作品情報
音楽と機械のイメージが交差する。
第6回日本ファンタジーノベル大賞で注目された作品。音楽と機械のイメージを重ねた、想像力豊かな長編。
レビュー要約
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独自の発想を評価する声がある一方で、構成や読み味には好みが分かれやすい。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 2002-05-10
- ページ数
- 478ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784150306939
- ISBN-10
- 4150306931
- 価格
- 968 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
1870年、理想の音楽を希求するベルンシュタイン公爵は、 訪問先のウィーンで、音楽を絶対的な快楽に変える麻薬“魔笛"の流行を知る。 その背後には、ある画期的な技術を売りにする舞踏場の存在があった。 調査を開始した公爵は、やがて新進音楽家フランツらとともに、〈魔笛〉と〈音楽機械=ムジカ・マキーナ〉をめぐる謀略の渦中へ堕ちていく。 虚実混淆の西欧を舞台に究極の音楽を幻視した江戸川乱歩賞作家のデビュー長編。
高野史緒 1966年茨城県生まれ。お茶の水女子大学人文科学研究科修士課程修了。 1995年、第6回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作の『ムジカ・マキーナ』で作家デビュー。 以降、音楽や舞踏などの芸術をテーマに、中世・近代西欧の史実に現代の科学技術を大胆に外挿した歴史改変小説『カント・アンジェリコ』『ヴァスラフ』を発表、 その集大成ともいえる連作長篇『アイオーン』『ラー』『赤い星』(以上3作、ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)などで高い評価を得ている。 2012年、『カラマーゾフの妹』で第58回江戸川乱歩賞を受賞。
レビュー
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待望の電子化。
「カント・アンジェリコ」より後の世界で普仏戦争直後で、インフラとしての電気と電話網が無い別世界だ。 イギリスでは蒸気機関の発明で電気を作りだしているよう。 スピーカー、マルチトラックミキサー、メモリー装置(これが問題)と100年は進んでいる。 天上の音楽を奏でる手段としての機械か。 音楽は今この時だけの刹那の感覚だと思う。 AIでできるかと考えたが、LLMに指示して画像生成AIで絵を作成するのと同じで音楽も指示することでサンクレールの望みとは異なると思う。
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この雰囲気がイイ!
音楽だとか歴史だとかはただの素材で、これは幻想SFというジャンルだと思います。 架空のヨーロッパ的なめくるめく平行世界のお話。サイバーパンクと言ってもいいかも。途中で転調するんですよ、イメージが。あれ?さっきまでのは夢だった?みたいな、こちらを気持ちよく振り回してくれるお話なのて、リアルで確固たる何かの世界を期待すると全然違うと思うかも。
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つまらなかった
クラシックファンにおすすめ、というレビューを読んで購入しましたが期待はずれでした。面白くなかったです。
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音楽の知識が詳しいのはわかる。が・・・
近代欧州の王宮に支えられたクラシック音楽と 現代テクノロジーに裏付けられたアンビエント音楽を 話の上でも統合させた、近代SFサスペンス小説。 いい意味でも悪い意味でも、最終的な評価は このアマルガムを受け入れられるかどうか、 という点に尽きる。残念ながら私には難しい。 音楽の知識が詳しいのはわかる。が、例えば 欧州の同時期をよく舞台に設定する佐藤亜紀の小説と 比較しても、時代の描き方が安くて薄いことは否めない。
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人類最大の悦楽は音楽
1800年代のヨーロッパを舞台に、才能がありながら、若すぎることでオーケストラに受け入れられない青年の苦悩を描いた物語。 だけなら普通なのだが、そこに当時はあり得なかった音響機器が登場したら、それは受け入れられる人とそうでない人に分かれるだろう。受け入れられる人は幸せだ。この独特の世界に思う存分、酔いしれることができる。「魔笛」と呼ばれる麻薬を使って「最高の音楽」を探し続けるフランツ。著者は、人類最大の快楽は音楽であると言ってはばからない。 最後には、機械による音楽とブルックナーのオルガン演奏との対決があり、クラシックファンならずとも手に汗をにぎる。この独特の世界、一度はまると癖になる作家である。