作品情報
富士山麓の暮らしの細部が、読む者の前で静かに文学へ変わっていく。
『富士日記』は、武田家の富士山麓での年月を綴った日記文学の代表作。料理、犬、来客、夫の病、季節の変化が飾らない言葉で書き留められ、生活そのものが深い読書体験になる。
レビュー要約
-
日記という形式でありながら、細部の観察と文章の自由さによって文学作品として高く読まれている。暮らしの些事が、時間と死生観を映す場面へ変わる点が魅力とされる。
書籍情報
- 出版社
- 中央公論新社
- 発売日
- 2019-05-23
- ページ数
- 448ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.8 x 1.8 x 15.2 cm
- ISBN-13
- 9784122067370
- ISBN-10
- 4122067375
- 価格
- 1100 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
夫、武田泰淳と過ごした富士山麓での十三年間を、澄明な目と無垢な心で克明にとらえ、天衣無縫の文体で映し出す。田村俊子賞受賞作。巻末に関連エッセイ、大岡昇平の「山の隣人」と、武田泰淳の「山麓のお正月」を収録する。
武田百合子 一九二五(大正一四)年、神奈川県横浜市生まれ。旧制高女卒業。五一年、作家の武田泰淳と結婚。取材旅行の運転や口述筆記など、夫の仕事を助けた。七七年、夫の没後に発表した『富士日記』により、田村俊子賞を、七九年、『犬が星見た――ロシア旅行』で、読売文学賞を受賞。他の作品に、『ことばの食卓』『遊覧日記』『日日雑記』『あの頃――単行本未収録エッセイ集』がある。九三(平成五)年死去。
レビュー
-
ほのぼのとした日常
昭和30年代から40年代にかけての日常生活が、飾り気の無い生き生きとした文章で書かれていて楽しい。作家であるご主人はあまり身体を動かさず、奥さんはよく働くよく動く。昭和の主婦は文句も言わず、よく働くものですね。夜寝る前にお勧めの一冊です。
-
本当に日記って感じ
本当にただの日記なので期待しすぎない方がいいけど、ある意味で貴重な読書体験かも
-
楽しい
面白い
-
「「クソババア」「クソは誰でもすらあ」」
(上中下巻通してのレビューです) 『犬が星見た』を読んで武田百合子さんのファンになりました。独特の観察眼、独特の表現。歯切れのよさ。毎日の朝昼晩の献立や買い物の値段が几帳面に記してあり、興味深くついつい物を思い浮かべながら読んでしまいます。あとは百合子さんのワイルドさ(暴走)にハラハラしたり、共感したり。
関連する文学賞
- 田村俊子賞 第17回(1977年) ・受賞