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ニルヤの島 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

ハヤカワSFコンテスト

ニルヤの島 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

柴田勝家

死後の世界が否定された未来の南洋を舞台に、文化人類学者イリアス・ノヴァクが、ニルヤの島の伝承をめぐる調査に巻き込まれていく。生と死の観念をめぐる宗教、記録技術、共同体の記憶が交錯するSF長編。

死生観宗教南洋未来社会記録技術SF

作品情報

死後の世界を失った未来、南洋でニルヤの島の伝承が揺らぎ始める。

第2回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作。生体受像(ビオヴィス)によって人生を記録し、死後の世界という観念を否定した未来を背景に、ミクロネシア経済連合体の島々を訪れた文化人類学者イリアス・ノヴァクが、死出の船を作る老人や「ニルヤの島」の伝承に触れていく。死をめぐる信仰と技術のせめぎ合いを、南洋の風土とともに描いた作品。

書籍情報

出版社
早川書房
発売日
2014-11-21
ページ数
338ページ
言語
日本語
サイズ
12.3 x 2.1 x 18.8 cm
ISBN-13
9784152095046
ISBN-10
4152095040
価格
1760 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

〈第二回ハヤカワSFコンテスト受賞作〉「死後の世界がない」ことが証明された時代。ミクロネシアを訪れた学者ノヴァクは、死出の舟を造り続ける日系の老人と出会う……驚嘆の文化人類学SF。

レビュー

  • 期待にたがわぬ良作

    短編集「アメリカン・ブッダ」を先に読み、長編に期待してこちらを読みました。 期待にたがわぬ良作だと思います。 構成が骨太であり、科学技術だけでなく民俗学や言語学等の知識の裏打ちもあるので、全体的に壮大なスケール感があります。1990年~2000年代の日本文学は内宇宙の探索に偏っていた気がしますが、作者は内宇宙だけではなく外宇宙へのアプローチに対して、バランス感覚をもって取り組んでいるようです。 また、文体が肌にあうのかもしれません。地の文が明解です。よく響くバリトンで朗読されている気分になります。もちろん、登場人物の意識の流れを考慮して、それを反映した文章表現も含まれているのですが、意識的に行われているので論理性は保たれていると思います。 今後も期待しております。

  • 設定がわかるまで戸惑う

    時系列や視点の入り組み方がかなり複雑なので最初はとまどったが、そもそも作中の人物もページ通りの時系列で認識しているとわかってからは、あまり心配しないで素直に読んでいけば読めた。 そうなってる意味もラストで明かされるので、読後は読んでいる最中に感じる構造の複雑さからは想像つかないくらいすっきりします。

  • 死後の世界の考察はあまい

    死後の世界がないことが証明された未来の物語ということだが、 その考察はあまいといわざるを得ない。 キリスト教会、主にローマ法王が死後の世界を否定したという設定で描かれている。 が、イスラムはまだ死後の世界を信じているし、いろいろ対立があるみたいだ。 ミクロネシアにおける死後の世界は否定されているが、 日本人の仏教における死後の世界がどうなったかについてはまったk記述がない。 だから、死後の世界がない世界についての考察はあまいといわざるを得ない。 しかし、面白いオチはちゃんと用意されており、SF好きなら読んで損はない。 だが、まあ、「みずは無間」のような大傑作というわけにはさすがにいかないな。 アイデアはひとつは確かに明確にありますので、それは期待していただいてかまわないと思います。

  • 才能を感じた

    私は普段本を読みません。本格SFは初めて読みました。しかしながらとても面白いと思いました。しかしとても難解であり、一度読んだだけで理解はできません。しかし何回も読み、作者の意図を理解するという本の本来の在り方を教えられたような作品でした。 私にとっては人生観を大きく変えてくれた一冊です。 とても20代の書いた作品とは思えず、これからの作品にも大いに期待できます。 特に情景描写はとてもうまいです。 作者自体の個性が強いですが、作品もまた一癖ありです。 もっと世間に評価されてもおかしくないかと思います。

  • やりきれないシーンと、心惹かれるシーンと。

    やりきれないシーンと、心惹かれるシーンとが交互にやってくる物語だった。 特に惹かれたのは「Checkmate」の章。ここを読むことで、大枠の世界観がわかる。 戸惑ったのは「主観時刻」の概念について。人の脳は過去から未来へと順番に認識するように構成されていると思うので、主観時刻では混乱しかもたらされないと思うのだが、この物語ではそうはなっていないようだ。 またこの物語のような様々な技術が確立されているのであれば、自分では無い誰かの記憶を取り込んで体験することも可能だということ。自他の区別がなくなるであろうその体験は、果たして健全なのかどうか…。

  • 正直なレビュー書こうぜ

    分かりにくい。時系列もそうだが、本書特有の「生体受像」「主観時間」とかのワードについて最初に説明してくれないと。あと章が変わってから語り手の名前がなかなか出てこないので、章題によって語り手が違うシステムになかなか気づかない。それも一対一対応してないし。 技術的なキモである遺伝子コンピュータまではなんとかついていけたが、ミームコンピュータはまったく理解できなかった。しかし主に母とニイルの情緒面にはグッと来るところもあり、くり返し読んだら良くなりそうな気配もわずかに感じる。 賞を取った作品ではあるし、短編集『アメリカン・ブッダ』はめちゃくちゃ良かったので、本書も単なる駄作とは思いたくない、という気持ちで最後まで読んだが、正直面白くはなかった。 ここに書かれてるレビューもよく見てみると、あんまり面白くなさそうなこと書きながら星5つとかつけてる人が多いので、みんな似たような気持ちで読んだんじゃないかと思う。

  • 東南アジア、カーゴカルト、ミーム…死生感の群像劇

    死生、というより死生感をテーマにした群像劇の良作。 あえて最初から設定を説明しない作品で、 専門用語とふわっとした記述が続くが 読み進めるにつれ詳細が描かれていき 最後まで読めば全貌が明らかとなる。 作品構成自体が仕掛けになっているようなギミックもあり、 色々凝っていて楽しい作品。

  • 何が面白いのか分からない

    最初から難解な言葉と内容のられつで読みにくい上に、興味を惹かれるテーマがなく、読むのが苦痛でした。 作者が何を言いたかったのかも不明。 あまり読書をしない僕みたいな読者でも興味を持って読めるように工夫して欲しい。 何でこんな作品が賞をとったのか不思議です。

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