作品情報
平安時代の古記録を、歴史資料だけでなく言語資料として読み解く大部の研究。
東京大学出版会から1986年に刊行。古記録が平安時代語研究に持つ価値を積極的に評価し、具体例に即して研究方法を示した専門的研究書。新村出賞と角川源義賞の受賞作。
書籍情報
- 出版社
- 東京大学出版会
- 発売日
- 1986-03-01
- ページ数
- 959ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784130860260
- ISBN-10
- 4130860267
- 価格
- 1500 JPY
- カテゴリ
- 本/人文・思想/言語学/日本語・国語学/日本語研究
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レビュー
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平安朝の漢文訓読の指針となる
権記、御堂関白記、小右記、明月記など平安時代の古記録を楽しむようになって、一番最初に現代語訳に飛びついたのはやむを得ない。しかし、影印本などを見ているうちに訓読文、原文と遡っていきたいと思うようになると、一気にハードルがあがってしまう。それは研究者であっても変わりがないようだ。 そこでこうした研究書を繙くことになるが、何にせよ、総ページ959に達する大著な上に、これは博士号の学位論文に相当する(いや、そのものかも知れない)もので、それほど簡単には読み通せる類の書物ではない。素人は手を出すな、という方もいるだろう。しかし、わたしはあえてこの本に挑戦してもらいたいと思う。 試験があるわけではないので、すべてを覚える必要はないし、適当に飛ばして読んでもだれからも文句は出ない。それでも古記録に興味のある方なら、特に第一部「記録語表記の基盤とその解讀方法」、第二部「記録後研究の諸問題」は目を通したくなるはずである。「古代における漢字の定訓」「漢字表記語の解讀方法」「古文書・古記録の文章表記」「古記録の語彙」等々さわりだけでも味わいたい項目が並ぶ。 初心者のための〜、はじめての〜、といった踊り文句に惑わされたくないと思う方は、この篤学な研究者の分厚い本に取り組む時間を惜しまないでほしい。
関連する文学賞
- 新村出賞 第5回(1986年) ・受賞