日本の文学賞

← 受賞作品一覧に戻る
枕詞はサッちゃん: 照れやな詩人、父・阪田寛夫の人生

日本エッセイスト・クラブ賞

枕詞はサッちゃん: 照れやな詩人、父・阪田寛夫の人生

内藤啓子

童謡「サッちゃん」の作者である阪田寛夫を、娘の視点から描く評伝的エッセイ。家族の複雑さと詩人の創作の源を、ユーモアを交えてたどる。

阪田寛夫家族の記憶童謡評伝エッセイ

作品情報

枕詞はサッちゃん 照れやな詩人、父・阪田寛夫の人生は、阪田寛夫を軸に読者を作品世界へ導く。

童謡「サッちゃん」の作者である阪田寛夫を、娘の視点から描く評伝的エッセイ。家族の複雑さと詩人の創作の源を、ユーモアを交えてたどる。 書誌確認では、単行本・文庫として確認できる場合のみ紙書籍の識別子を採用し、雑誌号や掲載媒体の番号は使用していない。

レビュー要約

  • 題材の切り取り方と構成を評価する声があり、背景知識を持つ読者ほど細部の厚みを楽しめる。一方で、密度の高さを重く感じる読者もいる。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
2017-11-30
ページ数
247ページ
言語
日本語
サイズ
13.5 x 2 x 19.5 cm
ISBN-13
9784103513612
ISBN-10
4103513616
価格
2930 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

童謡「サッちゃん」のモデルは阿川佐和子!? 爆笑必至の“変父”論。「今日からおれをオジサンと呼べ」。離婚して新しい妻と子供ができた時に備えた父から、ある日突然指令が下った。家族の恥部は全て創作のネタにし、本で埋め尽くされた家で「おれはダメだ」と叫んでいた父親失格のひねくれ者に、なぜあんなに優しい詩が書けたのだろう? 爆笑必至、娘が綴る「サッちゃん」の作者のハチャメチャな人生。

レビュー

  • 手元に置きたい本

    著者は自慢してもいいことも、自虐的に淡々と事実を綴ることで、 とても読みやすく、考えさせられる本に仕上がっていると思う。 久しぶりに続きが気になる本だった。 私も 介護の経験があるので、 この数行に どれだけの葛藤があったかと思うと身につまされる箇所が多かった。 昨今、 宣伝上手で、買わなければよかったと思う本が多い中 手元に置いておきたいと思える ほろりとさせられる良書だと思う。

  • 心にそっと住みつく詩は、この人にしか作れない

    題名に飛び付いて購入。期待以上の興味深さでは最後まで。何人かの友人知人に薦めて 読後談で再び愉しんだ。ありがとう

  • 時代、街、家族、作家の時空を楽しむ

    楽しい家族のいる家の中、街(町?団地?)の空気が、娘さんの眼を通して、とても楽しく伝わってきます。家族や近所とのやりとりからは昭和、平成の時代の空気、子どもの心を持った阪田寛夫さんの居る部屋の空気、こころの中の空気まで味わえるようです。 友人へのプレゼントにしました。

  • 親子の感動的な場面があったらと

    深夜便で作者の気持ちを聞き、興味を持ち本を読んでみることにしました。 作者の誠実な気持ち、父親への深い観察眼は参考になりましたが、期待した 感動には行きつけませんでした。 読後感は可というところですが、一気に読み終わりました。

  • 家族の物語を阪田氏の詩に乗せて、楽しく暖かく、綴ったエッセイです。

    大浦みずきさんのファンで、彼女の同期剣幸さんが、kohibumiコンサートでこの本からの一節を取り上げられたと…友人から教えられ、購入しました。 ウィットのあるエッセイで、面白く大切に読ませて頂きました。

