光る源氏の物語 上
国語学者の大野晋と作家の丸谷才一が『源氏物語』をめぐって語り合う対談評論。物語の筋、人物関係、恋愛、言葉の働きを自在に読み、古典を現代の読者に近づける。
作品情報
国語学者と小説家が、源氏物語を読み解きながら古典の面白さを開いていく。
『光る源氏の物語』は、『源氏物語』全体を視野に入れながら、大野晋と丸谷才一が言葉、人物造形、恋愛の構図を語り合う作品です。研究書の知見と小説家の読みが交差し、古典作品を単なる教養ではなく、現在も読める物語として示しています。
レビュー要約
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専門研究の硬さに閉じず、二人の知識と読みの違いがぶつかることで、古典の人物や恋愛が生きた話題として立ち上がる。入門書としても再読の手引きとしても読める点が評価される。
書籍情報
- 出版社
- 中央公論新社
- 発売日
- 1989-09-01
- ページ数
- 360ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784120018497
- ISBN-10
- 4120018490
- 価格
- 1834 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/古典/日本の古典/古代・中世文学/その他の物語文学
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レビュー
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源氏物語を知る上では欠かせない
2024年の大河ドラマ『光る君へ』で 再び注目を集めている『源氏物語』、 でもいきなり全訳を読むのは大変、 という方におすすめの一冊です。 日本語学者として著名な大野 晋と 小説家であり評論家である丸谷才一の対談と、 一部を抜粋した原文及びその訳で進んでいきます。 この長大な作品のどこに着目して読むべきか、 紫式部の力点はどこだったのか、 などなどが詳細に語られ、またお二人の 丁々発止のやりとりにワクワクさせられます。 本書で取り上げられている場面が 大河ドラマでも(やや形を変えて)描かれているのを見ると、 ”やはりそこが面白い場面なんだなぁ” と感じたりしています。 432ページある上巻がまだ導入に過ぎず、 真に読むべき”若菜 上・下”と”浮舟”がまだ示されていないことに 驚いてしまいますが、 六条御息所の生き霊の場面も原文と翻訳がありますし、 まずはこの上巻から じっくりと読んでみていただけたらと思います。
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源氏物語を理解するには外せない
現代語訳しか読んでいませんが、源氏物語はこう読むのか、と勉強になりました。ついでに、部分的ではありますが原文も読める。深読みするには外せない一書だと思います。
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「源氏物語」を深く理解できる必読の書
現在、「源氏物語」を読んでいます。昨夜「末摘花」を読んで何とも言えない嫌な気分になりましたが、 本日届いた「光る源氏の物語」から「末摘花」に関してお二人が語られる内容がとても興味深く「大輔命婦という女」がそそのかし、舞台回しをしたという推論をよんで何の違和感も無くすっきりしました。 これから「源氏物語」を読み進めていくなかで常に良き参考が示されている本が手元にあることにしあわせを感じます。 視力が良くないので単行本が購入でき、しかも価格が1円だったのでとても心配していましたが綺麗な本でした。ありがとうございます。
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気軽で良かったが・・・
巻毎に対談形式で進み、気軽に雑駁な話題が提供されるのは良い部分。 しかし、丸谷才一の「僕はこう読みたい!」が良くも悪くも働く。 そして、いちいち「ここは事実(男女の営み)ありですね」と確認していくのが、男性同士の居酒屋トークのようで辟易した。 男の人ってこうやって読むのか・・・と勉強になりました。 これを上下巻で読むなら、山本淳子『源氏物語の時代』『平安人の心で「源氏物語」を読む』の2冊を読んだ方が、体系的な知識がつく。
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碩学2人が『源氏物語』を(オヤジ目線もまじえて)語る語る
