日本の文学賞

← 受賞作品一覧に戻る
オービタル・クラウド

日本SF大賞

オービタル・クラウド

藤井太洋

衛星軌道上の異変をきっかけに、宇宙開発、情報技術、国際政治が交錯する近未来SF。専門的な技術描写とスピード感のある群像劇で、現代の延長にある危機を描く。

SF宇宙開発情報技術国際危機

作品情報

藤井太洋『オービタル・クラウド』の受賞作情報と書誌状況を整理した作品紹介。

衛星軌道上の異変をきっかけに、宇宙開発、情報技術、国際政治が交錯する近未来SF。専門的な技術描写とスピード感のある群像劇で、現代の延長にある危機を描く。 書誌識別子は、確認できた紙書籍の情報に限定し、掲載誌や応募原稿の識別子は採用していない。

レビュー要約

  • 作品の題材や筆致を評価する反応が中心で、受賞作としての位置づけと読後に残る主題性が注目されている。

書籍情報

出版社
早川書房
発売日
2014-02-21
ページ数
480ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784152094445
ISBN-10
4152094443
価格
2090 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

科学技術は誰のものか? 電子書籍のベストセラー作家による、 渾身のテクノスリラー巨篇! 流れ星の発生を予測するWebサービス〈メテオ・ニュース〉を運営するフリーランスのWeb制作者・木村和海は、衛星軌道上の宇宙ゴミ(デブリ)の不審な動きを発見する。それは国際宇宙ステーション(ISS)を襲うための軌道兵器だという噂が、ネットを中心に広まりりつつあった。同時にアメリカでも、北米航空宇宙防衛軍(NORAD)のダレル・フリーマン軍曹が、このデブリの調査を開始した。その頃、有名な起業家のロニー・スマークは、民間宇宙ツアーのプロモーションを行うために自ら娘と共に軌道ホテルに滞在しようとしていた。和海はある日、イランの科学者を名乗る男からデブリの謎に関する情報を受け取る。ITエンジニアの沼田明利の助けを得て男のデータを解析した和海は、JAXAに驚愕の事実を伝えた。それは、北米航空団とCIAを巻き込んだ、前代未聞のスペース・テロとの闘いの始まりだった──電子時代の俊英が近未来のテクノロジーをリアルに描く、渾身のテクノスリラー巨篇! (電子書籍版同時発売)

1971年奄美大島生まれ。 国際基督教大学中退。舞台美術、DTP制作、展示グラフィックディレクターなどを経て、2013年までソフトウェア開発・販売を主に行う企業に勤務。2012年、電子書籍個人出版「Gene Mapper」を発表し、作家として一躍注目を浴びる。2012年12月、短篇小説「コラボレーション」「UNDER GROUND MARKET」の2作で商業誌デビュー。2013年4月に、「Gene Mapper」の増補完全版『Gene Mapper -full build-』(ハヤカワ文庫JA)を刊行。他に〈UNDERGROUND MARKET〉シリーズ(Kindle連載)の連作短篇「ヒステリアン・ケース」「アービトレーター」がある。日本SF作家クラブ会員。

レビュー

  • スケールの大きな次世代SFエンタメ

    軌道上の衛星を破壊する謎の雲(クラウド)。そのテロ行為を阻止するために立ち上がるエンジニアのSFエンターテインメント。 まず衛星を破壊するクラウド、という危機がユニーク。それを阻止する主人公がフリーランスのエンジニアだったり、明らかにイーロン・マスクフィーチャーな人物が出てきたりと、登場人物回りも次世代フィクションの香りが漂う(もう10年近く前の作品だけど)。 とにかく現代から地続きの世界、そこに登場する危機にリアリティがあり、スケールの大きな展開と、話運びのうまさもあってノンストップにぐいぐい読まされた。ぜひ映画で見てみたいけど、これはハリウッドにしかできないだろうなあ……。

  • 期待以上のSF的面白さ

    藤井太陽さんの長編初読み。注目を浴びている作家であるが、正直なところ本当に面白い小説を書いているのか疑いを持っていた。本作品は宇宙が舞台になっていることもあり、自分の興味に近いと思い手に取った。感想は・・・。今まで疑っていてごめんなさい。圧倒的な想像力と創造力。スケールの大きさ,非の打ち所がない。物語の展開で論理的な矛盾もほとんどなく、実際に起こっているのではないかと錯覚するほどリアリティーがある。読んでいて自然にその光景が頭に浮かび上がる。きっと映画化しても面白いだろう。登場人物が日本人である必要はない物語なので、ハリウッドでぜひ映画化して欲しい。楽しみました。

  • ハードSF小説よ永遠なれ

    正統派ハードSF。読み応えのある小説である。サスペンスな味も用意しているので最後まで楽しめる。宇宙空間の 透明な暗さや深淵の描写が宇宙SF好きにはたまらない。

  • 一気に読んでも、じっくり読んでも楽しめる

    のっけから宇宙ネタをバリバリ出してくるので、文系の自分に読めるかな?と不安になりましたが、あっという間に読むことが出来ました。 色々な情報がバンバン出てきますが、すべてわかっている必要は無く、「スペーステザー」以外はこんなものかな?という認識でも大丈夫な作りになっていると感じました。 iPhoneやRaspberry Piに代表される「最近の流行モノ」が随所にちりばめられており、テクノロジー系が好きな方ならニヤニヤしてしまうでしょう。 作者の「Gene Mapper」や「UNDERGROUND MARKET」シリーズに見られる終盤のスピード感は今作も健在です。 作中でキーパーソンが死亡するシーンがあるのですが、あまりにあっさり過ぎたのが残念です。 (0.3点くらい減らしたい気分です)

  • この作者は期待を裏切らない。

    「GENE MAPPER」が良かったのでこの本を購入。期待どうりの面白さだった。登場人物のキャラクターもいいしストーリーの展開のスピード感も自分の好みです。読み終わってからもう一度最初から読み返したくなる一冊です。

  • 面白い!

    天才と挫折、そして未来が描かれている。とてもテンポのよい一気に読んでしまえるけどそうしたくない、続編を早く読みたい!

  • 面白い!

    全体的には良作。「ジーン・マッパー」と同様、先端の科学と流行をふんだんに取り込んだ近未来のリアルな日常描写を読んでいるだけで楽しく、グレッグ・イーガンの短編と似た感覚を覚える。今作は映画「ゼロ・グラビティ」を観た人なら一層楽しめるだろう。 細かい粗だが、「40ビリオンドル(400億ドル)」は四千億円でなく四兆円だとか(猛烈な円高の未来なのか…とも思ったが、のちに50ドル=5千円の言及がある)、テザーで半永久に充電できるとか(発生する電力は宇宙機の運動エネルギーを転換している=高度が落ちる)いう粗が気になった。とはいえ本筋には関係ない話なので、気にせず楽しもう。

  • さあ至福の時間を過ごしましょう

    「オービタル・クラウド」(藤井太洋)[Kindle版]を読んだ。ほんの目と鼻の先のすぐそこの未来がこんななら悪くないね。そう思わせる見事な近未来の描き方は藤井太洋さんならでは。しかも、出てくるヤツ出てくるヤツがみんな格好いいんだよ。最高に面白い痛快エンターテインメント。読むべし。

関連する文学賞