作品情報
当たり前の幸せが奪われたのは、彼がスリランカ出身の外国人だったから。
中島京子による、家族の幸せと入管制度の壁を描く長編小説。
書籍情報
- 出版社
- 中央公論新社
- 発売日
- 2021-08-18
- ページ数
- 410ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 14.1 x 2.8 x 19.8 cm
- ISBN-13
- 9784120054556
- ISBN-10
- 4120054551
- 価格
- 1212 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
シングルマザーの保育士ミユキさんが心ひかれたのは、八歳年下の自動車整備士クマさん。 出会って、好きになって、この人とずっと一緒にいたいと願う。当たり前の幸せが奪われたのは、彼がスリランカ出身の外国人だったから。 大きな事件に見舞われた小さな家族を、暖かく見守るように描く長編小説。
中島京子 一九六四年、東京生まれ。東京女子大学文理学部史学科卒。出版社勤務、フリーライターを経て、二〇〇三年に小説『FUTON』でデビュー。以後『イトウの恋』『ツアー1989』『冠・婚・葬・祭』など次々に作品を発表し、二〇一〇年、『小さいおうち』で直木賞を受賞。一四年に『妻が椎茸だったころ』で泉鏡花文学賞を、一五年に『かたづの! 』で河合隼雄物語賞と柴田錬三郎賞、及び『長いお別れ』で中央公論文芸賞を受賞。その他の著書に『エルニーニョ』『眺望絶佳』などがある。
レビュー
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今年読んだ本で最も面白く、痛快で、学びのある本
あちこちの書評で取り上げれているのを見たが、先入観を持たないよう、それらをあまり読まないようにして購入しました。 他の方も書かれているように、最初の4分の1くらいまでは淡々とした話が続き、少し期待し過ぎだったのかとも思いました。 ですが、そこからは登場人物が俄然として動き始め、物語から目を離せなくなります。追い詰められる主人公たちと、彼らの反撃。その結果は…… かつて生活保護行政でも一部にありました、行政による非人間的な対応。ましてや入国管理という権力行政そのものの中では、何があってもおかしくないと思いました。 しかし、作者は感情的な非難を綴るのではなく、法的にも得心のいく解決を与えています。 その論理構成は、巻末に掲載された参考文献や関係者への取材に基づくものだそうで、作者の並並ならぬ取り組みが身を結んでいると感じました。 この本の元となった連載が、体制寄りと目される読売新聞に掲載されていた事も驚きでした。この内容ではおそらく口を挟む余地などなかったのでしょう。それほど説得的です。 私はこの本を、在日外国人には特権があるなどというフェイクに基づくヘイトを信じている人たちに、とりわけ読んで欲しいと思います。日本の入管行政にどんなことが起こっているかを知れば、自ずと誤解は解けるでしょう。スリランカ女性の身に起こった悲劇的事件の背景にどんな事があったのかを想像するのも、この本を読めばさして困難ではありません。 私たちは感動するためだけにこの本を読むのではなく、この日本でどんな事が起きているのかを知るためにも読むべきなのだろうと思います。
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心うつ本
軽い気持ちええ購入したら後半とても重厚な内容だった。日本での入管における問題、全くわかってなかった。辛い物語だったけど、最後までたくさんの人に読んで欲しい。マヤが誰に語りかけてるのかわかった時は親戚のように嬉しかった。小学四年生だったマヤも最後は高校二年生。 勉強にもなるけど、あー読んでよかったと、本の世界にしばらく浸れる貴重な一冊。
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知らなかった知っておくべきこと
全く知らなかった日本の移民政策の実態を知らせてくれた作品。主人公に自然に感情移入できるので、怒りいきどおりがふつふつと湧いてくる。体調が明らかに危険な人を、機械的にを通りこしてほとんど悪意で放置する・・・これが優しい人の住むおもてなしの国、の実情なのだ。最後は少々ベタなハッピーエンディングだが、上手な語り口やほっこりした読後感に満足で、この作者の他の作品も読みたくなった。
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多文化社会を考えるケーススタディ
多文化社会を理解する上で、大事なケーススタディが描かれていました。外国人を排斥する意見にも、リベラルな意見にも私は与しませんが、多様なバックグラウンドの人間を理解するために、本書のストーリーは示唆に富んでいました。右や左の思想に関係なく、この世界に生きている人間を理解するための道標になりました。
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感動と疑問
日本は外国籍の人々、難民の人々にとても冷たい。 様々な困難を乗り越えて、日本人母子とスリランカ人の彼が新しい家族を作り上げて行くのはとても感動した。 それとは別にルールや法律を十全に理解しないまま、自国以外の国で生活を始めることに少し疑問を感じた。
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全ての人に読んでほしい
入管の実態がよく分かり、憤りを感じながら読みました。最初、半分ほど読み進めて、後半が恐ろして読み進めることができませんでした。新聞等で関連に記事を読んでいたので実感が湧いたのかも知れません。 ウイシュマさんの置かれた状況も想像できました。読後の感想では、やはり、入管行政の抜本的改善と他国、とりわけアジア人に対する偏見も早期になくなることを願わずにはいられませんでした。ぜひ、多くの人に読んでいただきたい本です。
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沢山の人に読んで欲しい
すごく楽しい話ではないし、途中苦しくなってしまったりもする。それでもこの国で暮らしているなら読んでしまわないといけないと思った。 いろんな事実は知っていても、ここまで感情が揺さぶられるのは、この作家の力、小説ならではの力だろう。 この物語の中に飛び込んで、主人公と一緒に泣いたり笑ったりして、知識も増えるけど、心が拡がる感じがする。
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良い状態です
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