タイトルだけ見て『源氏物語』の現代語訳と思っていたら、さにあらず。対談集である。だったら、サブタイトルに「対談」の文字を入れておいてほしい・・・。私のように勘違いしたまま、スルーしている方はきっといるはず。 国語学者の大野晋氏、小説家・批評家の丸谷才一氏が、『源氏』54帖を様々な角度から分析、物語の解説や従来の研究で議論されてきたテーマの推理もまじえて縦横無尽に語りつくす。 男性の『源氏』研究者は多いが、専門家ではない男性2人が『源氏』について思うところを語るというのは珍しい。一度、男性目線のざっくばらんな感想を聞いてみたかったので、そういう意味でも恰好の書だった。(結果、男性目線に助平・・・いや、オヤジ目線も多分に含まれていたのだが・・・) さすが碩学2人の対談だけあって、見識の高さと相手への信頼がにじむ打てば響くようなやりとり。「丁々発止」というほどの緊迫感はなく、「才気煥発」というほうがふさわしいかも。 お互いの意見や感想・疑問をおざなりにせず、すぐに応えて切り込み、さらに話題を広げていく手並みはお見事。枝葉末節に思えることでも、それなりに「なるほど」と感嘆することも多く、無駄話・茶飲み話レベルの会話は全くない。程よく笑いもとっていて、こちらもリラックスして読める。 上巻は、「桐壺」から「藤裏葉」まで。 対談に該当する箇所の原文と、丸谷氏による現代語訳付き。原作を傍らにおいて、いちいちひっくり返さなくてすむのは助かる。 この現代語訳も大野氏が国語学者らしくチェックを入れ、文法や語句の意味、現代語との差異を解説してくれる。現代でも使用されている言葉でも平安期では全く意味が違っていたり、もっと微妙なニュアンスが含まれていたり。こういう点は、やはり訳書の脚注では充分に行き届かず、解説書の類が頼りだ。 丸谷氏のあれかこれかと言葉に悩む様子、大野氏の容赦のない添削に、改めて訳者の方々のご苦心のほどが思いやられる。 本書では第1帖「桐壺」から第33帖「藤裏葉」まで、順番通りに執筆されたのかという研究者の間で疑問視されてきた点に言及し、対談は武田宗俊氏の説(物語をa系ー光源氏誕生から准太上天皇として栄華を極めるまでのサクセスストーリー、b系ー源氏の女性関係での失敗談に分け、a系を先に執筆、b系は後に執筆してa系の間に挿入されたとする)を念頭において進められている。 他にも研究書では必ず触れられる基本的な知識・疑問点、「タイトルは最初から『源氏物語』だったのか」「作者は紫式部1人なのか」「“宇治十帖”別人執筆説」「藤原道長モデル説」「幻の帖“かかやく日の宮”の存在」「主題の多様性」なども冒頭で提示される。どれも魅力的な謎であり、推論を踏まえて本文を読むのも楽しい。 近年おもに論じられる「皇権論」については触れられていないが、「貴種流離」や古代説話・近代小説との近似性など物語を読み解く上での重要ポイントは押さえられているので、おかたい入門書・解説書を読むよりはぐっと親しみやすく、判りやすいだろう。 お二人とも、やたら実事(sex)にこだわっているのは苦笑を禁じ得ない。しかし、これも読解には非常に大切なこと。 肉体関係のあるなしで男女の機微は全く変わるものであり、その変化が物語の進展に大きくかかわってくる場合が多い。 だいたい紫式部という人は実事の件もそうだが、妊娠・出産など生々しさを感じる事柄はあからさまにせず、曖昧な表現にとどめている。それが彼女の美学なのだが、現代小説のはっきりした表現になれている私たちからすれば、なんとまどろっこしく判りにくいことか。 それらの点もオヤジならではの鋭さでしっかり暴いて読み解いてくださるので、「下世話だ」なんて嫌悪せずに読んでいただきたい。単なるプレイボーイではない光源氏と彼を巡る女性たちの隠された素顔、複雑かつ重層的に構築された物語世界を実感できることと思う。
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国語学者と小説家
源氏物語は文体の異なるa系とb系とが継接ぎされていて、全編紫式部作かどうかさへ問題があることに驚きました。国語学者と小説家による対談形式ですが最高の解説本です。
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原文挑戦に最適
現代語訳から原文に一気に移る前にウォーミングアップになり、原文への挑戦の意欲をかきたててくれる。
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