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いま集合的無意識を、 (ハヤカワ文庫 JA カ 3-45)

星雲賞

いま集合的無意識を、 (ハヤカワ文庫 JA カ 3-45)

神林長平

『いま集合的無意識を、』は、神林長平の短編集です。表題作をはじめ、コミュニケーション、意識、コンピュータ、並行世界をめぐる作品を収め、変化し続ける情報環境のなかの人間を描く。

短編集SF集合的無意識コミュニケーション戦闘妖精・雪風

作品情報

変わり続ける意識と通信のかたちを、SFの短編として切り取る。

ハヤカワ文庫JA刊。表題作に加え、「戦闘妖精・雪風」関連作や多世界解釈を扱う作品を収録し、作家の長年の主題である意識と情報の関係を探る。

レビュー要約

  • 情報環境や意識の変化を題材にしながら、長年SFを書いてきた作家自身の視点もにじむ短編集として読める。シリーズ関連作を入口にする読者にも開かれている。

書籍情報

出版社
早川書房
発売日
2012-03-09
ページ数
256ページ
言語
日本語
サイズ
10.6 x 1.1 x 15.7 cm
ISBN-13
9784150310615
ISBN-10
4150310610
価格
682 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

雪風シリーズのスピンオフ、伊藤計劃『ハーモニー』について考察する表題作など全6篇

神林 長平 1953年新潟県生まれ。1979年、第5回ハヤカワ・SFコンテスト佳作入選作「狐と踊れ」で作家デビュー。 第1長篇『あなたの魂に安らぎあれ』以来、独自の世界観をもとに「言葉」「機械」などのテーマを重層的に絡みあわせた作品を多数発表、SFファンの圧倒的な支持を受けている。 『敵は海賊・海賊版』、『グッドラック戦闘妖精・雪風』などの長短篇で、星雲賞を数多く受賞(以上、早川書房刊)。 1995年、『言壷』で第16回日本SF大賞を受賞した。

レビュー

  • project itohの一部であり、それを超えていっている

    『僕の、マシン』スピンオフらしいけどその知識がなくても楽しめます。パーソナルコンピュータがパーソナルでなくなりつつある現状のクラウドネットワーク社会に対する視座として面白く、これが2002年に書かれたことに驚愕を覚えます。 表題作の『いま集合的無意識を、』は伊藤計劃さんが『ハーモニー』で投げかけた問いと呪いに対するファーストアンサーとして、かつそのやり取りをある意味らしいやり方で書いたことに、伊藤計劃さんへの想いを感じます。また、こういう形で書かれることが何よりの伊藤計劃さんの期待であり、project itohの一部でもあるだろうし、変な言い方ですが供養になるような気がしてなりません。 他の作品はミステリ風なSFであり、量子論とか無意識の意識や一般意志的なものが好きな方は面白く読めると思いますが、上の二つだけでも私は読んだ価値があったと感じました。

  • 色々な感覚の作品揃いでした。

    シビアだったり、入れ子構造に感じられたり、訳がわからなくなったり…。色々な感覚の作品揃いでした。 ラスト、お二人の方の解説も良かったです。

  • フィクションに対する宣戦布告。

    「集合的無意識」と言えば、スイスの分析心理学者ユングの手になる「使えない」概念である。「使えない」のは何も集合的無意識に限ったことではなく、ユングの組み上げた理論体系そのものが全体として使えない。なぜならそれらは理解の範疇にないからだ。それらは共感し、信じることでしか使用の域に達しない。いわば「経典」である。しかもその共感と信仰の射程はもはやオカルトとも区別がつかない位置にあったりするのである。しかし一方で、そうしたアカデミックな領野の外(分析心理学が既にしてアカデミックではない、という指摘は当然ありうるし、まさにそうなのだが、あくまで形式的にはこれもある種の人々にとっては「学問」として認識されている、という意味で)では、この集合的無意識という概念および用語は、主としてSF、宗教、そしてエコロジーの分野において実に便利なツールとして盛んに使用されてきた、という歴史を持っている。特にネットワーク・テクノロジーとの関係においてこれは実に先鋭的なテーマを浮き彫りにするものであるらしく、神林長平の「いま集合的無意識を、」もそのような使用例の一つに数えられるだろう。伊藤計劃『ハーモニー』で掬い切れなかったもの、彼はそれを集合的無意識という言葉で表現する。その語りは物語ではなく、エッセイでもなくて、明らかな宣戦布告である。何に対する? もちろんフィクションに対するものとしての。 「いま集合的無意識を、」は特に顕著な例だが、本書に収められた六篇は総じて「内省」的である。自らが、自身の「存在」に関して思いを巡らせる形式である、というより、それが神林長平の名の下に括りうる作品に通底する形式である、と言った方が良い。だがそれは私小説に見られるような内省ではない。むしろ『省察』のそれなのだ

  • 狐と

    踊れのラストを思い出したけど歳をとったせいかあまりインパクトはなかった 探偵の話がよかったけど猟奇的な現場を演出したワケとか語られて無くね?w 脳にプラグするってのはこの作者の他作品世界と比べてちょっとアナクロに思えました 思考の世界と物理世界の門みたいな演出だったのかもしれんけどシールド性や 物理的遮断が云々ってよりロマンがあるんですかねー、プラグには

  • 神林長平ファンブック

    これは完全に神林長平のファンブックであり、それ以上でも以下でもないと思った。もっともそう思ったのは私自身が長年彼の作品を楽しんで来たファンだからであり、例えば全く神林長平を読んだ事のない人がどう感じるかなどまるで想像も付かないのだから言いようがない。 ファンとして言わせてもらえば、「戦闘妖精雪風」のスピンオフ作品はもちろんだが、その他の作品でも神林作品を彷彿とさせるアイディアや登場人物が満載で嬉しくてたまらないのだが、独立した作品として評価できないのである。表題作など作者自身が夭折した伊藤計劃と対話する趣向で、かつて個体として認識可能jな人工知能について多くの作品を著して来た作者のクラウド時代への戸惑いと、それを既知のものとして育って来た若い世代のSF作家への期待を述べているように読めた。もちろん神林長平自身もライフワークとして書き続けている「雪風」シリーズなどで過去作を超える新しいSFに挑戦しているのだが。

  • いま、この小説を書けるのはひとりしかいない。

    著者の最新短篇集。 戦闘妖精雪風シリーズの深井零を主人公とした短篇もあるが、 未読でも問題ない。 読み終わったあと、どんなレビューを書いていいかわからない、 それくらいの衝撃だった。 特に「いま集合的無意識を、」から、飛浩隆氏による解説の流れは圧巻。 SFを読んできてよかった、神林長平の作品を読んできてよかった。 伊藤計劃氏の作品がもう読めないのは悲しいけれど、 こんなに力強い作品と同時代に生きることができて、本当によかった。

  • 飛浩隆の解説がkindle版にはない

    飛浩隆の解説がkindle版にはない。それだけで価値が半分になっている。

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