たちの森 (新潮文庫)

田村俊子賞

恋人たちの森 (新潮文庫)

森茉莉

森茉莉の耽美的な小説世界を代表する短編集。表題作では、純真さと退廃、憧れと禁忌が重なり合い、言葉の贅を尽くした文体で恋の光と痛みが描かれる。

耽美禁忌の恋純真と退廃森鴎外の娘女性文学

作品情報

禁じられた恋の光と悲傷を、濃密な言葉で包み込む森茉莉の代表作。

『恋人たちの森』は、新潮文庫版で表題作のほか「枯葉の寝床」などを収める。森茉莉の幻想的で艶美な文体が、愛の歓びだけでなく孤独、背徳、記憶の痛みを濃やかに描き出す。

レビュー要約

  • 濃密な美意識と独特の語り口を魅力とする読者が多い一方、感覚の過剰さや閉じた世界に戸惑う読者もいる。文体そのものを味わう作品として読まれている。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
1975-05-02
ページ数
384ページ
言語
日本語
サイズ
14.8 x 10.5 x 2 cm
ISBN-13
9784101174013
ISBN-10
4101174016
価格
781 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

頽廃と純真の綾なす官能的な恋の火を、言葉の贅を尽して描いた表題作、禁じられた恋の光輝と悲傷を綴る「枯葉の寝床」など4編。

レビュー

  • 痺れるお耽美

    資料として注文しました。森茉莉の煌びやかな文章と如何にもスノッブな感じは、彼女のバックグラウンドを考えれば、納得ですが、頭がクラクラ目眩をおこします(勿論、いい意味で) この耽美色満開の少年愛を漫画にしてほしい一作です。BL好きは必読のお耽美名作です。

  • 意外にハマらなかったです。

    意外にハマらなかった。 というか、二話〜四話は、主役のカップル(毎回別の人物なのですが)があまりに同じ調子で飽きてしまったのかも。 色にこだわった服装や当時の生活の描写は美しくてうっとりできます。 こういうジャンルが確立されたのはもっと最近のことかと思ってたが、森茉莉だけが突然変異で現れたわけでもないと思うので、そのあたりが知りたくなった。 美少年ものでない一話目がいちばん謎の(異様な)力があってよかった。 語り手の登場人物が途中でほとんど必要なくなったり、物語の主題もよく分からないのですが、独特の世界観でグイグイ読まされました。

  • 仏蘭西映画のような美しさ

    4編中3編が同性愛ものですが、別に「ゲイ」という部分に重きはなく、 とんでもなく綺麗で贅沢で現実離れした、惑溺しそうな恋愛小説集です。 森茉莉の耽美ものは、好き嫌いが激しく別れるかもしれません。 句読点の打ち方や漢字の使い方が独特で、そこも好みの別れるところでしょうが ちょっと真似したくなるような魅力があります。字面の美しさはこの作者ならではです。 また、この人は自他共に認めるすごい食いしん坊だったらしく、食べ物の描写が 上手でそこも魅力です。美男の主人公がレストランで恋人の美少年のためにあつらえたメニューが 「鶏の清肉汁(コンソメ)と冷肉(コオルドビーフ)にちさのサラドゥ、 乾葡萄入りの温かいプディングに、果物と珈琲」・・・何でもないようで、すごく美味しそうでしょう?

  • あの頃に

    高校生時代に読んだものを 今また読み返す。 何度目かのことです。 毎回 その時代に 【この役をやれるとしたら・・・?】と映像化する為のキャスティングを考えて時間がすぎます。 でも 見つからないんです〜はまり役が。 当て字?のDOQネームが話題になってるけど この本の中に出てくる言葉は 何故か上品ですぅっと入ってきます。

  • ちょっと残念

    想像より、焼けが多かった

  • ボーイズ・ラブの先駆者

    頑なまでの美意識、独特の禁欲的で透明な文体、エロティックなホモ・シーンなど。こういう世界が好きな人にはたまらない内容である。流行のやおい小説やボーイズ・ラブの先駆者といえるかも。

  • 流麗なレトリックを楽しめ

    「森茉莉って素敵なのよ。この人は〈アパート〉とは書かないで、〈アパルトマン〉という風に表現するのよ」。そんな話を、本好きの知人から20年も前に聞いたことがある。以来、いつか読まなければと思い続けてきた森茉莉だ。僕は今こうして本書を読了し、ある意味、本懐を遂げた気分である。 なんて、気取ったことを書いてみたが、正直とてもとっつきにくい本だった。特に最初は「読みにくい日本語だなあ」と思って、なかなかページが進まなかった。しかし、だんだん読み方が分かってくるにつれ、それなりに楽しめるようにはなった。それは「文意の理解はざっくりでいい、それより流麗なレトリックを楽しめ」という感じだろうか。「レオという、うすい黄金色(きんいろ)をした小さな蛇の、憎むべき魅惑」とか、よく思いつくなあという表現ばかりで、さすが三島由紀夫が激賞しただけはある。 本書には4本の中編小説が収められている。物語的に見れば、前半2作『ボッチチェリの扉』と『恋人たちの森』はあまり面白くなかったが、後半2作『枯葉の寝床』と『日曜日には僕は行かない』は面白かった、と個人的には思う。とはいえ、実のところストーリーはどれも同工異曲だろう。ラストで劇的な出来事が起きて終わる、というパターンが繰り返されるだけなのだから。それより大事なのは、やはりデコラティブなレトリックだ。 話はいきなり変わるが、小学生のころ読んだ漫画『パタリロ!』で、主人公パタリロが美少年の格好をして「少年愛の美学を追求する」という遊びをしているシーンがあった。そのときパタリロが「美少年はやたら小難しい漢字を使うのが好きなのだ」と説明するんだけど、そのギャグの面白さが、本書を読むことでやっと正しく理解できたということも書いておきたい。何はともあれ、僕は本書を読み切ったことに満足している。

  • お洒落かつ難しい

    「枯れ葉の寝床」が読みたくて購入しました。 やや古い本でした。中古で購入したので仕方ない事ですが。 昔の言葉使いが結構難しくて、なかなか読み進めませんが その分少しづつ読書する楽しみがあります。

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