  • (2018年―第88冊)「サッちゃん」を生んだ詩人と家族の物語が胸にしみる

    表題にある「サッちゃん」とは「バナナをはんぶんしかたべられない」あの女の子のことです。その「サッちゃん」や「ねこふんじゃった」、「おなかのへるうた」など、私にとっては幼少のみぎりに歌った懐かしい歌を作詞したのが、この書の著者の父・阪田寛夫というわけです。遺した歌は多くの日本人が知るところですが、作者・阪田の名をすぐに言える人はほとんどいるまい、という思いから生まれた書名です。 「童謡「サッちゃん」のモデルは阿川佐和子!?」と惹句にあるのに引かれて(釣られて)手にした次第です。 大阪の厳格なクリスチャンの家に生まれ、東大卒業後に朝日放送に勤務。クリスチャンで幼馴染の女性との間に生まれたのが著者と次女で後のタカラジェンヌ大浦みづき。芥川賞作家、作詞家、宝塚トップスターの父、と端(はた)から見るとうらやましくもなる人生かと思いきや、そこは身近にいた娘だからこそ見ることのできた、楽しいだけではない、苦くもあり、懐かしくもある家族のエピソードに彩られています。 夫婦喧嘩が絶えないために、起こりうるであろう離婚を見越して娘ふたりに自分たちを「おじさん」「おばさん」と呼ばせるようになった挿話などは、笑ってよいのやら、悲しんでよいのやら、心揺れながら読みました。 晩年、「おじさん」が鬱に、「おばさん」が認知症を患うに至り、避けることがかなわない親の老いのうら寂しさを著者が綴るところは心に響きます。 著者は幼いころ、作家・阿川弘之の一家と公団住宅で親しく付き合いをしていたとのことです。さて、「サッちゃん」のモデルとはあの阿川佐和子氏なのか。それは読んでのお楽しみ。 ---------------------------- 家族だけが見た著名人の人生を綴った書として以下のものを推奨しておきます。 ◆水木悦子/手塚るみ子/赤塚りえ子『 ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘 』(文春文庫) :水木しげる、赤塚不二夫、手塚治虫の娘たちが朝日新聞紙上でおこなった鼎談をもとにした一冊です。日本のマンガ界を牽引してきた、その世界では雲の上の人といえる父親たちの、だらしなくも人間くさい側面にスポットを当てています。 ◆岩見隆夫著『 総理の娘 知られざる権力者の素顔 』(原書房) :歴代の日本の総理大臣の娘たちを取材して、家族の前にだけ見せた宰相たちの生(き)の姿を綴った書です。取り上げられている宰相は、鳩山一郎、岸信介、池田勇人、福田赳夫、大平正芳、竹下登、宇野宗佑、宮澤喜一、村山富市、橋本龍三郎、小渕恵三の11人。 メディアがそれぞれの父親に対して容赦なく厳しい批判の矢を放ち続ける中で、家族は家族であるがゆえに、父を信じて支え続けます。首相というより、お父さんを、お父さんであるからこそ守る家族の姿は、ときに涙をさそうほど献身的で暖かいものです。 ◆斎藤由香『 窓際OL トホホな朝ウフフの夜 』(新潮文庫) :作家・北杜夫の一人娘によるエッセイ集です。後半の「ちいさな心の風景」以降は、斎藤家三代にわたる一族の物語をしっとりとした筆遣いで描いています。幼い頃から毎年大晦日に続けてきた父との二人きりの外出を綴った「初めてのデート」は殊に胸に迫るものがありました。そこにあることが当たり前にしか思えなかった何気ない家族の一風景が、時を経て何ものにも替え難い大切な想い出へと姿を変える。それは限りある人生にこっそりと潜んでいる味な部分なのです。 .

  • 阪田寛夫さんの愛読者なので、その日常や動静が知れて、興味深かったし、また亡くなったことが残念でした。

    この本は書店では見かけなかったので、こうして手に入ったことが便利と思った。

  • 箸休めに

    著者のことは勿論、父親の芥川賞作家の坂田寛夫や妹の宝塚ジェンヌ?大浦みずきも知りませんが、非常に面白く読めました。 次に妹大浦みずきについての著書も、それから父親の「土の器」も読んでみようと思います。

関連する文学賞