日本の文学賞

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あとかた

島清恋愛文学賞

あとかた

千早茜

傷つきながら生きる男女の関係を、複数の物語として連ねた短編集。愛の名で結ばれたり離れたりする人々の、消えない痕跡を静かに描く。

恋愛喪失記憶関係性連作短編

作品情報

誰かと関わったあとに残る痛みと温度を、透明感のある言葉でたどる短編集です。

新潮社から刊行された連作短編集。人を愛し、失い、なお日々を続ける人物たちの感情を、抑制された文体で描く。のちに新潮文庫としても刊行された。

レビュー要約

  • 繊細な心理描写と、静かな余韻を残す構成が評価されている。関係の痛みを淡々と描く筆致に惹かれる読者が多い。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
2013-06-21
ページ数
186ページ
言語
日本語
サイズ
13.7 x 2 x 19.8 cm
ISBN-13
9784103341918
ISBN-10
4103341912
価格
770 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

きれいに洗っても、忘れようとしても、まだ残っているもの。それで、人生は満ちている――。結婚直前の不実も、不倫も、自分の体を傷つけてしまうのも、ここにずっといて欲しいとうまく言えないのも、ぜんぶ同じ。怖いから。抗いたいから。体と心が触れあった痕跡を遺すことだけが、私たちの唯一の寄る辺なのです――言葉にしたら消えてしまうかもしれない感情の奥底まで踏み込んで描ききった、痛くて優しい連作小説。

レビュー

  • 大切です

    もう一度読み返したくなる本は、年に2.3冊あるかないかなのですが、こちらの本は4年前からずっと宝物で、出先で読みたくなったり人に貸してる時に読みたくなったりで、4回ほど購入したりしています。 そんな素敵な本を書いてくれた千早さんに感謝です。ありがとうございます

  • 「のこす」ということ

    島清恋愛文学賞受賞の恋愛連作短編集。 この連作に横たわっているテーマは「のこす」ということ。様々な男女の交わりと、痛いくらいの緊張感、それが、一話読むごとに一枚ずつベールを剥がされ、最後に剥き出しになった愛の形が浮かびあがってくる。 表現はとても現代的なのであるが、その本質は揺らぐことはない。 最終話で「水草くん」の言葉として、それは語られる。 「多分、この世は不安定で、何もかもが簡単に壊れてしまう。変わらないものなんかないし、何か遺せたとしても一瞬で消えてしまうかもしれない。それでも誰かを好きになって生きていくことはすごいことなんだって、俺は思うよ」

  • 人の本音

    それぞれの話が、つながっていて多面的な心の動きがおもしろかった。

  • 途中からは普通の小説になる

    前半は面白かったのに途中からは、在り来たりな恋愛小説になる。 しかも伝えたいテーマも普通でした。

  • 島清恋愛文学賞受賞、第150回直木三十五賞候補

    Amazon商品紹介より以下。 きれいに洗っても、忘れようとしても、まだ残っているもの。 それで、人生は満ちている――。 結婚直前の不実も、不倫も、自分の体を傷つけてしまうのも、ここにずっといて欲しいとうまく言えないのも、ぜんぶ同じ。 怖いから。抗いたいから。 体と心が触れあった痕跡を遺すことだけが、私たちの唯一の寄る辺なのです――言葉にしたら消えてしまうかもしれない感情の奥底まで踏み込んで描ききった、痛くて優しい連作小説。 実体がないような男との、演技めいた快楽。 結婚を控え“変化”を恐れる私に、男が遺したもの(「ほむら」)。 傷だらけの女友達が僕の家に住みついた。 僕は他の男とは違う。 彼女とは絶対に体の関係は持たない(「うろこ」)。 死んだ男を近くに感じる。 彼はどれほどの孤独に蝕まれていたのだろう。 そして、わたしは(「ねいろ」)。 昏(くら)い影の欠片が温かな光を放つ、島清恋愛文学賞受賞の恋愛連作短編集。 * 難しい小説に出逢えたものだね。 タイトル通りのテーマなんだと思う。 ある男を軸とした、恋愛と色欲にまつわる物語で、性描写が多い。 ほむら、てがた、ゆびわ、やけど、うろこ、ねいろ。 不倫や不貞が普通に思えてくる(笑)。 耽美な世界ってこういうものかな。 最後はいいですねぇ、水草くん好きだわ、 いい余韻を残して終わってくれました。 本書は、2013年の第20回島清恋愛文学賞受賞で、第150回直木三十五賞候補。

  • この息苦しさが苦手かどうか

    呼吸するのが面倒になるような倦怠感が満ちています。ある意味ではリアルなので、物語で気分転換したい人には 向かないかもしれませんね。私も読むタイミングを間違えたら、星が一つか二つ減っていたかもしれません。 筆者に書く力があるので、このような物語を世に出そうと思ったのでしょうが、個人的には「魚神」のようなテイス トが好きです。こういう物語もありだとは思いますが、これなら千早さんじゃなくても書ける気がします。 次作も読みます。

  • 優しい浮遊感

    短篇集かと思って読み出したら、連作であった。 不倫はテーマではないが、それをキーにしながら各小話の登場人物が交錯し、優しい浮遊感の中でエピソードが紡がれていく。 青年期から中年向けか。老年期以降の方には甘くてダメかも。

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