作品情報
救国を掲げる脅迫が、地方の現実をえぐり出す。
過疎とテロリズムを組み合わせ、地方の未来をめぐる政治的テーマを正面から扱う長編。本格ミステリの推理と社会派サスペンスの緊張が同時に走る。
書籍情報
- 出版社
- 新潮社
- 発売日
- 2021-10-20
- ページ数
- 382ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.2 x 2.3 x 19.1 cm
- ISBN-13
- 9784103522331
- ISBN-10
- 410352233X
- 価格
- 2420 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
人質は国民八〇〇〇万人。日本崩壊のカウントダウンが迫るなか、全ての鍵を握るのは、“無傷"の首なし死体。 日本推理作家協会賞受賞後初作品は、堂々たる本格ミステリ長編。 “奇跡"の限界集落で発見された惨殺体。その背後には、狂気のテロリストによる壮絶な陰謀が隠されていた。 否応なく迫られる命の選別、そして国民の分断――。 最悪の結末を阻止すべく、集落の住人・陽菜子は“死神"の異名を持つエリート官僚・雨宮とともに、日本の存亡を賭けた不可能犯罪の謎に挑む。
レビュー
-
読んで、感じて、考えてください!
『日本の今』『これからの自分』を真剣に考えるチャンスを与えてくださった著者に感謝です。 フィクションと思いつつも思えない、驚きの連続。 最後には面白かった〜という単純ではない、切なさがじんわり。と同時に不思議な爽やかな感情も同時に湧き上がりました。
-
退屈
深い政治小説を期待して購入しましたが、語り部の視点が変転し、読みにくくて、長々しい探偵物(少なくとも357ページまでは)に見えて、358ページ目で投げ出しました。同時期に買った「灼熱」「同志少女よ、敵を撃て」は各々二日で楽しく読了したので、読解力の問題ではないと思いますが、残念でした。
-
あやしい能面。。。
過疎とSFが融合したミステリ小説です。 非常に込み入った仕掛けで、ぐいぐい引き込まれます。 すべてが回収され、読後すっきりする一冊です。
-
表紙と著者の経歴に惹かれて購入
書店で装丁が目について手に取りました。 お面が不気味だったので。 ざっくりと帯を見ると内容が面白そう。 著者の経歴を見れば東大法学部卒。しかもずいぶん若い。 パラパラとめくってみると文章もスッキリしていて読みやすい。 読みづらそうな漢字には丁寧にルビまで。 ストーリーが飽きずにワクワクと面白そうな予感。 で、購入しました。 とにかく二転三転どころではない、ひっくり返しの数々。 緻密な情景描写に、さすが東大卒と思わせる官僚の内情描写。 進学校や大学時代の描写も軽く。 ストーリーもトリックも何もかもがとても現代的。 だから、ある種のリアルさが凄まじいです。 動画サイトやネットの声の描写なんて、 そのままYouTubeやヤフーニュースを思い起こしました。 それぐらいリアル。 題材がとにかく面白いし考えさせられました。 地方や人口減とか実際にこれから直面する問題がそのまま。 正解は何なのか、読み終わった後もわかりません。 どんでん返し、またまたどんでん返し。 わかった!そうか!⇒え?まだ続きあるの!? え!またここから!? こんなことの繰り返しばかりでラストまで振り回されました。 ラストも振り回されたというべきか。 分厚めの本だけど、あまりに面白くて先が知りたくてたまらず 結局一晩で読んでしまいました。 読み始めたらやめられない。 通勤の合間とか隙間時間に小分けして読むよりも 週末に一気にまとめて読むのがおすすめ。 複雑そうな人間関係も一気読みだと把握できました。 ストーリーもさることながら文章が読みやすくて良いです。 とにかく文章に無駄がない。 変にもったいぶった表現や、まわりくどい表現もなく 難解な表現も使わず、平易な言葉で最低限の単語でありながら 非常に深みがあり、臨場感や情報も的確に伝わってくる。 長文で伝えるのは簡単だけど、短く完璧に伝える方が難しい。 だから、本当に頭が良い人なんだなあと感嘆。 一冊読み通したのに全く疲れず目が滑らず。 この人の本は初めて読みましたがすっかりハマり、 別の本もネット注文。 残念ながらAmazonでは入荷未定となっており その売れっぷりにもビックリしています。 本作は連ドラや映画化になってもおかしくない内容。 連ドラなら毎週大盛り上がりしそう。 つい、もしドラマ化されたらこの人はあの俳優さんで・・と、 余計な想像まで膨らむほど。 映像化されたらヒットするだろうなあ。 著者の創造力や構成力、とんでもないアイディアに脱帽。
-
重厚なトリックとクライマックスを超えてなお突きつけられる命題。
読了。前2作の長編に増してなお厚みのある構成。書き手の技量に感服。
-
犯人の思惑とトリックは、途中でおおよそ分かってしまいました
他のレビュアーさんもおっしゃっているのですが、私も、途中で真相がおおよそ分かってしまい、答え合わせの感覚で読みました。また、登場人物が必要以上に多いような、全体に雑然としている印象を持ちました。 でも、こういう本をきっかけとして、自分の国の来し方と行く末について考えてみるのは良いことだと思います。
-
前二作を越える本格的ミステリー
結城真一郎氏による「名もなき星の哀歌」「プロジェクト・インソムニア」に続く書下ろしミステリーだ。日本が直面している過疎問題を背景に展開される大胆かつ緻密なストーリーに思わず引き込まれる。映画化されてもまた面白い作品になりそうだ。
-
民主主義の限界?
思った以上に面白かったです。 ただ登場人物はいまいち無理やりキャラを立てようとしているような感はあり。 しかも成功しているかというと微妙かも。 メインテーマは本来真面目に議論すべきなんでしょうけど、民主主義&マスコミ&SNSの世界で 痛みを伴う改革はできるのだろうか。自分が痛みを引き受けなければいけない改革案に投票できる国民がどれほどいるのだろうか。
関連する文学賞
- 本格ミステリ大賞 第22回(2022年) ・候補